
第62話、カラー表紙。
いろいろ噂は出ていましたが、本当に映像化、それもアニメ化が実現するようです。
アニメ化はとても楽しみな一方、一抹の不安も感じますね。
あえてここでは、ざっと思いついた、不安な点を中心に書いておきたいと思います。
まず、テーマがテーマだけに物議を醸すのではないか、というのは少し心配です。
特に第1巻の小学生編は、読み切り版のメインコンテンツでもありますし、連載版でもそのあとの高校編に続く非常に重要なパートではありますが、その中身は残酷な障害児いじめの連続で、さらにその「いじめ」への制裁がもう1つの別の「いじめ」を生み、教師までもがその構造に加担しているという、カタルシスも正義も見いだせない展開が続きます。
この第1巻のパートが、視聴者から「残酷だ」とか「いじめを助長する」みたいなネガティブなリアクションを受けないだろうか、というのが1点目の心配です。
2点目として、同じく第1巻の展開があまりにも鬱展開なため、視聴者が高校編に進む前に見るのをやめてしまうのではないか、という心配もあります。
1クールだとすると最初の1話まるごと、2クールなら場合によっては最初の2話くらいが「小学生編」になると思いますが、第1話での脱落組が相当出るのではないかと予想します。
実際、まんがのほうでも、ツイッターなどの反応をみると「単行本1巻の途中で挫折してしまった人」をたくさん見かけたので、その点が心配になります。
3点目は、シンプルに「映像」のクオリティについての心配です。
「聲の形」はコマ割りや背景、そして登場人物の表情に非常に力が入っていて、まんがの時点ですでに映画のような「映像作品」としての力があり、それが作品の魅力のかなりの部分を占めていると思います。
それをアニメ化した場合に、原作のクオリティに追いつき、それを超えていくような作品に仕上がるのかどうか、楽しみでもありますが、「かなり」不安でもあります。
4点目は声優のキャスティング、特に「硝子」はどうするのか、という問題です。
聴覚障害者ゆえのたどたどしい発話を、普通の声優が例えば「舌足らずな幼児声」で再現したら、相当がっかりな感じになってしまうように思いますが、一方で実際の聴覚障害者が声をあてたり、あるいはそれを声優がリアルに模して演じるとなると、今度はリアルすぎてアニメが一気に社会派ドキュメンタリーみたいになってしまう可能性もあります。
5点目は「手話」の取り扱いです。
この作品では、手話が非常に多く使われ、かなりのシーンでは「訳」さえあてられなかったりしますが、そのようなシーンでは、字幕が出たりするのでしょうか。
ただ、この点については逆に期待する部分もあって、まんがでは将也が当たり前に手話を駆使して、同時に音声もつけている(硝子の手話は将也が読み取ったものが文字として書かれている)ため、意外と「手話がばんばん飛び交っている」という印象が薄くなっています。
アニメでは、2人の会話には常に手話が飛び交うことになりますから、「手話濃度」は間違いなくアニメのほうがまんがよりも濃くなることでしょう。
6点目は、まんがで駆使されたさまざまなユニークな手法を、アニメでどう表現するのか?という点です。
特に、将也がクラスメートらにつけたバッテンはそのまま使うのかということと、第51話の硝子回をはじめとする「硝子視点」をどのようにアニメで描くのか、これは不安でもあり、楽しみでもあります。
さて、そんなわけで、アニメ化はいいニュースで嬉しいですが、実際アニメ化が相当難しそうな作品であり、制作側には大いにチャレンジになると思います。(でも、上記では心配ごとばかり書いていますが、アニメ化決定自体はすごく嬉しいと思ってます!!)
というわけで、続報を楽しみに待ちたいと思います(^^)。
ラベル:第62話