2014年06月27日

第42話にばらまかれたその他の謎と伏線とは?

さて、第42話に撒き散らされたたくさんの「伏線」のうち、まだ残っているものをざっと拾っておきたいと思います。

1)結絃がたこ焼きを買ったのは島田の露天?
 これは確定っぽいですね。
 前回の「神の視点」での島田(としか思えない男)の格好と、今回結絃が買った店の店員の格好が同じ、しかも「たこ焼き」なので、やはり島田の露天でしょう。
 そして、1.5)隣にいるのはやはり広瀬とその彼女なんでしょうか???

2)ふたたび出てきた「1個だけの補聴器」の謎
 硝子は補聴器を外してテーブルに置いている描写がありますが、やはり1個だけのようです。
 小学校時代、植野と将也に補聴器を奪われたときは、間違いなく両耳にしていたわけですから、「なぜ1個になったのか」という謎があります。
 この話題については、高校編になって補聴器を1個しかしていないところから、ずーっと議論のネタになってきたところですが、今回も「1個だけ」が明らかに強調されています。
 「硝子の耳の傷」という別の伏線らしきものもあり、ここにもやはり伏線は仕込まれていると見るのがよさそうです。

3)筆談ノートに「死」と書いたのは誰?
 将也がつまづいて、ダイニングの椅子から落ちた筆談ノートには「死」という字が見えます。
 改めて、こういったひどい悪口は誰が書き込んだのか、ということが問題になってきます。
 というのも、将也はノートに「オンチなんだからうたってるフリしとけよ!」と、ウンチなどの「ラクガキ」は描いたものの、「死(ね)」的な、露骨ないじめメッセージをノートに書くようには思えないからです。
 だとすると、硝子にとっては、実は「将也よりも陰湿ないじめを、将也とは別にしていた人物」がいて、そちらのいじめのほうがこたえていた、という可能性もあるわけですね(だからこそ将也とは友達になろうとした?)。
 このあたりの「硝子いじめの(将也から見えていない)真相」も、また謎として浮かび上がってきました。

4)同じシリーズ?が大量に並ぶ本棚
 たぶん回収されない伏線。
 42話の見開きで、リビングのベランダの近くに本棚らしきものがあり、背表紙が同じデザインの本が大量に並んでいます。
 見た感じ、少年まんがか少女まんがの単行本に見えます。(ジャンプコミックスのワンピース?)
 硝子は読書家、という話題が以前あったかと思いますが、読んでいたのは実はまんがだった、ということなのかもしれません。

5)踏み台になった車のおもちゃは15年選手?
 今回、硝子がベランダを乗り越える踏み台になっているのは、車のおもちゃのようですが、このおもちゃ、形が、第32話で硝子が3歳の頃に登場したものと非常によく似ています(手押しバーのあたりはまったく同じに見えます)。
 もしこれら2つが同じものだとしたら、3歳のころに遊んでいたおもちゃが18歳になった今も捨てることも壊れることもなくそこにある、ということで、異様にものもちのいい家だということになりますね。

6)第42話と「死に」はかけてある?
 ほぼタイトルオンリーです。
 この展開を、きれいに「第42(しに)話」にもってきたのは、絶対わざとですよね?
 それどころか、もしかすると西宮母の誕生日が「44歳」だったのも、母(いと)と娘(硝子)の「ダブルの死」にかけたりしてないですよね?(--;)
 また、次の次の回は第「44」話になりますが、不吉なことにかけようとしてないですよね?
 最後のは真面目に心配です。
ラベル:第42話
posted by sora at 00:43| Comment(12) | TrackBack(0) | 第5巻 | 更新情報をチェックする

2014年06月28日

第42話は各巻のラストを伏線として回収し直している?(2) 第3巻ラスト

すでにあげたエントリと内容的にかぶりますが、もう少し詳しく書いていますのでアップします。

第42話がこのような展開になったことで、別のニュアンスを帯びてくる「伏線」があります。

それは、第3巻のラストで登場する硝子からのプレゼント、「ガーデンピック」です。
硝子が、将也からもらった猫ポーチのお返しとして買い、若干の紆余曲折はあったものの、あの伝説の第23話「うきぃ」回で将也に渡した、あのプレゼントです。

このガーデンピック、将也は受け取った直後から、これが何に使うものなのか分からず、その後何度もそのことを硝子に聞こうとして、結局聞けていません。


第3巻173ページ、第23話。

聞けていないうちに、物語の中でも2か月半もの期間がたち、そしてこんな大事件が起こってしまいました。
ネタ的に言うなら、42話ラストでぎりぎり硝子の腕をつかんだ将也は「ぐ」ではなく、「ちょっと待て、まだアレが何か聞けてない!」と叫んでもいいくらいです。

そんなわけで、今回、このことを改めて振り返って、思ったのです。
あのガーデンピックは、物語のなかでは「硝子からのプレゼント」ですが、メタの視点からは、「将也と硝子が実はずっとバラバラで、お互いの「聲」がまったく通じ合っていなかったことを象徴するもの」として用意されたものだったんじゃないか、と。

思えば、将也がこれを最初に受け取ったときに「これは何?」と硝子にすぐに聞けなかったのは、「もっと(硝子のことが)知りたい」と思ったとたんに将也の心のなかで過去の自分への嫌悪、トラウマが広がって、目の前の硝子としっかり会話することができなかったからでした。


第3巻175ページ、第23話。

ここを改めて読むと、将也はガーデンピックのことをうっかり聞き忘れて聞けなかったのではなく、「聞きたくても聞けなかった」。
それは、硝子を深く知ろうとすると過去に踏み込むことになり、そのころの硝子の気持ち、ひいては自分が憎んでいる小学校のころの自分自身と向き合わなければならなくて、それが怖かったからです。

そしてその後も、いろいろな偶然が重なったとはいえ、結局、たった「アレって何?」というだけの簡単な会話さえ、この二人はできていなかったわけです。
たぶんそれは、「偶然」だけではなく、無意識のうちの回避というものも含まれていたはず。

つまり、この二人は、会話をしてきていたようで、していなかった。
距離が近づいたようでいて、近づいていなかった。
お互いの理解が深まってきていたように見えて、理解できていなかった
(この「理解できていなかった」という点に関して言えば、花火大会の最後で、将也が来年の誕生日の約束をして幸福感に満たされていたまったく同じ瞬間、硝子はかなえられない約束に将也が喜んでいるのを見て絶望感に満たされているわけです。そのくらい「相互理解」とは対局の位置にいます。)

そういう、絶望的なまでのすれ違いと遠い距離を、こっそりと、でも常に頑なに主張し続けるアイテムとして、この「ガーデンピック」が使われている…。

42話である意味、これまで将也が硝子にやってきたことが全否定される展開になったことを考えると、「ガーデンピック」はそういう「断絶」を示すアイテムであるように思えてならず、その断絶を象徴する(ことになる)アイテムを、よりによってあの「うきぃ」回に登場させて伏線として仕込んでいるというあたり、この作品の緻密な構成と、大今先生の趣味の悪さ(笑。誉めてます)を感じずにはいられません。
ラベル:第42話
posted by sora at 08:31| Comment(2) | TrackBack(0) | 第5巻 | 更新情報をチェックする

2014年06月30日

第42話は各巻のラストを伏線として回収し直している?(3) 第4巻ラスト

さて、第5巻の終盤が、既巻の各ラストシーンをネガティブに回収しているという話題ですが、(もう月曜日になってしまいまって、若干賞味期限切れですが)第4巻のラストの回収のされ方についても、若干補足しておきたいと思います。

第4巻のラストを伏線として回収していると考えられるのが、第41話で結絃が知らないあいだにコンテストに応募されたという写真です。


第41話13ページ。

あれは、第4巻ラストの「ガムシロ」の回に、結絃のために将也達が探して見つけた鳥の死骸、それを取り除いたあとの地面の写真でした。


第4巻181ページ、第32話。

そして、この写真は「硝子のすすめで(西宮母が)選んだ」ということになっています。

ここで、「ガムシロ回」での結絃の会話を思い出してみましょう。

結絃「キレイすぎるな 2点」
「これ キモい? ねーちゃん」
「そうか!キモいか!」にかー!


このとき硝子は死骸に苦手そうな顔をしましたが、実際にはその死骸は「キレイすぎる」状態のいいものでした。
そして、その死骸があった場所は、死骸のあった場所だけ「キレイに」土が見え、周囲はシロツメクサの花が咲いていたわけです。

もともとは、硝子が写真をコンテストに応募することを考えたのは、(自分がいなくなったあとの)結絃の将来を少しでもサポートしたいという気持ちからだったと思います。

でも、そのために母親が選んだ写真を見たとき、硝子は別の意味で「運命」を感じたのではないでしょうか。
「鳥の死骸」は死んだ後の自分、そして「その死骸がなくなったあとのキレイな地面」は「(周囲に不幸をもたらす)自分がいなくなったあとのキレイな世界」、その周囲の草花は「自分がいなくなったあとの家族や友人たち」である、と…


しかし、それにしても…

3章のラストのガーデンピックだけでなく、4章の最後の「ガムシロ」まで、ほんわかエピソードと見せかけて5巻ラストのぞっとする展開で回収してしまうとは、この構成はほんとに怖く、また驚くほかありません。
posted by sora at 21:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 第5巻 | 更新情報をチェックする

2014年07月01日

デートごっこ以後の硝子の心情を改めて考える

さて、42話の展開で、橋事件以後の硝子の心情がようやくある程度明確になりました。
すでに書いている内容とかぶる部分もありますが。改めて整理してみたいと思います。

第39話の最後でデートを承諾した硝子ですが、その夜結絃から橋事件の詳細を聞いて、自分の存在があらゆる人を不幸にしてしまう、という絶望を深くしたことでしょう。

翌日の「デートごっこ」をあえて(恐らく将也を絶望させないために)断らなかったものの、その結果、今度は将也にケガを追わせてしまいます。
橋事件に続いてまたも将也を「不幸にした」ことで、硝子のなかで「私と一緒にいると誰もが不幸になる」という気持ちが、自分でも制御できないくらい大きくなってしまったのだと思います。

そして、この表情。


第40話、17ページ。

これは、将也に筆談ノートを捨てられてずぶ濡れになって帰ってきたとき、結絃に見せたのと同じ表情であり、「自殺念慮」と直結する表情です。
つまり、硝子は、この瞬間に自殺することを決めたのだと思います。
そのあとの吹っ切れたような笑顔はつまり、自分はもうすぐ自殺して消えるから、長くここに居続けて将也を不幸にすることはない(だからもうそのことを心配する必要もない)、という意味で「吹っ切れた」笑顔だったのだと思います。

そしてこの後、硝子はつきものが落ちたようなさっぱりした表情になり、将也に対する態度も別人のようになります。
(手話サークルで会ったときはギョッとしたものの)映画への誘いを素直に受けただけでなく、自宅にまで呼んで一緒に家族の誕生日を祝い、さらに花火にも積極的に誘っています。

これはやはり、好きな人、一緒にいたい人、必要だと思ってくれる人と、最後のひとときだけは過ごしたい、という気持ちの現れだったのだと思います。
それに加えて、「周囲を不幸にするという呪いの意識」を(最悪の形でですが)吹っ切れたことで、やりたくてもやれなかったこと(将也を積極的に誘うことなど)ができるようになった、ということもあったのだと思います。

そして、これ以降硝子が汗ひとつかかなくなったのは、硝子にとっての現実が、自殺決行にむけて少しずつリアリティを失っていくことを示していたのだと思います。

そんな、束の間の幸せな、でも少しリアリティを失った時間のなかで、将也から「来年の誕生日を一緒に祝おう」が硝子に突き刺さります。
それまで淡々と将也との会話に応じていた硝子は現実に引き戻され、叶えることのできないこの約束に対して、あの変顔が出てしまいます。


第42話3ページ。

この笑顔の口元、かつて第3巻21話で硝子が見せた、「とても笑顔でいられる状態じゃないけど辛うじて作った笑顔」とまったく同じ類のものです。

第3巻144ページ、第21話。

とうとう耐えられなくなった硝子はこの会話を期に花火会場を去り、自殺を決行するために自宅に戻っていきます。
このとき、将也の「また」に対して、「また」ではなく「ありがとう」を返しています


第42話4ページ。それにしてもこのまんがは、「またね」の手話を超有名にしましたね。

硝子が将也に「また」を返さなかったのは、これで2回目になります。(1回目は植野と再会したときの修羅場)

もしも将也がこのあと硝子の命を救わなければ、これが硝子のさいごの「聲」になるところでした。

ありがとう。…そして、さようなら、と。
posted by sora at 21:32| Comment(9) | TrackBack(0) | 第5巻 | 更新情報をチェックする

2014年07月15日

今日は、将也たちが映画小道具買い出し&水門小を訪れた日です!

さて、たまにはカレンダーネタも書いておきたいと思います。

今日、7月15日(火)は、将也・硝子・真柴がホームセンターに買い出しに行って、


第34話、14ページ。

そのあと、水門小学校にロケの許可を取りに行き、あの竹内と再会するという因縁の日になります。


第35話、2ページ。

上記にあるとおり、話数でいうと第34話から第35話、第5巻の前半あたりということになりますね。
すでに単行本の刊行ペースよりは物語のなかのカレンダーほうが先に進んでいます(それでも、連載にはまだ追いついていませんが)。

物語の中では、このあと今週末の7月18日が終業式で、テストの成績の悪かった将也と永束は補習を受けさせられる、という展開が続きます。
そして、映画撮影編がゆるやかに始まり、そしてあの運命の「8月5日」に向かっていくわけです。

忘れていなかったら、また8月5日にもこういうエントリを書きたいと思います。(^^)
posted by sora at 14:50| Comment(6) | TrackBack(0) | 第5巻 | 更新情報をチェックする