2014年05月31日

硝子が将也を好きになった瞬間はいつ?(3)

さて、実は私が、「ういろうを渡したあとの最高の笑顔のシーン」が、硝子が将也にはっきりした好意を抱いた瞬間だ、と確信したのは、ネット各所で話題になっている、

「将也の画から汗マークをとるとイケメンになる」

というネタを、自分で試してみたときです。

ということで、硝子が「最高の笑顔」を返しているのは、将也が「またね」の手話をして、それに応えて「またね」をやっているときです。
そこで、その将也の「またね」を見てみましょう。(第2巻183ページ、第14話)



この画像から、汗マークを除去してみると…(すみません、加工画像を置くことをご容赦ください)

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ええっと、誰ですかこのイケメンは(笑)

こんなイケメンが、こんなクールな微笑みとともに「手話で」、「またね」というメッセージを伝えてきたら、そりゃあ一瞬で恋に落ちてもまあおかしくないな。


(昨日のエントリの画像を再掲、第2巻184ページ、第14話です)

それくらいのイケメンっぷりです。
この「汗マーク」、おそらく実際にはこんなに汗はかいていなくて、なかなか積極的にオープンマインドになれない将也の精神状態を象徴的に示した表現だと思うので、実際には硝子には見えていないものだと思います。
ですから、硝子には、この「汗マークのないバージョンの将也」が見えていると考えるべきでしょう。

しかもこのとき、硝子は、将也が捜索騒動のとき以降結絃のことについてとても親身になってくれていることも知っています。(実際、家出をしていた結絃を行き倒れになる前に保護していたわけですから)

うーん、やっぱり「聲の形」は、実はイケメンの将也がもてまくるという話だったのかもしれません(笑)。

この話、あともう1~2エントリ引っ張ります。
タグ:第14話
posted by sora at 07:50| Comment(7) | TrackBack(0) | 第2巻 | 更新情報をチェックする

2014年06月01日

硝子が将也を好きになった瞬間はいつ?(4)

さて、この連続エントリのなかで、硝子が高校生になって将也と再会して、将也にはっきりと好意をもったのは、5月5日の夜、結絃を迎えにいったときに将也と出会い、別れ際に「またね」の手話をやりとりした瞬間だ、という(当ブログ的)結論に達しました。

とはいえ、「イケメン石田にまたねと言われたから」、ただそれだけの理由で好きになったわけじゃなくて(笑)、ここにいたるまでには数多くの「行い」の積み重ねがありました。

1.小学校時代から、将也に対してもともと何らかの気持ちがあった。

 筆談ノート、握手、手話で、3回も「友達になりたい」と伝えた(第2話~第3話)からには、何かあったとしか考えられません。それに加えて、魂をこもった喧嘩までやった「特別な仲」です。
 ただ、なぜそこまで「自分へのいじめの主犯格」だった将也に特別な思いを寄せていたかはいまだになぞです。(将也転落後については、分からなくもないですが…)


(第1巻114ページ、第3話。「友達になりたい」の手話を伝えようとしているところ。)

2.筆談ノートを拾ってくれた
3.それを5年もたっているのにわざわざ届けにきてくれた
4.将也の側から積極的に「友達になりたい」と手話でアプローチを受けた
5.西宮母に再度捨てられそうになったノートを躊躇なく川に飛び込んで一緒に探してくれた



(第2巻20ページ、第6話)

 4月15日の再会からの一連のドラマ、これもインパクトはとても大きかったと思います。
 どのイベントも、将也がからかいではなく誠意をもって自分に会いに来てくれた、ということを心から実感させるものだったと思います。中でも最大の感動的できごとは、かつて自分が(上記1.で)伝えようとした「友達になりたい」の手話を、筆談ノートともに将也が伝えてきた瞬間だったでしょう。
 再会時に硝子が問いかけた「どうして」に、将也はしっかり答えた、と言えます。

6.再会後に、似たような気持ちでお互いに慕っていたことを確認できた

 そして、2週間後の橋でのやりとりも、無視できないと思います。
 劇的な再会を果たしたものの、冷静になってみれば、やはりかつてのいじめっ子でもあり、硝子からすると自分のせいでカースト転落させたという「負い目」も感じていた将也との関係再構築に躊躇する気持ちは生まれてきたことと思います。
 その「とまどい」そのものを共有できた、ということは、逆にとても意味のあることだっただろうと思います。

7.家出した結絃をかくまい、気遣ってくれた、服も貸してくれた
8.結絃と一緒に夜中に自分を探してくれた
9.バカッター投稿などの結絃の悪行を受け止め許してくれた
10.さらにご飯もごちそうになったりして、孤独な結絃の心を開いてくれた



(第2巻159ページ、第13話)

 さらに、その後の1週間も硝子にとって激動の1週間でした。
 結絃の将也へのいたずら(将也の停学までの大ごとになった展開は、ある意味、小学校時代の「補聴器学級裁判事件」にも通じる部分があります)から結絃の家出、その結絃を捜索して自分が捜索される側になってしまった事件、それらすべてについて、将也が全面サポートしてくれていたことを後から知り、さらには頑なな結絃の心を少し開いてくれるところまでに至った将也に対して、硝子が信頼感に加えて、「大事な存在」だと感じたとしても何の不自然もないでしょう。

この話題で、あと1エントリ書きます。
posted by sora at 08:09| Comment(6) | TrackBack(0) | 第2巻 | 更新情報をチェックする

2014年06月10日

バカッター事件にはどんな効果があったのか?

さて、結絃が将也に嫌がらせをしようとして川への飛び込みをSNSに投稿した、通称「バカッター事件」ですが、結果として、物語のほとんどの人間関係をドライブする決定的要因になっています。
これがなかったら、聲の形の中のほとんどの出会いはなかったか、別のものになっていたと思われるくらいです。

(第2巻104ページ、第10話)

そんなわけでここでは、「バカッターの効果」をまとめてみたいと思います。

将也:1週間の停学になった。そのおかげで家出した結絃と出会えた。(結絃と和解できなければ、この後の全ての物語は成り立たなかったのでは?)
結絃:硝子と喧嘩して家出をするはめに。その結果将也と和解、好感度が劇的にアップ
硝子:家出した結絃を探して行方不明に、その捜索のおかげで後日将也と会うことになり、好感度が劇的にアップ
永束:停学中に将也の自宅におしかけたことで結絃と親しくなり、おそらくこのつながりから、将也のメールアドレスが硝子に伝わった。
真柴:バカッター事件で将也に強い興味を持ち、将也に話しかけ、その流れで後日友人になる
川井:真柴がバカッター事件で将也に興味を持っていることを知り、将也の話題に割り込んでくる。それがきっかけで佐原の進学先がわかり、佐原との再会のきっかけに。さらに植野との再会にも繋がっている可能性。さらには真柴と将也がこの事件を契機に親しくなっていったことから、川井も将也に近づくこととなった。
佐原:記事が出たことで昔を懐かしんで電車で将也を追いかけてくれた。おかげで再会することができた
植野:佐原との関係ができたことで将也に新しい動きが出てきたらしいことを察知し、将也に再度アプローチを開始



第37話、9ページ。真柴が将也に近づいてきたおおきなきっかけも、このバカッター事件でした。

…やはり、なんというか、ほとんどの友人関係のきっかけになっているのが、このバカッター事件だということがあらためて確認できました。
明らかに、この「聲の形」のなかでは、このバカッター事件は「結果としてむしろよかったこと」として扱われていますね(笑)。
ちょうどこの事件の回あたりの連載時(の少し前)には、まさにこういう、若者が反社会的な愚かな行為をネットに公開して炎上する事件が相次いでいて、けっこう社会的には厳しい制裁を受けた人が多かったように記憶していますが、「聲の形」のなかではそうでもないところがまた実に面白いところです。
タグ:第10話
posted by sora at 21:27| Comment(6) | TrackBack(0) | 第2巻 | 更新情報をチェックする

2014年07月13日

デラックス事件のスニーカーと結絃の関係とは?

さて、44話の話題でいったん途切れていた「デラックスネタ」の残りを投稿します。

デラックスについていくつかエントリを投下していますが、実はデラックス事件のスニーカーが、将也と結絃との関係のキーアイテムになっているようだ、という話です。

結絃は将也のバカッターをなりすまし投稿したことを硝子に問い詰められ、裸足で自宅マンションから家出します。
その後、結絃は裸足のまま倒れているところを将也に発見されて将也の自宅に運び込まれ、その夜に硝子行方不明の一報を聞いて将也と一緒に探しに行くことを申し出ます。

そのとき、結絃は靴がなかったので将也に靴を借りようとするのですが…


第2巻146ページ、第12話

このときに将也が結絃に貸した靴は、デラックス事件のあのスニーカーにしか見えません。


第1巻35ページ、第1話。デザインが完全に同じですね。

結絃はこの靴を借りて将也とともに硝子探しをして、その途中で、あの将也の「硝子のために命を消耗したい」という熱い気持ちを聞かされます。
ここから、将也と結絃の友情は始まったといってもいいでしょう。

そして、この日に借りた服を硝子が将也に返したとき、硝子はいったんその靴を将也に返そうとしますが、ここで将也は結絃にこの靴をプレゼントしたのでしょう。大きくなった将也にはサイズが合うとも思えませんから。

そして結絃は、将也からこの靴をプレゼントされて以降、私服で外出するときは常にこのスニーカーを履いています。


たとえば、第39話18ページ。

この靴をプレゼントされる前は、ベルクロテープの白いスニーカーをはいていたようですから、


たとえば、第2巻75ページ、第9話。

将也からこの靴をもらって、ふだん履く靴を切り替えた、ということになりますね。
きっと、結絃は将也との「友情のしるし」として、この将也からもらった(そして遡るとデラックス事件を引き起こした)靴を意識していつも履いているんだと思います。

ところでこの靴ですが、そもそも不思議なこととして、将也が自殺を決意して全てを売り払ったときに、なぜこれだけ売らなかったのだろう?ということです。古くて使い古しているとはいえ、もともとはブランドものの新作だったわけですから、売って売れないことはないでしょう。
というよりそもそも、高3の時点では明らかに小さくて履けなくなっている靴を、なぜ残していたのでしょうか?

恐らくですが、この靴は将也にとって「楽しかった小学校時代そのもの」だったのではないでしょうか。
デラックス事件は、島田や広瀬との楽しかった毎日の集大成であり、また、最後の思い出にもなっています。だから、捨てられなかったのではないだろうか、と。(将也は自殺を決意していたものの、実際には未練がたくさんあったことは、物語のあちこちにちりばめられていますね)

小学校時代の「失われた友情のかけら」が、5年の歳月をへて、高校になってからの「新しい友情のかけら」としてまた使われる。
デラックス事件のスニーカーは、そんなかけがえのない友情のドラマをこっそりと演出しているアイテムになっているように思われます。
posted by sora at 07:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 第2巻 | 更新情報をチェックする

2014年11月26日

聲の形における「因果応報」を考える(4)

第2巻での硝子との再会、そしてそこで交わされた「友達になろう」という会話は、硝子へのいじめによって「因果応報のループ」のなかに転落してしまった将也にとって、初めて見つけたそこから脱出するための糸口であったといえます。

ただ、その後の将也は、未来志向ではなく「過去志向」で、「硝子のために、失われた過去を取り戻す」という行動原理で行動してしまいます
第2巻で、将也は結絃に向かって「硝子のために命を消耗する」という決意を表明しますが、それは将也にとって、自身がからめとられている因果応報のループの「起点」である、「硝子をいじめたという罪」への贖罪によって、このループから脱出しよう、脱出できるんじゃないか、というあがきでもあったと思うのです。


第2巻152ページ、第13話。

でも、「過去」を向いた贖罪は、実はこの物語の中では、因果応報の無限ループを脱出するための「正解」ではありません
そのことは、物語の後半で徐々に明かされていくのですが、第2巻のタイミングでも、西宮母のせりふが「ヒント」を与えてくれています。

第2巻で、行方不明になった硝子の発見に協力した将也に対して、西宮母は、

「あなたがどんなにあがこうと 幸せだったはずの 硝子の小学校時代は戻ってこないから」

と告げています。


第2巻165ページ、第13話。

このあとの展開で示されていく、将也が因果応報のループを抜けるための方法は、最終的には「単なる謝罪」でもなく、「過去を修復すること」でもなく、「未来に向かって何かを作り出していくこと」だった、ということを、作者はこの時点ですでに西宮母のせりふという形で読者に予言的に伝えているのだと思います。

ここまでが2巻の展開です。
こうやって整理してみると、実は「因果応報」とはどんなものであるのか、どうすれば乗り越えられるのかということについて、将也のケースを使って第1巻から第2巻までの時点で、すでに相当踏み込んだ描写がなされていることに気づきます。

でも、この第2巻で密かに示されている、「過去の修復の先に(因果応報を乗り越えられる)救いはない」という「答え」は、登場人物のすべてに気づかれず、無視されます
そして、将也のみならず、硝子も、植野も、まさに登場人物すべてが「過去の修復」によって因果応報のループから脱出しようとして必死にあがき、そして究極的には(因果応報の罰による)「すべての崩壊」に向けてなだれを打っていく悲劇が描かれたのが、第3巻から第5巻だった、ということになるのではないかと思います。
タグ:第13話
posted by sora at 07:07| Comment(2) | TrackBack(0) | 第2巻 | 更新情報をチェックする