2014年05月06日

将也が焦ったときのクセは?

高校生になった将也は、硝子に罪の意識を背負っているためか、将也に冷たくあたってくる西宮ファミリーと直面したとき、焦ってしまい意に反した行動をとってしまうようです。

それが、「やたら饒舌になって余計なことばかり言う」というクセです。

最初にこのクセが出るのが、第2巻59ページ、第8話で、将也が「いいバゲット」を持って手話サークルを訪れ、結絃(この時点では何者かを将也は知りませんが)と対面したときです。



「ぼ 僕は 西宮さんの友…達の石田っていいます
 あ 西宮さんといっても お母さんの方ではないですよ?
 ていうか今 お母さん いませんよね?
 あっ このパン…
 バゲットはですね…西宮さんに差し上げたいと思いましたね
 メチャクチャいいヤツがぐーぜん手に入ったもんで
 せっかくなんで 鯉のエサにどうかと思いましてね
 パン係の西宮さんに…」


焦りまくって意味不明なことをしゃべりつづけています(笑)

そして、次にこのクセが出てしまうのは、第4巻収録予定の第31話6ページ、硝子の母親と対面したときです。



「あ…違うんです
 別に変なことしに来たのではなく
 橋に行ったら佐原さんしかいなかったのでメールしようと思ったんですけど
 滝のところに結絃さんがいたんで
 そしたら お腹すいて…」


意味不明度がますます上がっています(笑)。

興味深いのは、1回目も2回目も結絃がこの「饒舌になった将也」の姿を見ていて、1回目は呆れて(手話サークルの教室の入り口から)追い出してしまったのに対して、2回目は逆にテンパる将也をフォローした、という点です。
こういった辺りにも、二人の関係(将也と結絃)が劇的に変化したことが現れていて興味深いですね。

タグ:第08話 第31話
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2014年05月14日

石田母が燃やしてしまった170万円は取り戻せない?

第2巻に、石田母が、将也が自殺しようとしていたことを問いただして、勢い余ってせっかく将也がバイトで稼いだ170万円を燃やしてしまうという場面があります。(第2巻90~93ページ、第10話)



ここで二人は、燃えてしまった紙幣をみて「全滅」という表現を使っているわけですが、本当にこの170万円はまったく回復できないのでしょうか?(第2巻93ページ、第10話)



どうやらそうではないようです。

日本銀行のHPなどでも通知されていますが、紙幣を燃やしてしまって損壊した場合であっても、その燃えかすをもって日本銀行に相談にいくと、残っている紙幣の量や状態などを勘案して、全額ではないものの一定額を認定して、新しい紙幣(日本銀行券)と交換してくれるということです。

http://www3.boj.or.jp/sapporo/qa.htm#a1-5
よくあるご質問 日本銀行札幌支店

(5) お札と貨幣が火事で焼けてしまった。
銀行券は表・裏両面があることを条件に、面積基準で新しい銀行券との引換えを行っています。灰になった銀行券は、その灰が銀行券であることが確認できれば面積に含みます。破砕のおそれがあるお金は、箱に入れる等、できる限り原形を崩さぬように持ち込んで下さい。粉々な状態になると、失効(銀行券としての価値は無い)と判断することがあります。
貨幣は上記(4)の【引換基準】により引換えます。金属片、プラスチック等の付着物はできる限り取り除いて持ち込んで下さい。
なお、このような現金を大量に持ち込むことを予定されている方は、事前にご連絡下さい。


「全滅」といっているコマを見ると、本当にぜんぶ炭になってしまったわけではなく、まだ紙幣の一部は残っていることは明確ですので、「裏表両面がある紙幣の面積」ベースでの回復がのぞめそうです。
石田母は燃やしてしまった紙幣の残骸をもって、日本銀行に相談に行くべきだったということになりますね。

ちなみに舞台である大垣市からもっとも近い日本銀行の支店は、名古屋支店のようですよ。
http://www.boj.or.jp/about/organization/chart/shiten_taisei.htm/
タグ:第10話
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2014年05月25日

硝子は本当に学校で「楽しくやれている」のか?

将也が高校になってから硝子と再会して、最初の橋の会話で、硝子の最近の身の上を軽く聞くシーンがあります。
第2巻23ページ、第7話の冒頭です。



西宮硝子 17歳
母 祖母 妹との4人暮らし
今 通っている学校では なかなか楽しくやれているらしい


ところが、これ以降、いまの学校で「楽しくやれている」ことを示すような、学校での生活の話や、いまの学校の友達がまったく登場しません。
そして、この場面以降に知り合う、将也、佐原などとつるむシーンばかりが登場します。
いつもの「橋」にも、硝子のいまの学校の友達などはまったく登場しません。

ほんとうに、硝子は今の学校で「楽しくやれている」のでしょうか?

以前考察したとおり、硝子は高校では、聾学校ではなく普通校を選択している可能性が高そうです。(実は、これも必ずしもそうとは言い切れず、聾学校である可能性も残っていると思っています。それについてはまた別の機会に)
逆に硝子が今の学校の友達を橋につれてきて、将也や佐原に紹介する展開があってもよさそうなものですが、そういうものもないですよね。

これについてヒントになりそうなのが、同じ第7話の最後のほうで将也が思い出す硝子のせりふです。

「一度 諦めたけど あなたが拾ってくれたから」

そしてさらに、第4巻に収録見込みの第29話で、結絃が祖母に話しかける場面(12ページ)です。

結絃「ねーちゃん 最近すごく変わったの
具体的には 4月からだんだん明るくなって
今 最高に変な奴って感じ!
今まで 家ではぼーっと本読むくらいだったのに
今はニヤニヤウキウキ 時々クヨクヨしてるけど
結果オーライって感じの変顔連発で
まじ面白いんだよ!」


これらから読み取れることは、こういうことなんじゃないでしょうか。

将也のいた小学校での事件とその後の転校で、硝子は積極的に友達を作ろうとすることを「諦めた」。
それによって、硝子は孤独になってしまったけれども、トラブルやいじめが起こることもなくなり、特別支援学校に転校したこともあって学校生活は平和なものになった。
プライベートの時間、硝子は家でぼーっと本を読んだりして過ごすことが多くなった。


だから、「楽しくやれている」というのは、積極的な意味というよりは消極的な意味で、「かつてのようにいじめにあったりすることはなく平和にやれている」という意味で、(ある程度社交辞令もこめて)答えたものだ、というのが正解なんだろうと思います。

最初にみた第2巻23ページのコマに友達?がいるのは、あくまで将也の想像ですからね。

そんな孤独な読書家だった硝子にとって、将也と再会してからの日々は、これまでとは比較にならないほどのドラマチックな毎日になっているだろうと思います。
そしてまさにそれは、「一度諦めたものを取り戻す日々」なんでしょうね。
タグ:第29話 第07話
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2014年05月29日

硝子が将也を好きになった瞬間はいつ?(1)

さて、聲の形の最大のなぞの1つだった「硝子が将也に好意をもったのはいつなのか?」について、番外編2のおかげで期間が相当絞り込めました

具体的にいうと、4月15日の再会以降、5月6日の橋でのイベント(佐原の話題が出る)以前の、わずか3週間のなかのどこかです。

ここから、さらに絞り込むことにトライしてみたいと思います。

まず、「4月15日の再会の時点で既に好意を持っていた」、これはいったん却下したいと思います。
硝子は将也と再会したときにあからさまに警戒して逃げていますし、「どうして」と聞いてもいます。
仮に小学時代、将也になんらかの好意を持っていたとしても、転校後高校生になるまでずっと将也を想い慕っていた、というのはさすがにご都合主義に過ぎるでしょう。
なので、再会後に、初めてなのか再燃かはさておき、将也に好意をもったタイミングに話を絞って考えたいと思います。

次に、その後の2週間、結絃の妨害によって将也と会うことができなかった期間も、まだそこまでの好意には至っていないと考えられます。耳が聞こえないとはいえ、結絃に妨害された程度で将也の来訪に2度とも気づかないくらいですから、そこまで気にはしていないように思われます。

ただ、橋での2週間ぶりの再会、「同じこと考えてた」「おかしいね」の会話あたりで、お互いの気持ちがある程度確認できて、少しずつ気持ちがほぐれてきたのはまちがいないでしょう。
ですから、この橋での2週間ぶりの再会(4月29日)から次の橋での再会(5月6日)までの1週間のどこかで、硝子が将也に好意を持ったことが推測されます。

この期間に発生したイベントを考えてみると、

・結絃の「彼女連れてたぜ…」「とんでもねぇヤリチンだよ」→鯉のおもちゃをピギュー(5月1日)
・結絃が家出、捜索騒動(5月1~3日)
・石田家で夕食をごちそうになった結絃をういろうを持って迎えにいく(結絃銭湯イベント、5月5日)


この3つです。

このうち、「彼女つれてたぜ」は、そのときの硝子の気持ちを自分自身で確認するきっかけくらいにはなったかもしれませんが、その話があったから好意をもつ、というものではないので関係なさそうです。(ただしこの後、将也に対しひどいことをしたことで、結絃がびっくりするほど怒ったところをみると、もうこの時点で将也に対しけっこうな好意をもっていたとは考えられます。)
また、家出・捜索騒動では、将也は硝子の彼氏だと思い込んでいた結絃にすべてを任せ、自分は硝子に会わないように隠れています(この時点では、結絃と一緒に将也も捜索に参加していたことを硝子は知らないはず)。ですからこれも違う。

残るは、ういろうを持って結絃を迎えにきたときですが、私はこのときこそが、硝子が将也に対して明確に好意(恋愛感情に近い)をもった決定的瞬間だと考えています。


2巻183~184ページ、第14話のあたりですね。

つまり、「硝子が将也にはっきりと好意をもったのは、5月5日、月曜日である」というのが私の考えです。

その理由は次のエントリで。
タグ:第14話 第11話
posted by sora at 07:19| Comment(4) | TrackBack(0) | 第2巻 | 更新情報をチェックする

2014年05月30日

硝子が将也を好きになった瞬間はいつ?(2)

さて、当ブログでは、硝子が将也にはっきりと好意をもった瞬間を、「5月5日、結絃銭湯事件の直後、ういろうと借りていた服を持って結絃を迎えにきたとき」だと考えます。

その結論にいたった状況証拠は前のエントリのとおりですが、もう1つ、この仮説を補強するネタを書きたいと思います。

まず第一に、このコマの硝子の笑顔です。



ここで、将也も結絃もこの笑顔に驚いています。(第2巻184~188ページ、第14話)

将也「西宮 あんな風に笑うんだ 初めて見た…
   (中略)でも あの笑顔を見てたら いつか忘れてしまうんじゃないか?


結絃「…この、硝子の- 笑顔を見てたら 忘れてしまうんじゃないだろうか?

そして、二人ともが「過去の嫌な思い出を忘れてしまいそうな笑顔」と表現しています。
特に、毎日を硝子と過ごしている結絃にさえ、「見たことがないような笑顔」として映っていることは注目に値します。

これはつまり、硝子にとっても「これまでに経験したことがないような感情が表れた笑顔」であり、「過去の嫌な思い出を忘れたことを表す笑顔」であることを表している、と言えるでしょう。

つまり、硝子はこの瞬間に、将也との過去の辛かったことをやすやすと乗り越え、将也に対する明確な好意(たぶんそれはほぼ恋愛感情)をもつにいたった
だからこそ、あの笑顔が、ほんとうに特別な、結絃でさえ見たことがなく、そこにいた、過去に対してさまざまな思惑のある誰もが、その過去を忘れてしまいそうになるような笑顔になったのだ、と思います。

それと比較すると、その前の週に、橋で「おかしいね」とか言って照れ隠しに鯉のえさのパンを見せ合うシーンなどで見せる笑顔は非常にぎこちなく、好意そのものというよりは「好意の芽生える兆し」を表しているように見えます。
(ついでに、ここで「鯉にえさをやることで恋が育つ」というのは、きっと大今先生得意の暗喩なのでしょうね。)

そう考えて改めて読んでみると、実はかなり明確に、この2巻の巻末で(改めて読むと非常に長い尺を贅沢に使ったエピソードで)「好きになった瞬間」が克明に描かれているように見えてくるから不思議ですね。

そして、結絃もそれに気づいたからこそ、その直後の橋での将也との出会いで、「恋する少女」の表情になっている硝子を、橋の下から温かく見守っていたのでしょうね。

それに対して、メアドが聞きたい聞きたいという「しょーもないレベル」の会話に必死で、硝子の表情の変化にまったく気づかない(だから第15話の将也目線の硝子の顔が結絃から見えているものとまったく違う)将也の鈍感なこと(笑)。

さて、ではなぜあの「ういろうを持っていって特別の笑顔を返した瞬間」に好意が芽生えたのか、というなぞが残っていますが、それについては次のエントリで。
タグ:第14話
posted by sora at 07:15| Comment(6) | TrackBack(0) | 第2巻 | 更新情報をチェックする