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2014年12月19日

第51話から改めて考える、硝子が「諦めたもの」とは?(9)

※このエントリは、第51話連載時に書いたものです。そのため、その後の連載の内容と齟齬があったり考察に変化がある場合があることをご了承ください。

硝子が水門小にいた数か月の間、必死に手に入れようともがき、そして「諦めた」もの。
硝子は夢破れ、失意のうちに水門小を去っていきました。
でも、そのときにまいた種は、硝子の知らないところでずっと芽を伸ばし続け、5年後に、硝子のもとに戻ってきました

そうです。
「手に入れたかったもの」の象徴であり、それを「諦めた」ときに池のなかに捨ててきてしまった、小学校のころの筆談ノートを持って、かつて硝子をいじめた(でも、結果的には一番多くかかわっていた)将也が帰ってきてくれたのです。

突然現れた将也が、手話で「忘れ物」と言ってあの筆談ノートを差し出したときの硝子の驚きは、どれほどのものだったでしょうか。


第2巻11ページ、第6話。

その筆談ノートは、まさに、小学校の頃に「手に入れたかった世界」と一緒に池に「忘れてきた」ものです。実際のところ、長い「諦めた」生活を続けていくなかで、そんな時代があったことすら硝子も忘れかけていたのではないでしょうか。

もうすっかり「諦め」て、自分から世界を広げようなどと考えることもまったくなくなってしまっていた硝子の前に、わざわざ手話まで覚えて現れた将也をみて、硝子は「諦めたもの」「もう忘れていたはずのもの」のことを、ふいにまた思い出したんだろうと思います。

最初はきっと半信半疑であったであろう硝子も、将也が結絃との信頼関係を構築し、かつて友達になろうとしてくれたのに迷惑をかけてしまった佐原を呼び戻し、植野や川井といった「かつての仲間」との関係を取り戻し、さらにはそれらの仲間と一緒に「映画を作る」という共通の目的までできて、恐らく人生で初であろう「みんなで集まって活動する夏休み」を経験したことで、今度こそ、かつて「諦めた」世界に、将也の活躍のおかげで手が届くかも、という希望を持てるようになってきたのだと思います。


第5巻88ページ、第37話。

将也にとっては、映画撮影はある意味「巻き込まれた面倒ごと」だったかもしれませんが、硝子にとっては「諦めたものを取り戻すこと」そのものだったのです。
将也は期せずして、第2〜第3巻で誓った「硝子が手に入れられなかったものを取り戻す」ということに対して、ほぼパーフェクトな正解を出して硝子にそれを与えていた、ということになります。

そんななか、ふいに訪れたあの「橋崩壊事件」。
硝子がやっと手に入れたと思った「世界」はあっという間にすべて崩壊し、その「世界」を届けてくれた将也は精神的に回復不能なくらいのダメージを受けて硝子に依存してしまうようになります


第5巻138ページ、第39話。

このとき硝子は、すべてが自分の責任で、自分の障害が原因で、将也にもまたもや迷惑をかけてしまった、と思い込んで、また、改めて「諦めた」のでしょう。
そして、前回「諦めた」ときと同じように、あるいはそれ以上に「絶望」し、またもや当時と同じように自殺念慮が生じてしまったのだ、と思います。
前回は自殺を踏みとどまり、今回は決行してしまったのは、将也という大切な第三者を巻き込んでしまったという自責の念がより強かったことと、甘えることができる大人としての西宮祖母の存在がいなくなっていたことなどが原因だったと想像します。
posted by sora at 07:10 | Comment(2) | TrackBack(0) | 第6巻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。いとばあというつっかい棒外された硝子ちゃんが自死を選んでしまった。二つ三つの子が泣いておばあちゃんに駆け寄り、いい子いい子してもらうのを、18歳であの世のおばあちゃんにしてもらうなら、この世からバイバイするしかないでしょう。


わたくし、バカなので、硝子ちゃんがおばあちゃんによしよしいい子してもらうためにあんなことをしたんだって思っていました。石田君が持っていてくれた筆談帳を置き去りにして死のうとしたからです。


思うに、硝子ちゃんはお友だちとケンカしておばあちゃーんって泣いて帰る事ができないまま18になってしまい、3つの時の喧嘩に対する耐性のままだったかな?諦めるしかなかった物のひとつ、忘れ物のひとつ。いじめへの耐性は凄いけど。

事ここに至り、そうするしかなかった事が重大な結果に繋がった。やった事の責任を取ると決めて、あの世のおばあちゃん会いたさに使ったおもちゃを捨てた。

ひとつ大きくなった硝子ちゃんをいとばあが喜こんでくれたらどんなにうれしい事でしょう。
Posted by あらやん at 2014年12月19日 12:22
あらやんさん、

コメントありがとうございます。

硝子の2回目の「諦め」は、深刻な結果につながってしまいました。
将也のおかげでその結果を回避できて、しかも硝子はその後、未来に向かうための「答え」まで手に入れることができました。

おばあさんも、天国でそんな孫の姿を見て喜んでいることと思います。(結絃も救われましたしね!)
Posted by sora at 2014年12月20日 01:13
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