2014年12月05日

第60話から、真柴と川井の関係進展を考える

※このエントリは、第60話連載時に書いたものです。そのため、その後の連載の内容と齟齬があったり考察に変化がある場合があることをご了承ください。

さて、第60話の影の主役?といえば、なんといっても真柴と川井でしょう。
第60話前半のランチシーンでの「恋愛バトル」は、プロレスの様相を呈してものすごく面白い展開になっていました。


第60話、7ページ。

このやりとりを見ると、端的にいって真柴と川井との関係は「進展」しているように見えます。
それは、恋愛関係になっている、ということではなく、「相手の腹を探り合っているクラスメート」という関係から、相手に関する恋愛感情(とその受け止め方)も含めて、何でも普通に話せる親密な友達になっている、というニュアンスです。
川井は、かつてのような一応恋愛感情を隠しながら「アプローチ」する段階から、あからさまに恋愛感情を真柴に示しつつアプローチする段階に進んでいますし(真柴のことを「君」と呼ぶシーンもあります)、真柴は真柴でそれを当たり前に受け止めて軽口を叩くような状態になっています。

この変化は、どのようにして起こったのでしょうか?
おそらくそこには「川井の心境の変化」があり、その結果として川井がいくつかの行動を起こしたのだろうと推測されます。

橋崩壊事件や千羽鶴事件を通じて、川井のアイデンティティは揺らいだはずです。
将也の橋での暴言やクラスメイト(溝端さん?)のLINEもどきでのメッセージなどから、川井は、自分では自分のことを「かわいい」と思っていて周囲もそう受け止めていると思っていたけれども、実際にはそう考え、振舞っている自分のことを「気持ち悪い」と思われている部分もあるのかもしれない、と気づいたのだと思います。

一方で、その後の映画再開から映画完成という経験は、川井にとっても達成感のあるプラスのものになっただろうと思います。
川井の脚本にしたがってメンバーが演じ、真柴だけでなく、永束や硝子といった他の映画メンバーとも親密になり、「アイデンティティが揺らいだ後の自分」が受け入れられた実感があったのではないかと思います。

それらの経験から、川井はどう自分を変えたのでしょうか?

恐らく、川井は、より「ありのままに生きる」ことを決意したのではないか、と思います。
具体的には、少し無理していた新しい髪型をやめて元に戻し、意中の真柴には自分の恋愛感情を伝えた(告白した)のではないか、と思います。
それまでは、「かわいくて優等生な自分」という自己像を維持するために無理していたことをやめてしまったんだろう、と思うんですね。

その意識は、第60話でも「これが 私」というせりふにはっきりと現れています。


第60話、9ページ。

かっこ悪くても、それが自分なんだからそのままで生きればいい、そういういい意味での開き直りがここには感じられ、肩の力の抜けた新しい川井の生き方が描かれていると感じます。


ラベル:第60話
posted by sora at 07:07| Comment(3) | TrackBack(0) | 第7巻 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
更新を続けて下さって、嬉しい限りです。
毎日拝読しております^^

読み始めた当初から、私の頭の中ではこの漫画のテーマソングは「ありのままで」でした。多分皆さんよくご存知の「アナと雪の女王」です。

橋メンバーと西宮母には、共通した”ありのままで、私もあなたもOK”という救いが示された(と、私は思っている)ので、個人的にはとても満足しています^^
Posted by 934 at 2014年12月05日 08:55
連載当初の川井のイメージは島田、広瀬、植野、川井の旧6年2組イジメ四天王の中で島田を上回る策士で
腹に一物も二物もあるラスボス的存在かと思ったら
自意識過剰のただの女の子で拍子抜けでした(笑)。

でも、終盤では自然体の嘘くささが抜けたいい感じの女性になっていて石田や永束ともいい感じの友人関係、クラスメートになっていたのは素直に良かったですね。

まあ、真柴と川井のカップルは個人的に他のどのキャラよりもちょっと不安を感じますが、まあなんとかなるんじゃないでしょうか?
Posted by prijon at 2014年12月05日 12:38
皆さん、コメントありがとうございます。

このエントリに複数の反響があってちょっと面白いと思いました。(^^)

川井は、ラストの数話で大きく動いていいキャラになりましたね。
川井の場合、ベースの行動原理が社会に受け入れられやすいものだと思うので、案外スムーズに社会人になって成功するんじゃないかと思っています。

Posted by sora at 2014年12月05日 23:30
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