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2014年11月02日

第59話は第23話のリフレインになっている?(2)

さて、第59話が第23話のリフレインになっているとするなら、それはどういう構造をしているといえるでしょうか?

そういう目で第23話の「構造、構成」を考えてみると、

1)硝子は、将也に初めて恋心を伝えようとした。
2)ところが、将也が痛恨の聞き取りミスをした。
3)そのミスもあって、硝子の伝えたかったことは半分も伝わらなかった。
4)もちろん、硝子の恋心も将也に届かなかった。
5)硝子は将也のリアクションに愕然とし、がっかりして帰った。


第3巻184ページ、第23話。

6)硝子の告白の背景には、佐原と植野との再会のドラマがあった。


といったように整理できると思います。

それと対照させて考えると、第59話はこんな風になります。

1)硝子は、将也に初めて進路の夢を伝えようとした。
2)ところが、将也が痛恨の手話の読み取りミスをした。
3)その聞き取りミスもあって、硝子の伝えたかったことは半分も伝わらなかった。
4)もちろん、硝子の進路の夢に込めたもう一つの気持ち(恋心?)も将也に届かなかった。
5)硝子は将也のリアクションに愕然とし、がっかりして帰った。


第59話、14ページ。

6)硝子の告白の背景には、佐原と植野の活躍、上京のドラマがあった。


実際、非常によく似ていることが分かります。
そして、前エントリでも見たとおり、硝子が見せている表情も、第23話と第59話で共通している部分があるわけですね。

さて、リフレイン構造には、「共通点」と「相違点」があって、この2つがうまく組み合わされることで「面白い物語」が生まれてくるわけですが、ここではまず、このリフレイン構造の「共通点」を見てみたいと思います。

第23話でも第59話でも、硝子は一大決心をして、将也にとても大切なことを伝えようとします。その「大切なこと」が、第23話では「将也への恋心」であり、第59話では「進路と将来の夢」でした。
ところが、その渾身のメッセージはいずれも将也にうまく伝わらず、硝子はがっかりしてその場を去っていきます。

そして、それぞれ少し時間を巻き戻して、その「告白」にいたった経緯を考えると、「佐原と植野」が、将也と硝子の行動に影響を与えたことがその原因になっている、という共通点もあります。

第23話の恋心の告白は、将也が硝子と「佐原」を再会させ、その流れで「植野」との再会というドラマが生まれ、植野・硝子・将也での修羅場となり、平穏な「いいお友達」だった将也と硝子との関係に動揺が生じたことが大きな原因となっています。

一方、第59話の進路の告白は、将也と硝子が「佐原と植野」の活躍を見、さらにコンクールの結果を見るために上京するのを見送ったことが、将也が「そういえば西宮は進路は?」と問いかけるきっかけになっていることを考えると、やはり佐原と植野がらみのイベントが、その後の流れを生む大きな原因になっていると言えると思います。

そして、最大の「共通点」は、言うまでもありませんが、

・どちらのエピソードも、将也と硝子のディスコミュニケーションを描いている。

ということ
です。
恋心とか将来の夢とか、本来はほのぼのとした前向きな話題に限って、残酷なディスコミュニケーションを描いてくるというのは、ある意味この作品全体を貫く作風ともいえるものですね。

そういえば、第23話では同じくディスコミュニケーションの象徴のような存在として、プレゼントのプランターピックという重要アイテムが登場しましたが、今回、第59話では、はそれにぴったり対応するような「アイテム」はなさそうですね。

ところで、今回のリフレイン構造で興味深いのは、実は上記の「共通点」よりも、「相違点」のほうにあります
非常に美しく構成された、今回のリフレイン構造の「相違点」について、次のエントリでじっくりと考察してみたいと思います。
タグ:第59話 第23話
posted by sora at 07:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 第7巻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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