2014年10月31日

第59話、肝心なところで将也は手話を誤読した?(1)

第59話で、将也は硝子の進路の悩みを初めて聞かされます。
それが地元を離れて東京に行ってしまうという、将也の想像もしていないものだったので言い争いになってしまいましたが、ここで気になるのは、あるセンテンスについて、硝子の手話と、それを読み取った将也の反応が合っていない気がする、という点です。

それは、このコマで硝子が見せた手話についてです。


第59話、9ページ。

硝子は手で明らかにハサミの動きをしています。
そこで、ハサミの動きをする手話を検索してみると、それは「理容師」であることがわかります。

https://cgi2.nhk.or.jp/signlanguage/enquete.cgi?dno=8014
https://cgi2.nhk.or.jp/signlanguage/enquete.cgi?dno=8015
https://cgi2.nhk.or.jp/signlanguage/enquete.cgi?dno=8016
理容/理容師

ところが、将也はこの硝子の手話を受けて、こんな風に返してしまっています。


第59話、9ページ。

将也「ああ! ああ~ この手話って あれか! びようしな!」

「理容師」ではなくて「美容師」と言ってしまっています

でも、美容師の手話はこっちのようなんですね。

https://cgi2.nhk.or.jp/signlanguage/enquete.cgi?dno=7160
https://cgi2.nhk.or.jp/signlanguage/enquete.cgi?dno=7162
https://cgi2.nhk.or.jp/signlanguage/enquete.cgi?dno=7163
美容/美容師

「美容師」のほうには、どれを見てもハサミの動きはありません(パーマの動きを表現しているそうです)。

つまり、こういうことになります。

1)硝子は自分が希望する進路について、「理容師」と伝えようとした。
 まあ、そもそも硝子がいま在学しているのは「理容科」ですので、将来の進路が美容師ではなく理容師になるのは当然ではあります。

2)ところが、将也はその手話をみて、読み取りに少し時間がかかったあげくに、「美容師」と誤読をした。
 ちなみに、硝子が理容科に在学していることは、第55話で結絃がつぶやいているのですが、将也はそれを「いおーか?」と聞き間違えたうえに、その後結絃がその話題を語ろうとしたときも大ボケをかましてしまってそれっきりになっているので、硝子が理容科に在学していることは知らないことになっています。


第55話、15ページ。

さらに補足するとすれば、「りようし」と「びようし」という発音は、最初の1文字意外は全部同じですし、最初の文字も母音は同じです。
将也が手話と一緒にしゃべっている「せりふ」のほうで、硝子が読唇で誤読に気づくことは、極めて困難だったと思われます。

かくして、硝子の手話は将也に誤読され、そのことに硝子が気づくことはありませんでした
タグ:第59話 第55話
posted by sora at 07:18| Comment(2) | TrackBack(0) | 第7巻 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
度々、今更で申し訳ありません。
この将也の誤読、『わざと』じゃないかな?
と、何度読み返しても思います。


母親が理容師をし、普通に手話で会話できる
レベルなのに、誤読・・・

しかも、セリフには強調するかの
点々まで付いてるし。

というか、そもそも、将也は
『理容師』と『美容師』の2種類が
あると知らなくて、母親は
いわゆる『床屋さん』って認識で
『床屋さん』と『美容師』
しかないと思っていたんじゃないかな?

ってトコに落ち着いてます。
Posted by たかっしー at 2017年07月08日 01:59
たかっしーさん、

コメントありがとうございます。

この点について、「わざと」という意味がちょっと分からないですが、そのあとの第61話の155ページまで明らかに将也は誤解したままなので、この時点では普通に手話を誤読して勘違いしているという設定だと読むのが自然だと思います。
(想定される将也の手話習熟度からして不自然だ、というのはそのとおりだと思いますが、これは物語の進行上やむを得ない無理だったように思います。)
Posted by sora at 2017年07月08日 18:37
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