2014年10月24日

第58話、では島田問題は決着しなかったのか?(2)

第58話で、将也は島田と会ったあとでも大きなショックを受けず、ジュースをおごったりファミレスで盛り上がったりしています。


第58話、16ページ。

前回、将也が島田に会ったときのことを思い出せば、このような将也の態度は「劇的な変化」であることに気づきます。

第58話からさかのぼって、前回将也が島田に会ったのは、第4巻の遊園地回のときでした(そのあと、花火大会後の転落救出のときに実は二人は会っていますが、将也本人が知らないので、将也からすれば今回の再会は「遊園地以来」ということになります)。
そのとき、将也は遊園地で楽しい時間を過ごせていることに浮かれて、「友達っぽい!」「人生MAXであろう時間」とまで感じていたところで、植野の策略?で中学卒業以来だった島田と遭遇しました。
そして将也は、島田と会話をすることもなく、ちょっと見ただけだったにもかかわらず「気分下がりまくり…」と思いっきり落ち込み、「死にたくなる…」とまで漏らして、その後は遊園地で遊んでいるどころではなくなってしまいました。


第5巻49ページ、第26話。

気分絶頂から(一目会うだけで)一気に「死にたくなる」ところまで気分が落ち込んでしまう、少なくともこのときの将也にとっては、島田それくらい重たいトラウマだったわけです。

だからこそ、その後島田がずっと登場しない間も、読者にとって「島田=(将也にとっての)ラスボス」だったのであり、花火大会後の将也の転落を島田が救ったというエピソードも事、ラスボスとの次の「対決」の際にドラマチックに使われる切り札なんだろう、と想定されていたわけです。

ところが、実際の「再会」は、拍子抜けするほどあっけないものでした
そこには「ドラマ」はほとんどなく、突然登場して、ただ将也と植野に捨てぜりふを吐いて去っていっただけで終わってしまいました。
(それでも「遊園地回」と比べると、島田の側からの話しかけがあり、かつ多少は意味のある会話が将也との間に交わされたことは事実です。この会話の意味するところについては、エントリを分けて考えたいと思います)

そしてもう1つ、前回と大きく違っていたのは、この島田との「再会」があっても、将也は前回とはうってかわって、そのあと取り乱してしまう様子が全く見られなかったのです。

それどころか、島田のひとことをきっかけに映画メンバーが納得してその場が収まった(これは言い換えると、将也が提案した「審査員への抗議」は支持されなかったということでもありますが)ことに納得し、みんなにジュースをおごってその場を盛り上げる「余裕」さえ見せています。
もちろん、バッテンが付いたり外れたりといった演出も、もはや全くありませんでした

そして、その後のファミレスでの「反省会」にいたっては、もはや島田のことなんてすっかり忘れて、その場にいるメンバーとの間で、笑いあったり冗談をいったりしているわけです。

これこそまさに「決着」ではないでしょうか?

つまり、島田問題の解決とは、

島田と会っても将也は特に何も感じなかった

という、まさにそのことによって示された
と考えられるのです。
ラベル:第26話 第58話
posted by sora at 07:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 第7巻 | 更新情報をチェックする
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