第58話で、島田は映画の評価をめぐるトラブルの場にちょっとだけ登場し、そのトラブルをうまく収めて?、将也と植野に捨てぜりふを残してろくにみんなの顔も見ずに去っていきました。

第58話、13ページ。
将也にとって、島田は、中学以降のネガティブな人格構成に決定的な影響を与え、将也をして人生を諦めさせ自殺を考えるところまで追い込んだキャラであり、その一方で「楽しかった子ども時代」や「無邪気に信じられる人間関係」の象徴でもあって、将也を過去に縛ってもいました。
将也にとって、島田というのは「乗り越えるべきトラウマ」でもあり「卒業すべき幻想」でもあったわけです。
そういう、将也にとっての超重要キャラであったはずの島田が、恐らくラストチャンスだと思われる今回の登場でも、ろくに将也と会話もせず、二言三言言っただけで消えてしまったことから、一見、島田がらみで残されていたさまざまな「課題」が全部放置されたままになってしまったように見えます。
でも、本当にそうでしょうか?
私はそうではなく、
今回のあっけない再会で、将也にとっての「島田問題」は本質的にすべて決着した
と考えています。
その最大の「証」は、
・将也が、島田と会っても特にショックを受けず、すぐにみんなにジュースをおごっている。
・その後も、将也は平気でファミレスで楽しそうに過ごしている。
という、まさにその点にあります。
前回、将也が島田に会ったときと比較すれば、それが実は「将也の大きな変化」を表していることがよく分かります。
『糞みてーな野郎に認められて嬉しいのかよ』は島田自身に掛かっているのではと。
敢えて明記されてませんが品評会で島田も作品を観て思うところがあったのかと。
コメントありがとうございます。
そうですね、ここでの島田のせりふは、もしかすると「お前は俺なんかに評価されようと思う必要はない」というニュアンスを含んでいるのかもしれません。