2014年09月24日

第54話、将也の「告白」がイケメンな理由(2)

さて、将也の第54話での硝子への「告白」が、最高にイケメンだと感じる理由について、続けて書いていきたいと思います。

2)ちゃんと理由をつけて、「必要だ」というメッセージを伝えている。

将也の、「それを手伝ってほしい 君に 生きるのを手伝ってほしい」というせりふ。


第54話、15ページ。

これは、将也にとって硝子が「必要だ」という強いメッセージになっています

硝子は、高校になって最初に再会し、パン係として鯉にエサを与えているときの会話でも、「必要とされるのが嬉しい」と将也に伝えました。


第1巻26ページ、第7話。

そのときは「変なこと考えるんだな お前」と軽く受け流していた将也が、それから5か月後に、「俺が生きていくために君の存在が必要だ」と伝えることになるのですから、運命とは面白いものです。

硝子は障害ゆえに人生において多くの失敗を経験し、自己肯定感が低いまま成長してきています。(これは、障害をもった方全般に、必然的に見られる傾向だと思います。)
自己肯定感が低いと、「自分は生きていていいのだろうか」「自分はここにいていいんだろうか」といったネガティブな思考に傾くようになりますし、なにか失敗を繰り返してしまったときに「自分はここにいる資格のない人間なんだ」といったことを考えてしまいがちになります。
硝子が自殺を決行してしまったのも、突き詰めるとこの「自己肯定感の低さ」というのが大きく背景としてあるように思います。

そんな硝子にとって、「必要なんだ」と言われることが何よりも嬉しいことであり、自己の存在を認めてもらえるメッセージになることは、想像に難くないでしょう。
しかも、単に抽象的に「君が必要だ」と言われているのではなく、「将也がみんなと一緒に話す、遊ぶ」という、硝子にとっても「将也に実現してもらいたいこと」を「手伝ってほしい」という、はっきりした理由つきで「必要」だ、と言われているので、より確信をもって「自分が必要とされている」と感じられたことでしょう。

硝子にしてみれば、このメッセージを受け止めない理由がありません。
これは、硝子に対してパーフェクトに近い「愛の告白」になっていると思います。

こんなパーフェクトな告白が、こんな肩の力の抜けた優しいメッセージとして語れる(しかもたぶん無意識)なんて、本当に将也は天然のイケメン(ないしジゴロ)だなあ、と思うところです。
タグ:第54話
posted by sora at 08:20| Comment(4) | TrackBack(0) | 第7巻 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「生きるのを手伝ってほしい」というこの積極的なオファーこそが、将也が「何があっても西宮を守る」(第42話)に替わって出した答えですね。一人だけでも二人だけでもなく、他者との間に開かれた関係性の中で、一緒にいたいという思いを感じます。
ところでこの第54話、締めにここ数話のあいだストーリの表舞台から退いていた結絃、石田・西宮母を持ってくることで、この一話と同時に一連の事件をもきれいに畳んでいるように思われます。
Posted by ジョー at 2014年09月24日 17:12
ジョーさん、

コメントありがとうございます。

そうですね、ものすごくシンプルにいえば「硝子を求めた」、ということ、しかも「生きるために」求めた、ということになると思います。

だから、これはもうプロポーズとほとんどイコールだと私も感じています。
一緒に生きていくパートナーになって欲しい、という意味ですからね。

石田家、西宮家が勢ぞろいした雰囲気は、まるで2巻の頃が戻ってきたようですね。(^^)
Posted by sora at 2014年09月25日 00:42
ほとんどプロポーズなセリフもよかったですが、将也が硝子に謝罪している途中(P.433)から、硝子に対する二人称が「お前」から「君」に変わってるんですよね。
将也本人は無意識でやってるんでしょうけど、硝子に対する何らかの変化があったんでしょうね。
Posted by ポプル at 2014年09月25日 01:49
ポプルさん、

コメントありがとうございます。

今までの「お前」「西宮」に比べると、「君」は距離感が近いですよね。
もちろん、将也の中で硝子を見る目が変わったんだろうと思います。

一度捨てたつもりの命をとりとめて、しっかり第43話で誓ったことを心に銘じたんだろうと思います。
Posted by sora at 2014年09月25日 21:12
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