第50話で「硝子いじめを続けていたのは、やはり植野」という答えが出てしまったのですが、せっかくなので投稿しておきたいと思います。意外と当たってるのはちょっと嬉しい(^^;)。
<教訓>なぞ解き系のエントリはストックしておくとたいてい使えなくなる(笑)
聲の形のなかには、深く語られないけれども「現に起こっている」物語がたくさんあります。
そんな物語の1つでもあり、なぞの1つでもあるのが、「将也の転落後も硝子いじめが続いている」ということです。
将也がやっていたような暴力的ないじめは消えたようですが、教科書に「ブス」と書かれたり、下駄箱の上履きに花が突っ込まれていたりと、陰湿ないじめが続いていることが見てとれます。

第1巻150ページ、第4話。
考えてみると、これはなかなか不思議なことです。
「硝子へのいじめ」は既に、校長すら知っている問題となっています。
そして、その全責任は将也がかぶり、将也はスクールカーストを転落しました。
そんななかで硝子いじめを継続するというのは、大変にリスクが高い(教師に見つかるリスク、硝子の親から再度告発されるリスク、補聴器事件の責任が一部回ってくるリスク)行為であり、「空気」でやれるようなことではないように思われます。
さらに言うと、とっくに孤立してすでにカースト最下位レベルに転落していて、上がってこようとする気概もない硝子をわざわざいじめても「うまみ」もない、ということもあります。
言い換えると、リスクをおかしてでもやろうとする積極的な悪意がないと、硝子いじめを継続する動機にはならないと思うわけです。
そう考えたとき、そういう「積極的な動機」がありそうなのは…
うーん、これまでのストーリーを考えると、ぶっちゃけ植野しか考えられないんですよねえ…
植野だとするといくつか動機は考えられて、
・もともと嫌いだった。
・補聴器事件を学校にチクって大人を味方につけ、将也を転落させ傷つけた
・それにより自分も将也との関係が途絶えてしまった
・将也転落後も将也の机の落書きを消すなどして将也に媚を売っている
・どれも硝子自身にも原因があるのに、それを反省していない
みたいな感じで、植野に限っていえば、将也転落後も、継続して「西宮さんってムカツク」という認識をもっていてもおかしくないというわけです。
加えて、もしかすると、クラスのいじめの対象が将也だけになるより、同じスクールカースト最下位にもう1人いるほうが、いじめの矛先が分散して少しでも将也へのいじめが減るかもしれない、という、植野ならではの想いもあったかもしれません。
ともあれ、第21話で、植野が久しぶりに硝子を見かけたときの、意外なまでの口汚い罵りかたも、植野は硝子が転校する最後まで憎んでいて、その気持ちのまま時間が止まっていた、と考えると、自然な流れであるように思われます。