2014年08月27日

第50話、やはり最初にここには触れずには(笑)

第50話、前話のサブタイ煽りどおりの植野回でした。(これ、実は史上初めてで、とても珍しいことです。)

それはいいとして。

あちゃー、籠城して何やってるんだと言われていた植野ですが、しっかりやらかしてました


第50話、8ページ。

いつものノリで読み始めたら、いきなりびっくりですね。
各自視点回として、川井のとき以上の暴走っぷりが面白いです。
そしてある意味、「将也と硝子の純愛」みたいなものを求めて読んできた読者層を置いてきぼりで、大今先生自身も大暴走(笑)。

まあ、そういう展開もありうるかな、とは思っていましたが、ここまであからさまに(しかも回想シーンから戻ってくるたびに)描写するというのは、大今先生がこのシーンで読者にさまざまな「強い反応」を引き起こそうとはっきり意図してやっていることを感じます。

実際、この場面をどう受け止めるのがいいのか、個人的にもちょっと迷っています。

例えば、植野とその行為を「悪役」というメタ視点でとらえるのは分かりやすいかもしれませんが、それではこぼれ落ちるものがたくさんある気がします。

また、シンプルに「それほどまでに将也のことが好きなんだ」という風に捕らえるのも、微妙に的を外している気がするのです。
なぜなら、すぐ後に出てきているせりふが硝子への「ザマーみろ」だったりする点をみると、植野が「将也への好意」だと信じているものの何割かは、実は「硝子への嫉妬」で構成されている気もするからです。

まあ、少し現実的に考えると、将也は長く寝込んだままだから、お互い衛生的にまずそうだし、将也の口は臭いだろうな、みたいな冷静な想像もしてしまいますが(笑)、それを言い出したら何日も籠城してるというシチュエーションからして現実離れしているので、あまりそういう方面の細かいところは気にしないのがいいのかなと思います。

でも、こうなると、石田母の、


第49話、4ページ。

「好きにしなさい」のせりふは、まさに将也の小学校時代の石田姉への対応を彷彿とさせますし、かつての「デートごっこ」のときの結絃のこのせりふ、


第5巻140ページ、第40話。

結絃「そろそろ チューくらいはしていいんだぞ」

が、こんな風に回収されて、微妙に哀愁が漂っていますね。

まあ、なんというか、誰もが運命に翻弄されて、いくらあがいても抵抗しきれない、そういう業のようなものがずっと各キャラクターにまとわりついて離れないまんがだなあ、とつくづく思います。

今回、まとまりのないエントリになっていますが、第50話の冒頭での驚きを、とりあえずそのままエントリにしてみることにしました(笑)。

(追加でいうと、この最初のページ、衝撃度は高いですが、物語としての情報量はあまりないので、これ以降のエントリは、あえてこのシーンについてはあまり触れずに、今回、大量に回収された伏線等の話題について書きたいと思っています。)
posted by sora at 07:30| Comment(17) | TrackBack(0) | 第6巻 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ホラーではなく、エロスでしたね!
Posted by over40 at 2014年08月27日 09:32
介護病棟に関わりのある仕事をしています。
自分でボディケアが出来ない患者には介護士もしくは看護士による口腔ケア、全身の清拭、用便の処理が行われます。
その間は患者当人の尊厳を守る為か家族だろうと廊下へ出されるので、植野のように他の患者や家族へ騒音を撒き散らす迷惑な見舞い客なら尚更病室を出されるかなと(笑)
まあ病院のシチュエーションが漫画仕様のファンタジーならどうにもなりませんが!(笑)
Posted by キク at 2014年08月27日 12:25
びっくりですね。

でもこれで、硝子が感情的に植野に相対する理由ができたんじゃないかな、と私は思っています。映画作りがどうなるのかわかりませんがそれを転がしながら、この事が硝子に知れることになり、硝子と植野を対決させて、「あんたは私と話する気がないのよ」と思っていた植野に「やっと話しやがったか」と満足させて立ち去らせたらどう?…なんて、個人的には思っています。

あと、これも個人的希望ですが、このチューを帳消しにするために、石田覚醒後の硝子→石田のチュー、もしくは、積極的スキンシップ、ありえないかな?な~んて。

あと10話位では、厳しいですかね。。
Posted by 934 at 2014年08月27日 12:28
まさか本当にキスしていたとは・・・(・・;)

少し前にマガジンのアホガールという漫画で、似たようなシーンがありましたので、ホラーやエロスどころかギャグにしか見えませんでしたw
石田、唇大丈夫かな・・・。


すみません、ここからは自分の妄想です。

個人的に結弦の「ちゅー」発言、回収されるのはもう少し後ではないかと思います。

例えば、転落事件のとき、
1.島田、石田を引き上げる。
2.落ちた石田が心配で駆けつけた西宮、意識不明の石田に人工呼吸(=キス)する。

結弦の「ちゅー」発言が伏線ならば、上のような展開があったことを密かに期待しています。
いずれにせよ、次あたりは島田回になりそうなので、転落事件の真相も一緒に明かされそうで、楽しみです。

余談ですが、現実の人工呼吸は口を大きく広げて、相手の口を覆うように息を吹き込むので、キスには程遠いです。


Posted by アルパッカ at 2014年08月27日 12:30
>植野が「将也への好意」だと信じているものの何割かは、実は「硝子への嫉妬」で構成されている

その線はかなり妥当なものだと私にも思えます。
植野の硝子という人間に対する「マイナス評価」の根拠について、今回さらに説明が深められたこともその理由の一つです。
幼い恋心からくる嫉妬心がトリガーではあるのですが、今回植野は障害者に対して現実社会一般にも見られる典型的な偏見を、回想シーンを通じてはっきりさらけ出しています。

「自分の障害=弱みを逆手に取っていい子ぶることで、大人は自分の思い通りに操縦し、好きな男子には自分に引きつける「エサ」にする」――こんなところですね。

今までもそうした思考の断片は彼女自身の口から語られてきましたが(4巻の「観覧車対話」での「あなたは大人を使って私たちにやり返した」等)、「障害を逆手に取ったハラグロ」というステロタイプかつ負の方向の障害者観がこれほど明白に示されたのは初めてかと思われます(大ゴマで「ハラグロ硝子」の植野脳内イメージまでつけてあります。笑)。

弱者にとっての「スティグマ」をマジョリティ的視点から裏返して「一般人が手にできない特権の象徴」と見なすこうした論理の転倒は、「ナマポの不正受給」叩きや、被差別マイノリティについて語ると必ずささやかれる「差別利権」の存在(在日コリアンや被差別部落のほか、最近もアイヌについて同様の話が地方議員の口から語られニュースになりました)――といった昨今よく見聞きする事例と共通しています。
もちろん、大今先生が実際にそこまで考えて今回の話を書いたのかは分かりませんが。

とりあえず、これまで植野の持ち出す「硝子叩き」の理屈にいまひとつリアリティが感じられなかった私からすると、50話にきてようやく植野の「本音の中のホンネ」が、障害者に対する構造的差別の小さな一端として実に分かりやすく説明された、と感じています。ある意味、この物語のテーマからすると今までで最も挑戦的なエピソードだったかもしれません。
(なお、上記はあくまでメタ視点レベルの言説であり、管理人さん自身が本文で指摘されているように「植野は悪役/差別者」というキャラクターへの非難や弾劾を目的としているものではないことを明記しておきます)
Posted by ブラウニング at 2014年08月27日 16:06
ブラウニングさんの仰られている様な事は、西宮さんの元旦那家族の「お国のかねを…」とか、竹内先生の「勘違いしている…」の発言の辺りに薄ら感じていました。

この漫画を嫌う人の中には、その様な主張を持つ人達も多くいそうな気がしますね……。


ところで、ハラグロ硝子さんに関しましては、寧ろ自分は「良い!」と思いました。

あの舌に本物の硝子さんには無い色気がありましたね。小学生のくせに。

そして今回は、冒頭のキスに始まり(こちらでは植野さんの舌が…)さらには完全な下着姿(浴衣の下の…)まで披露と植野さんが頑張ってくれました。


川井回を別名「ギャグ回」と言うのであれば、植野回は別名「エロス回」で決定ですね!
Posted by over40 at 2014年08月27日 18:42
今回のエピソードで、なぜそこまで植野が将也に執着してるのかが分かりましたね。
しかも、花火大会の「あれ、西宮さんじゃね?」が島田っていう伏線も回収されましたし、多分いよいよ将也いじめの発端になった島田回に入りそうさだし。

それにしても植野、「ぷはっ」って…キスするとき息を止めてるんですかねぇ?(笑)籠城して将也にキスしまくってるのかな?
Posted by あがる太 at 2014年08月27日 21:14
over40さん

私の堅苦しいうえ長ったらしい駄文を、ガマンしてお読みいただきありがとうございます。

小難しい考察のコメントは、書き始めるとどうしても長くなっちゃいます。もっと要点を絞って手短なコメントに仕上げられるようにならねば…。

で、今話を「エロス回」とのご命名…いいと思います! ^///^

植野は病室にいる間中、ひたすらああやって「王子様の目覚めのキス」を続けてるんですかね? それもしんどい話だなあ…。

意外だったのは下着姿。なんか思ったより色気のないのをつけてて「植野らしくない」と思いましたね。浴衣の下だから、吸汗とか考えてアレなんでしょうか?

ハラグロ硝子さんについては、舌ペロ流し目の性格悪そーな表情で大ゴマどーんですからね。大今先生描きながら絶対ノリノリだったと思いますw
Posted by ブラウニング at 2014年08月27日 21:21
植野の下着は和装用の下着らしいです。
Posted by cosminex at 2014年08月27日 22:19
いきなりの「ぷはっ」は凄いですね。
「いったいどんなチューしとんねん」って、つっこんでしまいました。
おじさんは、1コマ目のゴミ箱の中身まで気になってしまいました。

今回、島田ラインまで繋がったので次回も楽しみです。

それにしても、廣瀬のLINEっぽいやつの写真(?)は何なんやろ?
Posted by かじどん at 2014年08月27日 22:25
皆さん、コメントありがとうございます。

「おい植野、何やってるんだ!」というツッコミを皆さんと共有できたのは、楽しい気分です(^^)。

とりいそぎ、ブラウニングさんのコメントにだけ個別のコメントを追記させていただきます。

このまんがには、割とあっさりと「障害者への差別意識」が登場するところが、他のまんがにないすごい所だと思っています。
以前、第33話でも、川井に「障害者だからと言って仲間に入れる必要なんかない、何ができるかわからないし」というせりふを「優等生的なせりふとして」言わせていて、ああこのまんがは鋭いな、と思っていました。

そのあたりは、こちらの別ブログのエントリでも書いています。

http://soramame-shiki.seesaa.net/article/403897916.html

今回の植野についても、硝子に対する嫉妬とあいまって、そういう障害者に対する差別意識がことばに現れてきているんだな、と「納得」させられる、鋭い描写だなと思います。
Posted by sora at 2014年08月28日 00:47
いやいや先生にしてやられました(笑)
ノリノリで描いてるんじゃないでしょうか。
そもそも今回は島田視点回だと私は思っていたので。
本編が予告通りというのは初めてらしいですね。
読んでいてそれだけの熱量を感じましたし、
「これぞ聲の形だ!」と大変満足しています。
久々に何度も読み返すことになりそうです。
Posted by ヒーローは二人いた at 2014年08月28日 08:22
管理人さん

メインブログ(とお呼びしていいのか… ;^^)の記事をご教示いただきありがとうございます。重ねがさねご面倒をおかけしました。

さすがの分析力に舌を巻き、自分の投稿をよく読み返してみると、なにやら穴だらけな印象が否めませんね(長いし)。もっと勉強すべきとの思いを新たにしつつ、大今先生の作家としての才にあらためて驚嘆致しました(いや、それ以前にやはりもっと空気を読むべきか…)。

cosminexさん

さりげないご指摘ありがとうございます。「和装用の下着」! そうかそんなモノもあるのか…。
Posted by ブラウニング at 2014年08月28日 08:52
“ハラグロ”硝子は、きっと第三巻扉絵の子の小学校時代ですね…。
Posted by ジョー at 2014年08月28日 11:37
以前「硝子のキスで目覚めて欲しい」とコメントさせてもらったのですが…。

可能性が出てきたような気が、極めて個人的にはします!
植野が何度キスをしても将也は目覚める事はない。
が、ある日硝子が病室を訪れると誰もいない。硝子が色々な気持ちを込めそっとキスをすると、将也が目を覚ます。

植野と対比ができ、ありえると思うんです。
Posted by ブルー at 2014年08月28日 13:44
ちいちはです。

最初は自分も「目覚めのキス」をずっとしているか
と思ってたんですけど、植野にしてみれば「眠りの
キス」をしていたわけですね。

これに関連して、ギリシャ神話のエピソード、月の女神セレーネと羊飼いの美少年エンデミュオンの悲恋を思い出しました。
Posted by ちいちは at 2014年08月28日 23:58
皆さん、コメントありがとうございます。

このエントリにコメントがたくさんついてるのを見ると、さすが植野は良くも悪くも物語を動かすパワーがあるなあ、と改めて思います。

これから植野がいったん引っ込むのか、まだまだ派手に活躍するのか、見守っていきたいですね。
Posted by sora at 2014年08月29日 20:40
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