2014年07月20日

第45話:定例 伏線回収ウォッチング

さて、恒例の伏線回収ウォッチング、今回は第45話についてのものです。

1)特A級
1a)硝子の将也への恋心は届くのか。将也の硝子への恋心は自覚され届くのか。
1b)将也、硝子双方が持つ自己嫌悪は克服されるのか。
1c)島田の中学での将也迫害の理由、島田が将也に考えている(いた)こと
1d)小学校時代の硝子がなぜ将也と友達になろうとしたか
1e)硝子が自殺を決意するに至る(小学校からの)心情的経緯 →44話の手紙と45話の結絃の回想で語られました
1f)橋メンバーとの和解。誰と和解し、誰と和解しないのか。
1g)将也がクラスメート全般につけている×は外れるのか
1h)硝子が「諦めていたもの」とは何だったのか→45話の結絃の回想から、かなり重いものである可能性が強まりました
1i)将也は、いつ硝子に過去の行い(いじめ)を謝罪するのか

2)A級
2a)硝子が植野に出した手紙の中身 → 第44話で明らかになりました。
2b)硝子の補聴器が片方になった理由
2c)水門小から転校後の硝子の学校生活、交友関係
2d)なぜ島田はテキ屋になっているのか、ただのバイトなのか
2e)結絃カメラのゴクヒ映像はもう使われないのか
2f)結絃の不登校は解消されるのか、自称「硝子の世話係」を卒業するのか → 第44話、45話で「世話係」の自己像が否定されました。
2g)硝子が「死にたい」から1か月半程度で立ち直るまでの経緯

3)Aマイナス級
3a)真柴の正体、真柴の「同級生」
3b)結絃が死体写真ばかり撮っていた理由 → 第45話で明確になりました。
3c)ガーデンピックはいつ聞くんだ
3d)佐原のメール「成長を証明する」方法 → 第44話、45話での植野への振る舞いに明確に見えました。
3e)竹内がなぜ手話を知っているのか
3f)ペドロはどこへ行った?
3g)広瀬のいま、島田・植野との関係
3h)将也が中学時代も孤立していたことを硝子は知ることになるのか
3i)映画はどうなるの?

4)B級
4a)喜多先生の結婚相手、喜多はいま何をやっているのか
4b)小学校時代、将也以外のクラスメートの硝子いじめの実態
4c)石田母の「優しさの中の厳しさ」はもう表現されないのか
4d)健脚コンビとは何だったのか
4e)デラックスってなぜ登場したんだろう、再登場はある?
4f)石田姉の顔出しはある?
4g)花火大会の「あれ 西宮さんじゃね?」の発言者は?


今回回収された最重要の伏線は、いうまでもなく「結絃の撮っていた死骸写真」についてのものです。
既に推理としてはかなりはっきり出ていましたが、やはり「硝子が自殺しないように、死の醜さ、怖さを伝えるため」でした。
端的な結果としては「無駄だった」かもしれませんが、何も伝わっていなかったのか?といえば、それは違うのかもしれません。

その結絃の回想の中で、やはり筆談ノート池ポチャの日に硝子が「死にたい」と涙を流していたことが分かりました。
だとすると、筆談ノートと一緒に「諦めたもの」というのは、やはり単なる「友達を作ること」程度のものではなく、むしろ「自身の命」に近いもの(以前も書きましたが、「生きている意味」とか「生の実感」のようなもの)だということも推測できるようになりました。

このあたりは、伏線No.でいうと1e)や1h)に相当するものです。
これらの伏線については、語られるのはこれくらいまでで、これ以上は読者の想像に任せられるのかもしれません。(あるいは、これから将也と硝子がより深く語っていく場面があるかもしれません。)

今回、45話を読んだ最初の印象では「怒涛の伏線回収回」に思えたのですが、こうやってリストと比較してみると、「特A級~A級」のところの回収ばかりで、それより下にはほとんど手がついていないことにも同時に気がつきました。
やはり、マイナーな伏線の多くはこのまま回収されずに読者の想像にゆだねられるのかな、という印象もだんだん強くなってきたかなと思います。


ラベル:第45話
posted by sora at 08:03| Comment(12) | TrackBack(0) | 第6巻 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして。
「聲の形の同人小説書いてみました」というツイートをしていた者です。
リツイート頂いたのをきっかけにこちらのブログを拝見させていただきました。
……すごい深い考察ですね! 自分の小説など、ただ単に自分好みの恋愛モノぽくしてみただけなので、圧倒されました。
ともあれ、お陰さまで僕の小説を見てくれる人が増えたみたいです。
ありがとうございました。
Posted by GOHON at 2014年07月20日 23:01
硝子の補聴器が片方なのは第6話で回収されてると思うんですよね。
(第2巻 37ページ右下)

将也と再開して橋でママ宮にノートを川に投げられて回収したとき、「補聴器…ダメになったかもしれないわね」とママ宮が硝子の右耳に手を当てて言ってるシーンがあります。

これまでは補聴器の代金は離婚時の慰謝料か何かで補填できていたのかもしれませんが、それも底をつきかけていて新しく買えない経済状態なのかもしれない…という推測を立てれば、現在の硝子の補聴器が片耳だけなのも筋が通ると思うんですよね。

高校3年の硝子が登場したときに右耳にちらっと補聴器が見えてますが、この時点では両耳に補聴器をしていた、ということになります。耳あての部分と硝子の髪の色が同じトーンを使ってるみたいなので気づきづらいですが。
(第6話 8ページ)
Posted by あがる太 at 2014年07月20日 23:35
GOHONさん、

コメントありがとうございます。
ツイッターでは、定期的に「聲の形」でエゴサーチをかけており、それで偶然拝見したので、RTさせていただきました。
聲の形の小説、私も、本編が完結したら、描いて欲しかったのに描かれなかった部分に焦点を当てて書いてみようかなと思っています(^^;)。


あがる太さん、

コメントありがとうございます。
このまま、この伏線が回収されなければ、おっしゃるとおりの解釈になると思います。

ただ、植野が花屋にいた硝子の補聴器を奪うときにわざわざ片方しかないということを強調したり、微妙にまだ引っ張り続けている気もするんですよね…。
Posted by sora at 2014年07月21日 22:35
初めまして。
今日こちらのブログを見つけて拝見しています。

2e)結絃カメラのゴクヒ映像のうちの硝子飛び降り映像は、いじめを肯定的にとらえる竹内にこそ見て欲しいと思っています。

石田、硝子、佐原、植野らに今なお影を落とす問題の原因となった人物が、「ほら、やっぱり立派になったじゃないか」(35話18項)と言って、いわば逃げ切り状態です。

硝子が石田のトレースをするなら、ゴクヒ映像中の飛び降り映像は真柴が竹内にかけた「冷や水」の代わりになると予想します。
Posted by 目玉親父 at 2014年07月24日 13:24
目玉親父さん、

コメントありがとうございます。

そうですね、私はゴクヒ映像は映画の一部として使われるのかなあ、と思っていますが、そうではなくて特定の誰かに何らかのメッセージを伝えるために使われるという展開も、もしかしたらあるのかもしれませんね。
Posted by sora at 2014年07月24日 21:24
お返事有難うございます。

映画の進捗も考えると管理人様の方が当たりそうな気がしてきました。


もしかしたら伏線の一つになるかもしれないのですが、
第4話19ページ3コマ、取っ組み合いの喧嘩での
硝子の表情は生き生きとしていて、楽しそうにさえ見えます。
髪で口の半分が隠れているのも意味ありげです。

うまく説明できないですが、将也のいじめのせいで
硝子が転校したのではないかもしれないです。
作中人物だけでなく読者も引っかけられたかもしれません。
Posted by 目玉親父 at 2014年07月24日 22:35
目玉親父さん、

コメントありがとうございます。

硝子転校の経緯ですが、直接の原因はやはり将也とのけんかで、親と学校が動いた、と考えています。
あれによって学校(竹内)がそれまで以上に強く転校をすすめ、西宮母も反論しきれなくて折れ、受け入れ先の学校と調整して受け入れ態勢を作り、手続きをして、とやっていれば、1か月は優に必要かと。

ただ、それとは別に、硝子いじめで硝子が辛かったのは将也によるものだけではなかったことは確実で、それについては別にエントリを書こうと思っています。
Posted by sora at 2014年07月25日 08:17
初めまして。

『聲の形』は読切版が掲載された当初から注目して読んでおり、自分自身でも様々な考察を試みています。最近では、ツイッターでイラストを細々とアップするようになりました。

最近こちらのブログを見つけ、拝読いたしました。
精緻であり、独自の観点からも語られる考察に脱帽です。

ところで、喜多先生について気になる描写があったので、一応、参考までにと思いコメントさせていただきます。
4巻、第30話、148ページで喜多先生が再登場しますが、5年前と比べ体型がふくよかになっている気がします。初めはアングルの関係でそう見えるだけなのかとも思いましたが、最後のコマにいる彼女を見ると腹部が僅かですが膨らんでいることから、妊娠しているのではないかと考えました。
本当に些細で不確定なことですが、左手薬指に指輪をしていることからも、その可能性があるのではないかと思います。
Posted by 二葉 at 2014年07月25日 12:56
二葉さん、

コメントありがとうございます。

喜多先生については、4a)の伏線として入れてありますが、少なくとも結婚しているのは間違いなく、おっしゃるとおり、妊娠している可能性もけっこうありそうですね。

その場合、相手は竹内なのか?といったあたりも気になるところですね。
Posted by sora at 2014年07月25日 22:08
はじめまして。私も45話は衝撃を受けました。同時に作者は天才だなあと。
そのシーンは西宮母と結弦、硝子三人が泣いてる所です。硝子の正面をあえて描いていない構図で、思わず声が出ました。恐らく硝子はあることをしているんです。サイン(手話)と言った方が正しいかな?それを見て結弦は目を閉じ顔を背けて泣き、泣くことをみずから禁じた母も涙を流す。本当衝撃的なシーンでした。
Posted by shin at 2016年02月05日 22:04
shinさん、

コメントありがとうございます。

たしかに、あのシーンは結絃と西宮母、二人しかいないところにあとから硝子が入ってきている流れですね。
西宮母は手話を読み取れない、という設定があるので、あのシーンでは私は硝子はシンプルに泣いているだけ、と思っていましたが、もしかするとなにか手話をしているのかもしれません。
Posted by sora at 2016年03月07日 07:23
お返事ありがとうございます。
あのシーン、憶測の域はでませんが、その時の硝子の手話は
死にたい
だと思います。
読書にあえて見せずに、サイレントな空間だからこそできる演出かなと。
それから翌朝の再生へ向け、強い決意を宿した硝子の横顔、しびれました。
Posted by shin at 2016年03月08日 12:50
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