2014年07月13日

デラックス事件のスニーカーと結絃の関係とは?

さて、44話の話題でいったん途切れていた「デラックスネタ」の残りを投稿します。

デラックスについていくつかエントリを投下していますが、実はデラックス事件のスニーカーが、将也と結絃との関係のキーアイテムになっているようだ、という話です。

結絃は将也のバカッターをなりすまし投稿したことを硝子に問い詰められ、裸足で自宅マンションから家出します。
その後、結絃は裸足のまま倒れているところを将也に発見されて将也の自宅に運び込まれ、その夜に硝子行方不明の一報を聞いて将也と一緒に探しに行くことを申し出ます。

そのとき、結絃は靴がなかったので将也に靴を借りようとするのですが…


第2巻146ページ、第12話

このときに将也が結絃に貸した靴は、デラックス事件のあのスニーカーにしか見えません。


第1巻35ページ、第1話。デザインが完全に同じですね。

結絃はこの靴を借りて将也とともに硝子探しをして、その途中で、あの将也の「硝子のために命を消耗したい」という熱い気持ちを聞かされます。
ここから、将也と結絃の友情は始まったといってもいいでしょう。

そして、この日に借りた服を硝子が将也に返したとき、硝子はいったんその靴を将也に返そうとしますが、ここで将也は結絃にこの靴をプレゼントしたのでしょう。大きくなった将也にはサイズが合うとも思えませんから。

そして結絃は、将也からこの靴をプレゼントされて以降、私服で外出するときは常にこのスニーカーを履いています。


たとえば、第39話18ページ。

この靴をプレゼントされる前は、ベルクロテープの白いスニーカーをはいていたようですから、


たとえば、第2巻75ページ、第9話。

将也からこの靴をもらって、ふだん履く靴を切り替えた、ということになりますね。
きっと、結絃は将也との「友情のしるし」として、この将也からもらった(そして遡るとデラックス事件を引き起こした)靴を意識していつも履いているんだと思います。

ところでこの靴ですが、そもそも不思議なこととして、将也が自殺を決意して全てを売り払ったときに、なぜこれだけ売らなかったのだろう?ということです。古くて使い古しているとはいえ、もともとはブランドものの新作だったわけですから、売って売れないことはないでしょう。
というよりそもそも、高3の時点では明らかに小さくて履けなくなっている靴を、なぜ残していたのでしょうか?

恐らくですが、この靴は将也にとって「楽しかった小学校時代そのもの」だったのではないでしょうか。
デラックス事件は、島田や広瀬との楽しかった毎日の集大成であり、また、最後の思い出にもなっています。だから、捨てられなかったのではないだろうか、と。(将也は自殺を決意していたものの、実際には未練がたくさんあったことは、物語のあちこちにちりばめられていますね)

小学校時代の「失われた友情のかけら」が、5年の歳月をへて、高校になってからの「新しい友情のかけら」としてまた使われる。
デラックス事件のスニーカーは、そんなかけがえのない友情のドラマをこっそりと演出しているアイテムになっているように思われます。
posted by sora at 07:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 第2巻 | 更新情報をチェックする
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