将也が靴を盗まれた「あの日」は、小学校編のなかでも際立って多くのイベントが起こっている非常に重要な日になっています。
一見バラバラに見える、4つのイベントが重なっているのです。
1)将也の靴がなくなった日に、硝子らしき女の子が頭に葉っぱを乗せて散髪に来ている

第1巻28ページ、第1話
2)第1巻の番外編で、硝子が頭に葉っぱを乗せて散髪に来ていて、石田母が「川に跳び込むの流行ってるのかしら」とつぶやいている。このとき、西宮母が「いじめられて補聴器を川に投げられた」と言っています。

第1巻62ページ、番外編
3)第2巻第11話の結絃の回想で、いじめられて川に補聴器を投げられて探している硝子が登場します。やはり頭に葉っぱを乗せています。

第2巻114ページ、第11話
4)第4巻第31話の回想場面で、硝子が西宮母に髪を切られそうになり、結絃が代わりに自分の髪を切る場面。ここで「さっき切ったばっかじゃん」と結絃が言っていて、硝子・結絃・西宮母、全員が1)~3)と同じ格好をしていることから、これも同じ日であると判断できます。

第4巻158ページ、第31話
この4つは明らかに同じ日であり、次系列的には3)→1)→2)→4)の順になっていると思われます。
ちなみに、硝子が3)で補聴器を探している川は浅く、将也らが1)の前に飛び込んでいる川は深いので、この2つの「川」の場面はある程度離れているでしょう。
これらをふまえ、この日のイベントを時系列に整理すると、このようになりそうです。
1)硝子、補聴器をデラックスを含むいじめグループに川に投げ捨てられる。結絃とともに補聴器探し。
2)結絃がデラックスらの相手を始める。
3)それに気づいた硝子が間に入る。
4)硝子と結絃、デラックスら、それぞれが帰途につく。
5)ほぼ同じ時期に、将也らの「第42回度胸試し」が始まる。
6)げんき君が、橋の上に放置されていた将也の靴を盗む。
7)将也、靴が盗まれていることに気づき、2時間かけて靴探し。
8)その頃、帰宅した硝子は西宮母に連れられてヘアメイクイシダへ。植野が先客だったため待たされる。
9)将也が自宅に戻ってくる。ちょうど植野のカットが終わる。植野と将也の会話。
10)将也が待合室にいた硝子を見かける。
11)将也、島田、広瀬が将也の部屋で遊ぶ。
12)硝子のカット。石田母と西宮母のやりとり。
13)将也の靴を自宅に持ち帰ったげんき君は、それを弟のデラックスにプレゼント。
14)硝子と西宮母が帰宅、西宮母は硝子の髪を切ろうとする。
15)それを止めるために、結絃が自分の髪を短くカット。
個々のできごとの日時についての情報の少ない小学校編のなかで、この日だけは突出していろいろなことが起こっていますね。(でも、何月何日かはわかりませんが…「7か月前」というのもヒントになりそうでならないですし。