2014年07月07日

デラックスの本当の性格とは?

デラックス関連エントリの第2弾です。


第1巻35ページ、第1話。

将也からみたデラックスは別の小学校(第2小)の大ボス的存在のように映っていると思われますが、実際のデラックスは「体が大きく虚勢を張っているだけの(どちらかというと気の弱い)子」だった可能性が高いです。

まず、将也自身の経験した「デラックス事件」に関していうと、

1)島田と同じ学習塾に通っている。
2)島田が靴のことを問い詰めたら、言い返すこともなく逃げた
3)将也が靴を返せといったら、素直に返している
4)将也がなぐりつけたら、素直に殴られてべそをかいている。(そしてそのまま裸足で逃げ去ったはず)
5)兄であるげんき君が、「本人に代わって」殴り付け、「あいつは繊細で傷ついている」と言っている。


さらに、第2巻の結絃の回想にもデラックスと思われる子どもが出てきますが、ここでも、

6)硝子をいじめる3人グループの、リーダーではなくかばん持ち


第2巻118ページ、第11話。

です。
また、植野がデラックスを将也の待つ裏手に誘導するために観察しているとき、デラックスは(まだ第2小に通っていた)硝子らしき女の子を突き飛ばしていますが、これは「いつもいじめている相手」だから偉そうにしているだけのようで、逆に周囲からは「なんだあいつ」とかあっさり言われているところからも、「生徒から特に怖がられてはいない」という人物像が浮かびます。

そして、先の考察からは、

7)デラックスはそもそも将也の靴を盗んでおらず、兄が盗んできた靴を知らずにはいていただけ。

という可能性も浮かび上がってきました。

これらの事実と状況証拠からみて、デラックスの「本当のキャラクター」というのは、「第2小に君臨する大ボス」なんてものでは到底なく、大柄で強がってはいるものの、実際にはいじめっ子のかばん持ちに甘んじているような小心者で、塾に通うような勉強熱心なところもある意外とまじめな子ども、といったものであることがわかります。

将也を殴ったときにげんき君が言った、「お前が思っている以上に繊細だから ものすごい傷ついてっから」というのも、あながち嘘ではなくて、むしろこちらが正しくて将也のイメージが間違い、というのが真相なんだと思います。

そしてこの、デラックスという一見分かりやすそうな人物における「イメージと実態の(相当大きな)ずれ」というのは、このあとも繰り返し語られていく「人と人とのディスコミュニケーション」の、最初のとっかかりとして示されている側面もあるんじゃないかなと思います。
言い換えると、このデラックス事件を「将也が見たままに(怖い隣の小学校のボスを倒した、と)受け取って、そのまま疑問を持たずに流してしまう」という読み方をしていると、この後も繰り返し登場してくる「将也から見えている世界と、ほんとうの実態とのずれ」を見逃してしまう、そういうある種の「リトマス試験紙」のような役割もかねているエピソードにも思えてきます。
posted by sora at 07:35| Comment(5) | TrackBack(0) | 第1巻 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
インパクトのある外見と言動の割に小物感あふれる
キャラでしたね、デラックス。
で、真柴=痩せてイケメンになったデラックス説が
未だに捨てられない私。

・カバン持ちで実はいじめられっこに近い立場
カバン持たされる立場だった真柴の過去と一致

・実は真面目で繊細、勉強もそれなりにやっている
真柴は県下有数の進学校・東地高に進学

・学習塾の関係で島田と知り合い
詳しくではなくとも、石田の硝子イジメをそれとなく
知っているのは島田人脈のせい

・体格については小学生からはそれほど成長しなかった、石田の身長が著しく伸びた為に目立たなくなったで、説明がつく?

問題は遊園地編での「耳の聞こえない子初めてみた」
という発言→己のイジメを隠す為ウソついた?

硝子や結弦が無反応→あまりの容貌の変化に気が付かなかった?

やっぱりダメ?無理がありすぎますか(笑)。

まあ、真柴=デラックスではないにしても、どこかで
石田と真柴は過去に絡んでる気がしているのですが・・。
Posted by レッドバロン at 2014年07月07日 12:04
デラックスはもしかしたら永束の相似形キャラかなと思いました。
体が大きく、それだけで強そうに見えるが、実は気弱で、素直にごめんなさいと謝ることも出来ず、ちょっとひねくれた言い方で靴を返そうとしたデラックス。
一方、体が小さく、どう見ても弱そうで、嘘とお金で解決する癖のある永束。
デラックスを縮小したら、案外永束そっくりかもしれません。
もっとも、永束のほうが精神的にはずっと強いと思いますが。

真柴=デラックス説も根強いですね。
ただ、この作品について常に突拍子もないことばかり思いつく私が、真柴の正体と睨んでいるのは、第5話で出てきた、他学区出身で、将也の噂を確認した顔なしのモブキャラです。本当に突拍子もないですね。
Posted by せら at 2014年07月07日 14:05
レッドバロンさん、せらさん、

コメントありがとうございます。

このデラックスというのは、大今先生らしい、読者のミスリードを狙ったキャラの筆頭だと思います。

まあ、でも、真柴だとすると「初めて会った」が嘘だということになりますし、たった5年で体格も性格も違いすぎる気がしますねえ。
(つまり、正体がばれたとき「ああやっぱりこいつだったんだね」と思えないくらい違いすぎると思うのです)

私は、デラックスはもう物語的には役目が終わっていると思います。
それは、実際に連投エントリを書いてみて「このキャラは十分すぎるくらい役目を果たし終わってるな」と感じたからです。

一方で、このエントリの趣旨ではないですが、真柴が何者かというのは相変わらず分からないですね…。花火も見てなかったし。
Posted by sora at 2014年07月07日 21:20
>「将也が見たままに……流してしまう」
硝子とか硝子とか硝子のことですね……
いつかは硝子の表情を読みとれるようにもなるのかな……
成長していないことを繰り返し描写するというのは残酷ですね
石田に限ったことではないんだよなぁ

どうでもいい(!?)ことですが「リトマス試験紙」はどうかと思います
唐突に意味深な例えが出てきて正直笑っちゃいました
デラックス事件がある種の基準になるということはないかと思いますが、
「最初のとっかかり」なのはまあその通りだと思います。始まりというか序章というか、不吉な呼び方にもできるかな
それとももっと深い意味があるのか!??
いやきっと酔っぱらいでもしてたんだろう
しかし何故リトマス試験紙なのか、他の物ではだめなのか?
Posted by マスク at 2014年07月08日 00:22
マスクさん、

コメントありがとうございます。

そうですね、将也はまさに「デラックスを見誤って」おり、それと同じ流れで、硝子を見誤っていたところがあると思います。

「リトマス試験紙」って慣用句として使いませんか?
それほど特別な意味をもたせてるつもりはないですが、もしかすると古い言い方なのかもしれません(^^;)。
Posted by sora at 2014年07月08日 21:26
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