2014年06月01日

硝子が将也を好きになった瞬間はいつ?(4)

さて、この連続エントリのなかで、硝子が高校生になって将也と再会して、将也にはっきりと好意をもったのは、5月5日の夜、結絃を迎えにいったときに将也と出会い、別れ際に「またね」の手話をやりとりした瞬間だ、という(当ブログ的)結論に達しました。

とはいえ、「イケメン石田にまたねと言われたから」、ただそれだけの理由で好きになったわけじゃなくて(笑)、ここにいたるまでには数多くの「行い」の積み重ねがありました。

1.小学校時代から、将也に対してもともと何らかの気持ちがあった。

 筆談ノート、握手、手話で、3回も「友達になりたい」と伝えた(第2話~第3話)からには、何かあったとしか考えられません。それに加えて、魂をこもった喧嘩までやった「特別な仲」です。
 ただ、なぜそこまで「自分へのいじめの主犯格」だった将也に特別な思いを寄せていたかはいまだになぞです。(将也転落後については、分からなくもないですが…)


(第1巻114ページ、第3話。「友達になりたい」の手話を伝えようとしているところ。)

2.筆談ノートを拾ってくれた
3.それを5年もたっているのにわざわざ届けにきてくれた
4.将也の側から積極的に「友達になりたい」と手話でアプローチを受けた
5.西宮母に再度捨てられそうになったノートを躊躇なく川に飛び込んで一緒に探してくれた



(第2巻20ページ、第6話)

 4月15日の再会からの一連のドラマ、これもインパクトはとても大きかったと思います。
 どのイベントも、将也がからかいではなく誠意をもって自分に会いに来てくれた、ということを心から実感させるものだったと思います。中でも最大の感動的できごとは、かつて自分が(上記1.で)伝えようとした「友達になりたい」の手話を、筆談ノートともに将也が伝えてきた瞬間だったでしょう。
 再会時に硝子が問いかけた「どうして」に、将也はしっかり答えた、と言えます。

6.再会後に、似たような気持ちでお互いに慕っていたことを確認できた

 そして、2週間後の橋でのやりとりも、無視できないと思います。
 劇的な再会を果たしたものの、冷静になってみれば、やはりかつてのいじめっ子でもあり、硝子からすると自分のせいでカースト転落させたという「負い目」も感じていた将也との関係再構築に躊躇する気持ちは生まれてきたことと思います。
 その「とまどい」そのものを共有できた、ということは、逆にとても意味のあることだっただろうと思います。

7.家出した結絃をかくまい、気遣ってくれた、服も貸してくれた
8.結絃と一緒に夜中に自分を探してくれた
9.バカッター投稿などの結絃の悪行を受け止め許してくれた
10.さらにご飯もごちそうになったりして、孤独な結絃の心を開いてくれた



(第2巻159ページ、第13話)

 さらに、その後の1週間も硝子にとって激動の1週間でした。
 結絃の将也へのいたずら(将也の停学までの大ごとになった展開は、ある意味、小学校時代の「補聴器学級裁判事件」にも通じる部分があります)から結絃の家出、その結絃を捜索して自分が捜索される側になってしまった事件、それらすべてについて、将也が全面サポートしてくれていたことを後から知り、さらには頑なな結絃の心を少し開いてくれるところまでに至った将也に対して、硝子が信頼感に加えて、「大事な存在」だと感じたとしても何の不自然もないでしょう。

この話題で、あと1エントリ書きます。
posted by sora at 08:09| Comment(6) | TrackBack(0) | 第2巻 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この一連の流れが背景にあったことは間違いないですね。
そして、1番目に挙げられた小学校時代の「想い」は本当に未だ謎が残っていますね。
第1話の最後のページで既に硝子は将也に対して「何か」を感じた表情をしているように見えます。
以前のエントリーにも書かれていましたが、今までのところ、デラックス事件を硝子が目撃していた以外に考えられないですね。この点については今後、明らかになるのでしょうか?
それから、5番目の「西宮母によって川に投げられたノートを将也が一緒に探してくれた」ここでも硝子が自ら見つけた場合と将也が見つけてくれた場合とでは、重みが違ってきたと思います。もちろん自分で見つけた場合でも嬉しかったとは思いますが、「一緒に苦労して探し、将也が再び拾ってくれた」ことで連帯感が生じたのだと思います。
これはこの日の硝子にとって「友だちになれるか」に次ぐイベントだったのでしょう。
そして、「あなたが拾ってくれたから」の次のコマの笑顔。
これは硝子が将也を好きになった瞬間の笑顔についで2番目にいい笑顔ですね。

さて、話は少し前後しますが、この日の出来事で私にとって未だ解けない謎は「何故、いったん逃げた硝子がまた将也の所に戻ってきたか」ということです。
この謎もいつかは明らかになるのでしょうか?
Posted by ぽてと at 2014年06月01日 20:27
硝子が将也と友達になりたいと思った理由は、まさに「自分へのいじめの主犯格」だったからではないかと思っています。
硝子は「いじめの主犯格である将也と友達になればみんなとも仲良くなれる!」と思ったのではないでしょうか。
そしてその想いが将也に拒絶されたので、ノートを一度拾ったけど捨てた→(みんなと仲良くなるのを)諦めた、に繋がるのではないかと思っています。
Posted by タコス at 2014年06月02日 01:04
ぽてとさん、タコスさん、

コメントありがとうございます。

今回の連続エントリを書いた後で、改めて2巻を読んでみると、実は「将也フィルタ」をはずしてよくよく見ると、硝子の側の気持ちは出会った後あっという間にぐんぐん近づいていっていることがよく分かりますね。

やはり将也は贖罪の気持ちが強すぎるのか、そういう気持ちに対してとても鈍感で「見えてない」んだと思います。

再会のときに戻ってきたのは、将也が転んだことに気づいて助けに来た、ただそれだけだと思います。
もともと強い決心で逃げたわけじゃなくて、いろんな顔をしてみて対応の仕方がわからなかったからとりあえず逃げた(ポニテで告白のときも逃げてますね)だけで、振り返ったら将也がみじめに転んでるのが見えたら、硝子は戻ってきて助けると思います。

小学時代、将也がいじめの主犯格だったから接近した、という仮説は、私はあまりリアリティを感じないですねえ…
硝子はそこまで打算的なキャラに設定されていないように思うのですよ。
むしろ、当初から将也は何度もコミュニケーションをとろうとしていて(1巻75ページ、81ページ、83ページ)、その後物理的ないじめに発展してしまいましたが、硝子としては将也が不器用ながらも1対1のコミュニケーションを硝子に試みているように見えた部分があったんじゃないかな、とも思います。
それで、「仲直りして友達になろうよ」という、そういうアクションだったのかな、といった感じに思っています。
(それに対して筆談ノート池ポチャは残酷の極みだと思いますし、それで友達作りを「諦めた」のはそのとおりだと思います。)
Posted by sora at 2014年06月02日 23:13
確かにある意味打算的かもしれませんが、将也が「黙ってるだけじゃゲンジョーはダハできんのだよ」と言っていたように、硝子の方もその「ゲンジョーをダハ」するためにどうすればいいかということを、何も考えていなかったとも思えないんですよね。
心優しき硝子があの時「ゲンジョーをダハ」するための唯一の平和的解決法が、いじめの主犯格である将也と仲良くなることだったのではないかと思います。
もちろんsoraさんがおっしゃる通り、将也が何度もコミュニケーションを取ろうとしていたことも、将也と友達になろうとした理由の一つではあると思います。
Posted by タコス at 2014年06月03日 08:03
タコスさん、

コメントありがとうございます。

「なぞ解き」ということでいうと、このあたりはちゃんと解明したいところなんですが、改めて読み返してみて、興味深いことに気づきました。

読みきりと連載で、この「友達になろう」の手話が出るタイミングが微妙に違うんですね。

読みきりでは、「コンクール失敗、黒板事件」→「みんなが嫌がらせ」→「将也が補聴器1個目捨てる、耳ちぎる」→「友達になろう」→「将也のいじめ」→「学級裁判」となっています。

連載では、「コンクール失敗、黒板事件」→「将也のいじめ」→「将也が補聴器1個目捨てる、耳ちぎる」→「友達になろう」→「将也のいじめ」→「学級裁判」となっています。

つまり、読みきり版では、補聴器を捨てる前は将也個人はあまり露骨にいじめをやってないのです。
どちらかというと、クラス全員から陰湿な嫌がらせを受けています。
この流れだと、耳が切れたのは事故だったと割り切れば、硝子が「ごめんなさい、友達になろう」というのもないことはないな、という気がします。

連載の場合、補聴器1こ目の事件の前に、既に「これが正しい西宮の使い方だ!」があって、ここまで露骨にいじめてる人間にアプローチするのは変わってるなあ、という印象に変わっている気がします。

このあたりも考察しがいがありそうなので、一度エントリ書いてみようと思います。

Posted by sora at 2014年06月03日 23:18
突然割り込んで申しわけありませんが、タコスさんの意見に妙に納得してしまいました。

硝子はいじめの主犯格の石田と仲良くしたかったのではないかと思います。それは仲良くすることでいじめが終わると考えていたからではないでしょうか?

ただsoraさんのおっしゃる通り、硝子は打算的な人間ではないと思います。「これで石田と仲良くなってしまえばいじめは終わる。しめしめ」と言ったものではなく、頑張ってコミュニケーションを取ろうとすれば、自分をいじめる石田ともわかり合うことができ、皆とうまくやっていけると信じていたと私は思います。

だから硝子は平和的解決を試みた。その結果が手話で友達になろうと表現したことだと思います。


どうして私がここまでタコスさんの意見に共感できたのかと言いますと、私も硝子と似たような経験をしたことがありまして、自分のことを攻撃する人間と戦うよりも、むしろ仲良くなってしまう方が結果としては良いのではないかと考えたことがあるからです。
しかしやはり仲良くしようとしても自分を攻撃する相手は怖かったです。
硝子も同じように恐怖を感じていたと思います。思い込みかもしれませんが、記事の「第1巻114ページ、第3話。「友達になりたい」の手話を伝えようとしているところ」の硝子の表情は脅えているように見えます。左頬にある汗も冷や汗のように感じます。

少し強引かもしれませんが、このような理由で私はタコスさんの意見に共感いたしました。
突然失礼いたしました。
Posted by 本多 at 2015年03月01日 14:50
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