その後、硝子やまわりの人間との交流を再度深めることによって、将也のメンタルは少しずつ改善の方向に向かっているように見えますが、その回復の程度はどの程度なのでしょうか?
このまんがは、「将也視点」ということが徹底して、それはすなわち、「将也のメンタルの状態が、まわりの風景の描写そのものに影響している」ということでもあります。
つまり、将也のメンタルの状態はまんがの描写を見ることでわかるようになっている、ということにもなります。
そのことを具体的に示す描写はいくつかありますが、今回は「幻聴」についてとりあげたいと思います。
第1巻173ページ、第5話をみると、クラスメートのせりふの表現に2種類あることがわかります。

たとえば右下の女子生徒のせりふでは、
「石田君って なんでいつも1人なの?」
というせりふと、
「”ぼっち きも”」
というせりふ、2つが別の吹き出しに入って表現されています。
どうやらこのうち、「”」(ダブルクォーテーションマーク)で囲まれた表現は、実際には相手が話していないにもかかわらず将也には聞こえてしまう、「幻聴」であるようです。
(実際、将也は次のページで「うるせーよ!!」と耳を押さえています。)
この「幻聴」は、第3巻10ページ、第15話で、将也が停学から復帰してきたときも聞こえています。
「あ 石田君 来てる ”学校来てるぜ あいつ”」
「本当だ ”よく来れるなー”」
「”恥知らず”」
第2巻での硝子や結絃、永束とのさまざまな交流も、将也の幻聴をとめるまでにはいたらなかったようです。
そして、最近はこの「幻聴」、ほとんど登場しなかったのですが、第5巻に収録されるであろう、第36話で再び聞こえてしまったようです。4ページです。

「”なにあれー”」
「”うるさー”」
この第36話あたりから、再び将也にとってトラウマをえぐられる辛い展開が続いていますので、将也のメンタルが完全に回復するのはまだ先になりそうです。
(というより、その回復がこのまんがのテーマの1つそのものであり、回復したらこの物語そのものが終わってしまいそうでもありますからね。)

コメントありがとうございます。
読みきりから連載にするにあたって、「再会後」のメインテーマが何になるんだろう、と思っていましたが、将也のメンタル回復が1つの大きなテーマになるとは意外でしたね。
オリジナルも読みきりも、将也はむしろタフなメンタルの持ち主で孤高の主人公でしたから。
ここしばらく、またこの「将也のトラウマの克服」というテーマがクローズアップされてきましたから、目が離せなくなってきました。