前エントリで、「聲の形」の世界のなかでの設定として、将也はそこそこのイケメン、硝子はそこまでではない中庸のルックスとされているのではないか、という話を書きました。
将也に関しては、永束が植野に恫喝されてブルブルしているときに「石田君は僕より少しイケメンですが…」と発言していることもあります(第20話120ページ、第20話)から、イケメン設定は間違いのないところでしょう。

この物語が将也と植野の物語だったとしたら、まさに美男美女カップルの※物語だったのかもしれません。
さて、話を戻します。
実際にはこの物語は将也と硝子の物語なわけですが、お互いが惹かれあっている理由の中で、相手のルックスが占める割合はどの程度なのでしょうか?
私はそれは実は非常に小さいのではないか、と思っています。
将也が硝子を追いかけた理由はなんでしょうか?
それは端的に、「いじめメッセージの書かれた机を毎朝拭いていた」ということからも分かる通り、あのクラスで唯一、将也がスクールカーストの頂点から底辺にまで転落したとき、まったく変わらずに接してくれた存在だったこと、自分がいじめたにもかかわらず、めげずに関係構築をめざして働きかけを続けてくれた存在だったことに、転校してから気づいたからでしょう。
スクールカースト転落後、彼が心を通わせることができる友達は、硝子と再会するまでついに一人も現れませんでした。
将也にとっての硝子は、ルックスなどとはまったく無関係なところでかけがえのない大切な存在になっていたことはあまりに明白です。
恐らく、将也は硝子のルックスがどのようなものであっても、硝子を追いかけたと(私は)思います。
一方の硝子ですが、そもそも彼女が小学校時代から、なぜか将也にばかり積極的にアプローチをしかけていたように見える理由は、いまだ謎です。
でも、高校になって再会したとき、彼女が将也と「友達になる」という選択をした理由は、筆談ノートを5年も保管してわざわざ返しに来てくれたこと、自分と話す、ほぼそれだけのためにわざわざ手話をマスターしていたこと、そして、かつての自分が伝えたかった手話「友達になりたい」をコピーして自分に投げ掛けてくれるという感動的な演出、そういったものがあいまったから、と言えるでしょう。
そしてその後も、川に落ちたノートを一緒に探してくれる、結絃をしっかり支えてくれる、佐原との再会を実現させてくれる、と、次々と「実績」を重ねる行動力を示したところから、「うきぃ」につながったと言えると思います。
将也と硝子、どちらについても、まちがいなく「相手の具体的な行動」のなかに、相手を好きになるだけの十分な理由、動機が、物語の中に存分にちりばめられていることがわかります。
だから、やはりこの「聲の形」という物語は、主人公やヒロインのルックスの良さを前提とする※物語ではまったくなくて、たしかにファンタジーの極みではあるのだけど、もし本当にこんな出来事があったとしたら、美男美女ばかりではないリアルの世界であったとしても同じようなドラマが生まれるだろうと思えるのですね。

普通は相手のためにここまで歩み寄れないし、受け入れられないのではないかな。
そういう2人だったからこそこの物語は始まったわけで、そこが美しいんですよね。
どこまでも応援したくなります。
ルックスという事で言えば、植野を中心としたクラスの中心グループの容姿のレベルは平均的に高い感じで描かれていた印象があります。
34話の女子小学生も、ランドセルを押し付けられていた女の子だけが平凡で、その他の子達はみんな可愛くてオシャレでした。
この辺りに私は大今氏の経験に基づくリアリティを感じます(笑)。
良くされて、想われて…なんて話なら
本当の障がいは耳が不自由なことでは
なく顔が不自由なことであった…
というミもフタもない話になりますし
ねぇ。
コメントありがとうございます。
34話のいじめ風景については、たしかにかわいい子がいじめる側でそうでない子がいじめられる側、というのはリアリティがあると私も思いました。
まあ「顔の不自由」という言い方はさておき、まさにその部分で、少なくともこの物語に関していえば、主人公とヒロインのルックスとは関係ないところに、ちゃんと物語は成立している(ルックスが必要条件になってない)ということを、このエントリでは書きたかったわけです。
例えば西宮さんがブサ・・いえ、恋愛要素を感じさせない人物だとしたら
石田「昔、ひどいイジメをやらかしてしまった子がいてさ、贖罪のために会ったり、いろいろフォローしてあげてたら、急に「好き」なんていわれちゃってさ。
向こうの母親も妹もくっつける気マンマンで・・悪い子じゃないけど、障がい持ちだしなぁ・・そりゃできるだけのことはしてあげるつもりだけど、そういう異性としてみてるとか性的興味は全然ないんだけど・・
もしかして、もう俺逃げられないのかな?これが因果応報って奴??・・・」
逆も然り
硝子「昔、私のイジメの主犯格の男が、どこでどう調べたのか、突然手話教室に現れてさ、気色悪かったけど、手話まで覚えてきて友達になろうなんて言ってきたのよ。そこまで努力してくれたんだ・・ってついホロっときて手握っちゃったけど、正直、昔のことはもう忘れたいし、今さらほじくり返さないでって感じ。
でも、誠意はあるみたいだし、手話まで覚えられたんじゃ邪険にもできなくて、毎週火曜日に会ってたらあっちが熱あげちゃったみたいでさ、プレゼントまでもらちゃった、どうしよう、早くお返しして勘違いに歯止めをかけた方がいいのかしら・・・」
うーん夢がない・・(笑)。もっとも現実はこんな感じのような気もしますが、マンガを読んでる最中くらい夢みたいですよねぇ(笑)
コメントありがとうございます。
私はこの物語については、エントリの内容とかぶりますが、恋愛要素は不可欠ですがルックスはそうではない、と思っています。
むしろ、「硝子はあんまりルックスがよくない」とイメージしたほうが物語的にしっくりくる、とさえ思っているくらいです。
ルックスはたいしたことないけれども、将也にとっては大切な人、ということですね。
実際、将也以外の男からはある意味誰からも(永束にさえも!)異性扱いされてませんから。
ちなみに将也は高校編からはモテモテなので、こいつはぜったいイケメン設定です(笑)。
生まれついての目鼻立ちは整っていると想像。
ただし、自己評価の低さからくる自信の無さ、不器用さからくる、オシャレ心の無さから、全体的に暗めで
地味なオーラが漂っている・・んじゃないかと。
実際、佐原や植野に比べると私服は派手さ華やかさに欠けるものが多いような。
つまり原石は良いが磨かれていない・・そんな感じかな?と。
コメントありがとうございます。
硝子のルックスについては、実はもう1つネタがありますので、近いうちにもう一度エントリを書いてみたいと思っています。