それが、「やたら饒舌になって余計なことばかり言う」というクセです。
最初にこのクセが出るのが、第2巻59ページ、第8話で、将也が「いいバゲット」を持って手話サークルを訪れ、結絃(この時点では何者かを将也は知りませんが)と対面したときです。

「ぼ 僕は 西宮さんの友…達の石田っていいます
あ 西宮さんといっても お母さんの方ではないですよ?
ていうか今 お母さん いませんよね?
あっ このパン…
バゲットはですね…西宮さんに差し上げたいと思いましたね
メチャクチャいいヤツがぐーぜん手に入ったもんで
せっかくなんで 鯉のエサにどうかと思いましてね
パン係の西宮さんに…」
焦りまくって意味不明なことをしゃべりつづけています(笑)
そして、次にこのクセが出てしまうのは、第4巻収録予定の第31話6ページ、硝子の母親と対面したときです。

「あ…違うんです
別に変なことしに来たのではなく
橋に行ったら佐原さんしかいなかったのでメールしようと思ったんですけど
滝のところに結絃さんがいたんで
そしたら お腹すいて…」
意味不明度がますます上がっています(笑)。
興味深いのは、1回目も2回目も結絃がこの「饒舌になった将也」の姿を見ていて、1回目は呆れて(手話サークルの教室の入り口から)追い出してしまったのに対して、2回目は逆にテンパる将也をフォローした、という点です。
こういった辺りにも、二人の関係(将也と結絃)が劇的に変化したことが現れていて興味深いですね。
そういえば、第28話【返信】の中でも将也は硝子に対して、褒めちぎろうとして勢い余って(?)「その靴下もなんかいい感じだし、このパンもいいパンだ」と意味不明のことを言ってしまっていますね。硝子も「な、何を言ってんのよ!?」と当惑してしまっているし。
さすがにこの時は将也も「やっぱ、変に見えたか、俺」と少し反省したようですが。
結果として、西宮ファミリー(祖母を除く)は3人ともこの被害(?)にあっているわけで。
しかも3回とも結絃がその場に居合わせているし。
4月29日でsoraさんが指摘された「西宮一家から暴行を受けまくる将也(笑)」と対をなす形と考えれば、お互い様で、これも「聲の形」の一つなのかな?
コメントありがとうございます。
そういえばそうですね、あの褒めまくるシーンも「焦った将也の饒舌グセ」の1シーンだと言えます。
そして、あのシーンは「ガムシロ」の回で、結絃が将也をはじめとする3人から褒め殺しを受ける場面にさらにリサイクルされるという構造があって、そこも面白いですね。