第22話前半で、いったん持っていった硝子から託されたプレゼントをあえて渡さずに持ち帰るという策士ぶりを披露した結絃ですが、その次の火曜日の橋でも、策士ぶりを遺憾なくはっきしています。
第3巻161ページ、第22話で、佐原が「お腹痛いって さっき帰っちゃった」と言っているコマをよく見てみましょう。

結絃が、背中に回した手で何かを隠しています。
これは、一体何でしょうか?
これは、この後の結絃の動きと、さらに第23話で硝子と再会した後の会話までを含めて考えると、はっきり答えが出ます。
結絃が背中に隠しているのは、鯉にあげるパンです。
そして、なぜ隠しているのかといえば、将也にパンを買いに行かせるためです。
なぜパンを買いに行かせようとしたのかといえば、その道中で硝子と会わせようとしたからです。
よくみると、パンを背中に隠しているコマの次のコマで、結絃はスマホで何かを確認しています。
これは、GPS監視機能を使って、硝子のいる位置をチェックしたのだと思われます。
そして、硝子の現在地と帰宅ルートを考慮し、途中ではちあわせるよう、将也に「必ず駅前のパン屋で」パンを買いに行って来い、とけしかけたわけです。
だから、硝子と出会ったときに、結絃はパンを持ってるはず、食べちゃったのかな、という話になったわけですね。
では、なぜ結絃は将也を帰宅途中の硝子と会わせようとしたのでしょうか。
ここで、先ほどのスマホを覗いているときに結絃が言っている「まー オレはでたらめだと思うんだけどな」というセリフがヒントになります。
つまり、結絃は硝子が「仮病を使ってその場から逃げた」と思っているわけです。
しかも、結絃は硝子がポニーテールという「超勝負ヘア」で橋に来ていることも知っています。
硝子は相当に気合を入れてプレゼントを渡そうとして、気合が入りすぎて緊張のあまり「仮病を使って」帰ってしまった、ということに、結絃は気づいていたということになりますね。
だから、この時点ですでに結絃は硝子の将也への気持ちを察していて、かつ、それは「とてもいいことだ(応援すべきことだ)」と考えていた、ということになります。
そこで、持っているパンを隠し、GPSで硝子の居場所を確認し、途中ではちあわせるようなルートを通るようパン屋を指定して将也にパンを買いに行かせる、という作戦を決行したわけです。
結絃…とんでもない策士ですね。
そして実際にふたりははちあわせ、あげくに「うきぃ」となってしまうわけですから、この第22話から「遊園地編」あたりまで、結絃が物語を動かしてる感が半端ないですね。
ラベル:第22話
