2014年12月05日

「このマンガがすごい!2015」で聲の形が1位獲得!

乗るしかない、このビッグウェーブに(笑)。

「このマンガがすごい!2015 オトコ編」の第1位に、「聲の形」が選出されました!



セブンネットショッピングがフライングで表紙を出してしまって判明したようです。
Amazonとかは表紙が塗りつぶされてまだわからなくなっています。





それにしても、ついに来ましたね!
もともと下馬評も高く、本命視されていたとはいえ、実際に受賞となると感慨深いものがあります。
こんな難しく、一般受けしないであろうテーマで、数ある作品を振り切って1位を獲得した「作品の力」は、やはり素晴らしいものがあると思います。

これで、コミックスの売上もさらに伸びるでしょうし、アニメ化についても弾みがついてスポンサーの獲得も容易になるのではないか(=予算が増えて作り込みが深くなる)と期待せずにはいられません。

コミックス最終巻も発売まであと2週間足らずとなりましたし、この12月は、コミックス最終巻と「このマン」1位で、聲の形でもう一度盛り上がることができますね!(^^)


posted by sora at 21:40| Comment(8) | TrackBack(0) | その他・一般 | 更新情報をチェックする

第60話から、真柴と川井の関係進展を考える

※このエントリは、第60話連載時に書いたものです。そのため、その後の連載の内容と齟齬があったり考察に変化がある場合があることをご了承ください。

さて、第60話の影の主役?といえば、なんといっても真柴と川井でしょう。
第60話前半のランチシーンでの「恋愛バトル」は、プロレスの様相を呈してものすごく面白い展開になっていました。


第60話、7ページ。

このやりとりを見ると、端的にいって真柴と川井との関係は「進展」しているように見えます。
それは、恋愛関係になっている、ということではなく、「相手の腹を探り合っているクラスメート」という関係から、相手に関する恋愛感情(とその受け止め方)も含めて、何でも普通に話せる親密な友達になっている、というニュアンスです。
川井は、かつてのような一応恋愛感情を隠しながら「アプローチ」する段階から、あからさまに恋愛感情を真柴に示しつつアプローチする段階に進んでいますし(真柴のことを「君」と呼ぶシーンもあります)、真柴は真柴でそれを当たり前に受け止めて軽口を叩くような状態になっています。

この変化は、どのようにして起こったのでしょうか?
おそらくそこには「川井の心境の変化」があり、その結果として川井がいくつかの行動を起こしたのだろうと推測されます。

橋崩壊事件や千羽鶴事件を通じて、川井のアイデンティティは揺らいだはずです。
将也の橋での暴言やクラスメイト(溝端さん?)のLINEもどきでのメッセージなどから、川井は、自分では自分のことを「かわいい」と思っていて周囲もそう受け止めていると思っていたけれども、実際にはそう考え、振舞っている自分のことを「気持ち悪い」と思われている部分もあるのかもしれない、と気づいたのだと思います。

一方で、その後の映画再開から映画完成という経験は、川井にとっても達成感のあるプラスのものになっただろうと思います。
川井の脚本にしたがってメンバーが演じ、真柴だけでなく、永束や硝子といった他の映画メンバーとも親密になり、「アイデンティティが揺らいだ後の自分」が受け入れられた実感があったのではないかと思います。

それらの経験から、川井はどう自分を変えたのでしょうか?

恐らく、川井は、より「ありのままに生きる」ことを決意したのではないか、と思います。
具体的には、少し無理していた新しい髪型をやめて元に戻し、意中の真柴には自分の恋愛感情を伝えた(告白した)のではないか、と思います。
それまでは、「かわいくて優等生な自分」という自己像を維持するために無理していたことをやめてしまったんだろう、と思うんですね。

その意識は、第60話でも「これが 私」というせりふにはっきりと現れています。


第60話、9ページ。

かっこ悪くても、それが自分なんだからそのままで生きればいい、そういういい意味での開き直りがここには感じられ、肩の力の抜けた新しい川井の生き方が描かれていると感じます。
タグ:第60話
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第61話、植野が伝えたことと隠したこと(3)

※このエントリは、第61話連載時に書いたものです。そのため、その後の連載の内容と齟齬があったり考察に変化がある場合があることをご了承ください。

さて、第61話で、植野が語ったことと語らなかったことを考えていますが、ここまでで触れたこと以外にもう1点、植野が明らかに「語ろうとして語れなかったこと」があります

それは、

「知らないこと」の3つめ。

です。


第61話、9ページ。

いったい植野は何を語ろうとしていたのでしょうか?
これはもう、考察するまでもなく、

11)植野が将也のことを好きだということ。

これしか考えられません。

そもそも、植野が今回将也の家にわざわざ押しかけて「話したかったこと」は何だったのか、ということを考えなければいけません。

それは何かといえば、恐らく、

・島田の救出劇のことを伝えて、島田との和解の可能性を改めて探りたい。
・小学校のころに将也・硝子いじめをやってしまったこと、今も硝子が嫌いなことを素直に告白して謝罪したい。
・そのうえで、自分が将也のことを好きだということをちゃんと伝えたい。


おそらく、このあたりだったんじゃないかと推測します。

この中でも、植野が特に伝えたかったのはやはり「好きだという気持ち」だったと思うんですね。

というのも、植野は「あんたこそなーんも知らないのね」の前のコマ、「次 2つめ!」のコマ、どちらも顔を真っ赤にして照れて、続きをしゃべるのを逡巡しています。


第61話、5ページ。

でも、実際に「次の話題」をしゃべるときには、照れが消えているんですね。

つまりこれは、植野は上記のどちらのタイミングでも、本当は「実はアタシはあんたのことが好き」というのを伝えようとして、でも照れて伝えられなくて別の話題でごまかした、ということを示しているのではないか、と思うのです。
そして結局、「2つめ」の島田ネタで将也の優しいことばに泣き出してしまって、将也に泣き顔を見せられなくて、本当は一番伝えたかった「3つめ」を伝えられないまま走り去ってしまった、のだろうと思うのです。
(もちろんそれだけでなく、優しいことばを受けて、改めて「いまの将也」に惚れ直してしまって、むしろ別れにつながってしまうような「告白」をするのをやめてしまった、ということもあると思います。)

ちなみに、実は先の7)から9)を話すつもりだったのでは?という仮説は、最後に走って去っていくときに「自分で考えろ」と言っているところから、将也が「自分で考え」ても思い当たるはずのない7)〜9)が「3つめ」であることはありえないため、否定されます
タグ:第61話
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第61話、植野が伝えたことと隠したこと(2)

※このエントリは、第61話連載時に書いたものです。そのため、その後の連載の内容と齟齬があったり考察に変化がある場合があることをご了承ください。

さて、第61話で植野が「語らなかった」秘密についてですが、今回の文脈の中で、あえて植野が話さなかったのではないか、と私が考えずにはいられないものが1つあります。

それは、

10)島田が将也を中学に入ってもいじめるほど嫌うようになったのは、植野が最後まで続けた硝子いじめを将也の犯行と誤解していたから

という、当ブログでずっととりあげている点です。

植野は、かつての仲間関係の崩壊後も、島田と将也の和解をずっと願っていたことは間違いありません。
ならば、島田がなぜ将也をそこまで嫌い続けるのか、ということをやんわりと聞くシーンも何度もあったに違いないでしょう。
「学級裁判で裏切った」ということだけが理由なら、それ以降、完全に牙が抜けて大人しくなった将也を、そこまで断罪し続けることには違和感があるのです。
逆に、島田がその程度で将也をそこまで嫌うなら、「硝子が転校するまでいじめを続けた」植野を嫌わないことが不自然になります

つまり、島田は少なくとも、後期の硝子いじめが植野の仕業だったことは知らないと考えるのが自然です


第6巻137ページ、第50話。

そして、「誰がいじめてるか分からないけれども、学級裁判後も硝子へのいじめが続いていて(むしろエスカレートして)、結局硝子は転校に追いやられた」という状況は、島田をして「将也が続けていたに違いない」と推測させるに十分だったでしょう。

島田が中学に入って「将也が女子をいじめて転校させた」という噂を流し、将也と友達であった過去を消したいとまで考えた理由はそれしかない、と思うのです。


第1巻171ページ、第5話。

だとすれば、です。
植野は、島田がそういう誤解をして、それを最大の理由として将也いじめを続けていることを知らなかったはずはないわけですね。

今回、植野が「語らなかった」最大の秘密は、おそらくこれじゃないかと思っています。

ただ、植野は実際にはこの秘密に将也自身が気づくための「ヒント」は出しているといえますね。
それは、前エントリで整理した「語られた秘密」のうち、

5)植野自身、硝子へのいじめを行ったこと。

です。
ここで植野は「上グツ 汚したり」という硝子いじめの内容を語っています。


第61話、7ページ。

この「上靴を汚される」という硝子いじめを、将也は学級裁判後に目撃しているはずです(第1巻がすべて「将也視点」であると考えて)。

ならば、将也は、今回初めて得た5)の情報を駆使して、

・硝子は自分がいじめをやめた後もいじめられていた。
・そのいじめは植野がやっていた。
・その後、硝子は転校した。
・中学に入って島田に流された噂は「自分が硝子をいじめで転校させた」というものだった。
・でも実際に「転校させるまでいじめを続けた」のは自分ではなく、どうやら植野だったようだ。
・島田は、植野の硝子いじめを自分がやっていたと誤解して、それで一層自分のことを憎んでいたのかもしれない。


という「推理」を、「将也が」働かせることも、不可能ではないわけですね。
posted by sora at 07:05| Comment(1) | TrackBack(0) | 第7巻 | 更新情報をチェックする

第61話、植野が伝えたことと隠したこと(1)

※このエントリは、第61話連載時に書いたものです。そのため、その後の連載の内容と齟齬があったり考察に変化がある場合があることをご了承ください。

さて、第61話では、植野が将也の自宅におしかけて、これまで話せなかったことを話すという展開がありました。


第61話、7ページ。

植野とすれば、上京も決まり、悔いが残らないように伝えたくても伝えられなかったことを伝えよう、と思ったのだろうと思います。

とはいえ、そこはやはり人間ですから、植野は「すべて」を話したわけではありません。
ある意味「神の視点」をもっている読者から見ると、今回、植野がちゃんと伝えたことと、やはり隠したままだったことがあることに気づきます。

まず、今回、植野が伝えたことは、

1)植野は高校卒業後上京すること。
2)転落した将也を救出したのは島田らだったこと。
3)小学生時代、島田らはもともと将也のことが好きだったが途中からは嫌いになったこと。
4)植野自身、将也へのいじめに加担したこと。
5)植野自身、硝子へのいじめを行ったこと。
6)今でも硝子のことが好きになれないこと。


といったあたりでしょうか。(硝子が理容師志望というのは植野の話題じゃないので除外しました)

では、一方、このシーンで語られなかったことには、どんなことがあるでしょうか?

7)将也の転落後、病院の前で硝子、佐原、西宮母に暴行を加えたこと。
8)将也昏睡中、病室に籠城して硝子らを排除していたこと。
9)将也昏睡中、意識のない将也にキスなどをしていたこと。



第6巻138ページ、第50話。

ざっと考えると、これらの「将也が昏睡中におこったできごと」が思い当たります。
まあ、これらについては、実は硝子は9)以外は全部知っているわけですから、なんとなれば硝子が話せばいいとも言えますし、暴力を肯定するつもりはまったくありませんが、将也に対する強い感情が暴走した結果である、ともいえますし、これらを秘密にすることが、現時点で将也を不利にすることでもない、とはいえます。
また、9)はもともと「墓場まで持っていく」タイプの秘密でしょうから、語られなかったことも自然です。

でも、これだけでしょうか?
私は、今回の文脈のなかで、本来なら植野は語るべきだったのに、語らなかったのではないか?と思っていることが1つあります。
タグ:第61話 第50話
posted by sora at 07:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 第7巻 | 更新情報をチェックする