2014年11月21日

最終話、描かれた2年間での関係の変化(4)

さて、第61話から最終話までの2年間、その間に生まれた登場人物の変化、最後はやはり「将也と硝子の関係」に触れないわけにはいかないでしょう。

そもそも、この2人はこの2年間で、恋人と言える仲になったのでしょうか?

まあ、恋人の定義とは何なんだ、という問題はありますが、お互いがお互いをたった1人の特別な相手だと認識し、かつ相手がそう思っていることを知っている、ということを「恋人」の定義だとするならば、私は、

恋人になっている。

と判断していいんじゃないか、と思っています。

そのことがもっとも端的に現れているのが、非常にさりげないですが、このせりふだと思っています。


第62話、11ページ。

将也「西宮 俺らも…」

このとき、水門小組は佐原と植野、川井と結絃(←水門小組では多分ないし成人でもありませんが)でそれぞれ会場に向かい、2人だけが取り残されています。
まず、この時点で周りのメンバーが「2人に気を使っている」ことが示唆されています(植野はまだ将也に未練があったようですが)。
硝子とともに「東京組」である佐原にしても、わざわざ結絃に声をかけている川井にしても、硝子にも声をかけて一緒に行く必然性がかなりあるのに、あえて声をかけていないわけですから。

そして、将也は当たり前に、硝子と2人で会場に向かうことを考えているわけです。
この「距離感」は、既に恋人になり、周囲にもそう認知されているからこそ出てくるものだろう、と思います。

そういえば、成人式の市長あいさつ中、将也と硝子が手話で会話しているのを見て、植野は硝子に「イチャついてんじゃねーよ!」と怒っていますが、植野のこのリアクションも、既に硝子と将也が恋人関係だと認知していなければ出てこないものなのではないでしょうか

そして、ラストシーン。
将也はイケメンの表情のまま、ごく自然に硝子の手を握り、同窓会場の扉を開きます。この将也の堂々とした態度も、硝子との関係に対する確たる自信を感じさせます。


第62話、17ページ。

また、その前のモノローグで、将也が未来に対してはっきりした希望を持っているところからも、その「未来」のなかに硝子がしっかりと存在していることを感じさせるものです。

こういったことを総合すると、将也と硝子はこの2年間でしっかりと関係を育み、周囲も認める恋人になっているのだ、と判断していいのではないでしょうか

まあ、その割には硝子にこの先の働き先も聞けていませんし、いまだに「西宮」呼びですし、硝子は手を握られただけで赤面していますし、まあまだまだプラトニックな関係のままであるようにも見えますが、その初々しさもまた、この2人のカップルらしいと思います。
「告白をして、キスをして、下の名で呼んで…」といった「儀式」を済ませていることを「恋人」の定義とするならばまだこの2人はそこから遠いかもしれませんが、お互いに「生きるのを手伝う」ことを心から受け入れて、未来に向けて自然体で2人がいつも一緒にいられる状態に至っていること、私はそれを「恋人になっている」と呼びたいですね。(でも、ぶっちゃけ、誕生日を2人だけで一緒に祝ったりしてるはずですから、さすがにそういうときにこの2人もキスくらいはやっちゃうような気もしますが。←結絃公認ですし。)


第5巻140ページ、第40話。
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最終話、描かれた2年間での関係の変化(3)

さて、最終話の後半では、成人式後の小学校ごとの同窓会が描かれていますが、ここで広瀬の近況が描かれています。


第62話、12ページ。

花火大会の時点で、かなりスリムになって「彼女」がいることが既に描かれていた広瀬でしたが、今回は既に結婚して子どもがいる姿が描かれました。
子どもは普通に一人で歩いているところを見ると、少なくとも1歳半くらいにはなっていると考えられ、だとするのは生まれたのは高校卒業後すぐくらいで、実は花火大会のころには既に今回の子どもを妊娠していたかもしれない、という逆算になります。

このエントリで触れたいのは、あと2組の「関係性の変化」です。
1つは佐原と植野、もうひとつは言うまでもなく「将也と硝子」です。

まずは「佐原と植野」について。
第7巻で既に兆しが見えていましたが、最終話では佐原と植野の力関係は完全に逆転し、指輪を見せて将也にあらぬ関係を邪推させようとしていた植野に対して「何言ってるの それ 私があげたやつじゃん!」と言って、植野の頭を「ポコ」と叩いています。


第62話、11ページ。

佐原が、植野の、頭を叩いています
そしてそのあとも、佐原が「ほら行くよ まったくなおちゃんったら!」と、佐原が完全に主導権を握っていることが分かります。
(ちなみにここの指輪描写は、微かに2人の間に同性愛的関係を示唆するものでもありますが、それについては別エントリで触れたいと思います)

さらに言えば、佐原は自分でファッションブランドの会社を立ち上げ、社長になって植野を引き込もうとしているようです。
この展開をみても、佐原が「高め続けた」結果、かつての仲間、メンバーの中でもどんどん「出世頭」になりつつあることが見て取れますね。
ついでにいうと、佐原はいまだ身長も「高め続けて」いるらしく、ついに181センチにまで到達したようです。
ファッションブランドを立ち上げても、自分でモデルができて安上がりでしょう(笑)。

さて、続くエントリでは、大トリとして、この2年間で起こったと推測される、「将也と硝子の関係性の変化」について読み解いてみたいと思います。
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最終話、描かれた2年間での関係の変化(2)

さて、最終話で描かれたタイムスキップ2年のなかでの変化について、続けていきたいと思います。

結絃は高校生になりました
制服姿からして、希望通り?太陽女子に入れたようです。将也との追い込みの勉強が役に立ったようですね。


第62話、5ページ。

やや意外だったのは、長くなるだろうと思われていた髪が短いままで、中性的なルックスを維持していたことです。
カット係だった硝子が上京していなくなり、もしかすると結絃もカットはヘアメイクイシダになったのかもしれませんが(あるいは将也の実験台実習対象に(笑))、あえてショートカットを維持しているようです。
もしかすると、例の「佐原親衛隊」だった、結絃からみると「先輩軍団」に可愛がられて、もともとの雰囲気を維持するよう要請されているのかもしれません。

上京組3人が仲良しグループ?になったのと対応するかのように、「地元組」は永束の映画によってつながりが維持されているようです。
永束は「友情」をテーマにした映画を撮り続け、真柴はその永束映画の「主演男優」を毎回演じているようです。そして将也も「雑用係」として永束の映画を手伝い続けているようです。
将也が川井と会ったときに「久しぶり」と言っていることから、川井は映画の現場に直接参加はしていないようですが、永束が映画を撮り続けていることに驚いていないところを見ると、やはり「脚本」で協力を続けている可能性は高そうですね。

永束は、真柴との関係を深めているようです。
永束は、将也への「やーしょー」呼びに匹敵する「まーしー」呼びを、真柴に向かってするようになっていますし、永束から「よろしくな」と言われているシーンでは、真柴にあの永束のブルブルが伝染しています(笑)。


第62話、7ページ。

真柴と川井の関係は、結局どうなったのでしょうか?
恐らくこの2人は恋人として交際する仲になっていると思われます。
植野の指輪を目ざとくみつけた川井がそれを植野に聞くとき、わざとらしく自分の右手薬指の指輪を見せつけています


第62話、11ページ。

「真柴のいる前で」、指輪を見せつけているわけですから、これはどう考えても真柴からもらった指輪であり、2人はそういう関係になっている、と解釈するのが自然ですね。

そういえば、先ほど結絃の髪型の話題に触れましたが、2年間で、メンバーの髪型がみなほとんど変わらなかったのは興味深いですね。
植野はショートカットにするかと思いましたがしませんでしたし、佐原も若干ワイルドになった程度でほぼ同じ髪型、硝子もボブにはしなかったようですし、川井も長いまま(まあこれは驚きではありませんが)、そして男性陣は、永束がボサボサ長髪にでもなるかと思いましたがうんこ頭のままで、将也・真柴も変化なしでした。
(まあ、女性陣は振袖用に髪をセットしてしまっているので詳細がわからず、普段の髪型は少しは変わったのかもしれませんが…)
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最終話、描かれた2年間での関係の変化(1)

さて、最終話の舞台は予想どおり成人式となり、第61話で描かれた高校卒業から約2年後というタイムスキップがありました。

最終話では、その2年間で起こった変化が、細かなところに描かれています。

まず最初に描かれているのは、西宮母と石田母の関係の変化です。
西宮母が石田母と「飲み友達」になっていることは第61話でも描かれていましたが、最終話では、ヘアメイクイシダで世間話をしながら髪を切ってもらうところまで親密度が上がっていました。
第1巻の番外編で西宮母が「二度とこないわ こんな店!」といってヘアメイクイシダを出ていったことを思うと、ただ店で雑談しているだけの2人を見るだけでも、感慨深いものがあります

そして次に描かれているのは、上記とも関係しますが、西宮母と硝子との関係です。
将也から、硝子の修業後の働き先を聞かれた西宮母は「私に聞かないで あの子が決めることよ」と答えています。


第62話、3ページ。

硝子の社会人としての選択に口を出さず、もはや完全に硝子を信頼して委ねていることが示されています。
考えてみると、第1巻番外編で西宮母が石田母に「二度とこないわ」と怒鳴ったのは、自分の指示よりも硝子の希望を優先したことが許せなかったからでした。
たった1つのせりふですが、西宮母の硝子に対する接し方が根本から変わっていることを示す、重要なせりふだと思います。

ちなみに、ここで西宮母が「佐原さんと植野さん」と呼んでいるところから、ビンタ合戦を繰り広げた植野と西宮母も「和解」していることが分かりますね。

そして、硝子と植野、佐原との関係にも変化が感じられます。
第61話までは、硝子と佐原、植野と佐原の間には友人関係がありましたが、硝子と植野とのあいだには明らかに溝があり、この3人が一緒に行動するという場面はほとんど見られませんでした。
それが、最終話では着付けの準備はもちろん、成人式でも3人で行動をともにし、はっきりと「3人グループ」になっていることが分かります。


第62話、8ページ。

上京後も3人が連絡をとりあってつながりが続き、親しくなっていったことが推測される描写です。

そして、いうまでもありませんが、石田家にペドロが戻ってきた、石田姉がペドロとの間の2人目の子どもを身ごもっている、という「大きな変化」もありました
(こちらについては別エントリで触れました)

マリアは幼稚園児になりました。成人式は休日にやってるはずなので、なぜ登園しているのか謎ですが、特別登校日でなにかイベントでもあるのかもしれません。
(集団登園しているのでちょっとありえないと思いますが、保育園で土曜保育なのかもしれせん)
タグ:第62話
posted by sora at 07:18| Comment(8) | TrackBack(0) | 第7巻 | 更新情報をチェックする