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2014年11月20日

最終回・定例伏線ウォッチング(3)

これまで定例記事として書いてきた伏線回収ウォッチングを、最終回ということで全アイテムについて再確認しています。
最後にサブキャラ等についての伏線をチェックして、終わりにしたいと思います。

6)真柴関連
6a)真柴と川井との関係はどうなるのか → ほぼ回収。大学になっても関係は続いているようですし、川井が見せびらかした指輪からすると、恋人関係になっていると考えてよさそうです。蛇足ですが、映画への出演を通じて、永束との親交が高校卒業後も続きむしろ深まっているのが興味深いところです。
6b)真柴は進路を変えるのか → 回収。動機が不純だった「教師志望」はやはり取り下げられ、最終話でもまだ具体的な進路を見つけられない真柴が描かれました。このまま永束専属の俳優になってしまうのでしょうか(笑)。

7)映画関連
7a)映画は完成するのか → 回収。第56話で完成しました。
7b)映画の内容 → 回収。第56話で明らかになりました。まさに「妖精が登場しファンタジー要素のある復讐劇」となりました。モノクロ無声映画で、硝子にも理解できるようにという永束の配慮が光りました。
7c)将也・硝子は映画に出演する? → 回収。第56話で確定しました。硝子は友情出演的に登場し、将也は昏睡中だったため出演できませんでした。
7d)島田の音楽はいつ使われるのか → 回収。第56話で明らかになり、第58話の選考会で再確認できたとおり、「無声」映画とはいいつつも、音楽は流れていて、その音楽を島田が担当していたことが示されています。
7e)永束はこのまま映画関係の進路に進むのか → 回収。第60話で映画の専門学校を目指すことが示され、最終話をみると相変わらず真柴や将也を使って「友情」をテーマにした映画を撮り続けているようです。

8)その他
8a)将也の病室にあるCDは「因縁のCD」なのか? → 未回収。多分関係あるはずなのですが、一切語られることなく退院してしまいました。どちらかというとコネタ扱いになってしまったようです。
8b)石田母のピアス引きちぎり事件は再度語られるのか → 未回収。第60話で東京行きを薦める石田母のコマで再度強調されましたが、それっきりでした。
8c)佐原の進路、橋メンバーとのつながりは続くのか → 回収。ファッションコンテストに優勝し、佐原は植野とともに上京し、ふたりでファッションブランドを立ち上げることになりました。忙しそうではありますが、硝子とのつながりも続いているようです。
8d)竹内が手話を覚えている理由 → 未回収。ここは想像で埋めるしかありませんが、やはり竹内は喜多と結婚したのではないでしょうか。そして、西宮祖母つながりで手話を学んだ喜多から、さらに竹内が手話を学んだ、そんな風に考えてみたいところです。
8e)喜多先生の現状、結婚・妊娠しているのか → 未回収。1つ上の竹内の伏線と同じラインにある未回収伏線だと思います。喜多先生については、いちおうこの物語の中ではほとんど唯一の、障害に対する「専門家」なので、高校編でも登場してそれなりの変化・成長を見せてほしかった気もしますが、葬式回でお辞儀して、相変わらずピントのずれた励ましのことばを硝子にかけただけでした。あと「西宮祖母とのつながり」の謎は回収してほしかったですね。
8f)広瀬の再登場、将也らとの対話はあるか → ほぼ回収。成人式に、結婚して子どももいる広瀬が登場しましたが、そこでの会話はありませんでした。ただ、最終話ラストは、その先での島田・広瀬との会話を想像させます。
8g)ペドロの再登場はあるか → まさかの完全回収。最終話で、石田家にペドロが戻ってきました。そして石田姉のお腹には2人目の子どもが。最終回のサプライズはなんとペドロだった、というオチでしたね。
8h)デラックスの再登場はあるか → 回収成人式にこっそり登場しています。あれだけ第1巻で派手に登場した割には、それ以降は何もなく、最後におまけキャラ扱いで出ただけというのはちょっと意外でしたが、デラックス−げんき君−ペドロ(もしかすると「お前のこと守る」と将也に言ったペドロは、げんき君に制裁を加えたのかもしれません)というつながりでペドロを登場させる、あるいはデラックス事件を通じてフォーカスのあたったスニーカーを結絃がずっと履いていることで「将也と結絃の友情」を描く、そういうきっかけを作るためのキャラとして描かれたのかもしれません。
8i)「鯉」による奇跡はまだ起こるのか → 回収。「橋の上の奇跡」以降は鯉が奇跡を起こした様子はなく、第61話でまるまると太った鯉が描かれました。これは恐らく「橋の上の奇跡」以降、将也と硝子は「インガオーホーの無限ループ」を抜け、そのループのないパラレルワールドに移行した、と考えられます。そのループ外の平和な世界では、えさをたっぷりもらった(魔力のないただの)鯉は、ひたすら太っていっていたのでしょう。そして最終話で、「じつは水門市の市章が鯉だった」というオチがつきましたね。


最終話で、まさかのペドロ伏線回収、というのが、この「伏線ウォッチング」の最後の衝撃でした(笑)
期待されていた、将也・硝子の告白関連の伏線回収は、あえて正面からの回収は避けられた印象ですが、ラストが希望に満ちたもので、かつ2人はすでに固く結ばれたカップルになっていたので、これで構わないな、という感じになりました。

最後に。
この作品の伏線チェックは本当に楽しかったです。
ものすごく細かいところにいろいろな伏線、謎、リフレインが仕込まれていて、それを見つけるのがこの作品の面白さを大きく引上げていたように思います。
こういった作品に出会えて、リアルタイムで伏線を追いかけて、ああでもないこうでもないと考えながら読み解くことができたことは、本当に幸運でした。
タグ:第62話
posted by sora at 07:21 | Comment(7) | TrackBack(0) | 第7巻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

最終回・定例伏線ウォッチング(2)

さて、これまで定例記事として書いてきた伏線回収ウォッチングを、最終回ということで全アイテムについて再確認しています。次は準主人公クラスです。

3)結絃関連
3a)結絃の不登校は解消されるのか → 回収。第60話でついに結絃は登校を再開し、それによって見事太陽女子に合格、最終話では女子高生となった結絃が描かれました。
3b)結絃の写真コンテストの結果 → 回収。第60話で、優秀賞を受賞しました。これがきっかけになって、結絃は登校を再開することができました。
3c)結絃は中性的な外見をやめるのか → 回収。概ね「やめない」という形で回収されています。第55話で髪のカットは硝子担当と分かり、硝子上京後は髪を伸ばすと思われましたが、実際には伸ばしませんでした。太陽女子のかつての佐原親衛隊に、中性的ルックスが支持されているのかもしれません。
3d)結絃の硝子との新しい姉妹関係は描かれるか → 回収。第6巻のなかで、これまでの「お互いがお互いの保護者のつもり」といった不自然な関係が解消され、第7巻では自然な関係が描かれていきました。

4)植野関連
4a)植野と将也との関係はどのように決着するのか → 回収。第61話でしっかりとした和解の会話がなされ、植野は未練を残しつつも「過去の将也を好きだった過去の自分」を吹っ切ることができ、未来志向になることができました。また将也は植野のことを「意味わかんねー」存在から、過去から連続した友人として再認識できたと思います。
4b)植野と硝子との関係はどのように決着するのか → 回収。いろいろありましたが、第58話で平和な関係が提示され、植野も第61話で「どうしても好きになれないけど、好き嫌いだけが関係じゃない」ということを納得し、そして最終話でも平和な関係が維持されています。ある意味「大人の関係」ですね。
4c)植野は映画撮影に参加するのか → 回収。妖精衣装のデザインが終わった後の後半は参加しませんでしたが、上映会にも選考会にもやってきて、周囲からも「映画メンバー」と認識されていました。また、この衣装デザインのおかげで、上京して夢を追いかけるチャンスが生まれました。
4d)植野の進路(東京の専門学校に進学?) → 回収。第59話でコンテスト優勝、上京が決定し、東京で佐原のファッションブランドの立ち上げを手伝う方向に。
4e)植野の中学時代はより詳しく描かれるのか。髪を切った理由は語られるか。 → 未回収。中学時代が改めて描かれることはありませんでしたが、まあ主人公の将也ですらあの程度ですし、逆に硝子についてはまったく語られていない現状を考えると、こんなものでしょう。髪が短かった理由は「中学では校則があったから(ショートカットにするか結ぶこと、的な)」が理由だと考えるのが一番自然そうですね。
4f)健脚コンビの再登場はあるか → 回収。デラックスとともに成人式にこっそり登場しています。地元のヤンキーになっていました。こういうコネタ的演出は嬉しいですね。

5)島田関連
5a)島田が中学になっても将也いじめを続けた理由 → 未回収ですが、ヒントはあります。第61話で植野から語られた内容がそれにあたるでしょう。これについては何度か考察をしていますが、島田は恐らく、実際には植野がやっていた「硝子を最後までいじめて転校させた」といういじめを、将也が続けていたと勘違いしています。それを心の底から軽蔑した島田が、中学では将也と友達だった事実自体を消し去ろうとして、将也を孤立させ続けたのだ、と考えられます。(実際には島田が中学でやっていたのは積極的ないじめというよりは間接的なハブりでした)
5b)島田の現状(高校生?バンドマン?) → 回収。第61話で、フランスでの音楽修業という進路が判明しました。高校に行っていたかどうかは不明ですが、音楽を続けながらたこ焼き屋のバイトで金を稼いで留学の準備をしていたようです。
5c)島田が現在将也に対してどのような感情を持っているのか → 未回収ですが、ヒントはあります。将也を花火大会で見かけて、広瀬に誘われて興味本位で追いかけたこと、転落した将也を助けたこと、でもそれを将也に語るなと言ったこと、映画の選考会で島田の方から語りかけたこと、植野に「おせっかいはやめろ」と語ったこと、かつての「ショーヤ」呼びが「石田」呼びに変わっていることなどから、中学校までの「憎しみ、軽蔑」という感情は消え、いまは懐かしさを感じる程度の「かつての友人」といった認識になっているのでしょう。島田にとって将也は過去の人間であり、今さら和解することにも関心はなさそうです。
5d)島田は映画撮影にどう関わってくるのか → 回収。純粋に音楽提供だけで終わったようですが、永束がフランス留学のことを知っていたことから、映画つながりで永束と島田の関係は意外に続くのかもしれません。
5e)島田と将也の再対面、対話はあるのか → 回収。第58話で実現しました。お互いはお互いにとって過去の人に。ただ、将也はまだ思うところがあるようで、最終話で「その先」を想像させる終わり方になりました。


このエントリで振り返ったのは、結絃、植野、島田に関する伏線です。

こうやって整理してみると、やはり相対的に、島田に「謎」が多く残ったままのエンディングとなっていることが分かります。
とはいえ、島田の言動の謎についても、それを解くためのさまざまなヒントが随所に織り込まれているので、「恐らくこうだったのだろう」ということは十分推理して楽しめるようにはなっていると思います。

結絃、植野については、第7巻に入ってから怒涛のような伏線回収が行なわれた印象です。
タグ:第62話
posted by sora at 07:21 | Comment(5) | TrackBack(0) | 第7巻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

最終回・定例伏線ウォッチング(1)

さて、いよいよ聲の形はエンディングを迎えました。
回収された伏線、されなかった伏線、「なんでこれがこんなにガチで回収されるんだよ」という伏線(まあ、ペドロのことですが)、「回収されたことにするべきかな」という伏線、いろいろありますが、今回は完結したということで、個々の伏線を本格的に整理しておこうと思います。

1)将也関連
1a)将也は硝子への恋心を伝えられるのか → ほぼ回収。結局はっきりしたのはありませんでしたが、既に恋人関係になっているので結果オーライ。
1b)将也は硝子に過去の過ちを謝罪するのか → 回収。第54話で謝罪。
1c)将也は硝子の自殺の理由を理解するのか → 回収。第54話の会話で硝子が説明しています。
1d)将也はガーデンピックのことを硝子に聞けるのか → 回収。第61話でようやく聞けましたが…そこはその質問じゃないだろ!(笑)
1e)将也がつけていた×は外れるのか(植野・島田以外、モブ)→ 回収。第57話で外れました。
1f)将也がつけていた×は外れるのか(植野・島田)→ 回収。第58話で島田の×も外れていることが確認できました。
1g)将也は小学生時代への幻想から卒業できるのか → 回収。第58話で島田と会っても動揺しなかったことに加えて、第61話での植野との会話、さらにラストでのモノローグと、何度も語られました。
1h)将也は自己嫌悪を克服し前向きに生きられるようになるのか → 回収。第7巻はすべてそのための物語であったといってもいいと思います。
1i)将也の進路(もともと明確な希望がなかったが?) → 回収。第61話で、将也も硝子と同じく理容師を目指すことが示されました。

2)硝子関連
2a)硝子は将也への恋心を伝えられるのか → ほぼ回収。将也と同じく、はっきりした再告白はありませんでしたが、もう結果的には恋人になっています。
2b)硝子と石田母との会話(三者会談?)はあるのか → 未回収。やはり大人が問題解決には登場しない作品でした。でも、石田家・西宮家が相互に相手を受け入れる状態になっているので、「問題としては」解決・回収されています。
2c)硝子は自身の障害を前向きに受け入れられるか(呪いの解消は成るか) → 回収。こちらも将也と同じく、第7巻はそのための巻だったといえると思います。第54話で大きな進展があり、第57話以後は解決したと言えるでしょう。
2d)硝子の進路(ヘアメイク関連に進むのか?) → 回収。第59話で具体的な上京の話が出てきて、最終話では既に就職先を探す段階にまできています。
2e)硝子の補聴器が片耳だけになっている理由 → 未回収。これは完全に謎として残ってしまいました。可能性としては、既に右耳については補聴器が役立たないくらいの難聴だったけれども、西宮母が意地でつけていた、それが池ダイブで壊れてしまって、硝子のほうから「もういらない」と言って買い換えなかった、といった感じでしょうか。「右耳の聴力が著しく悪い」ということは、「単行本版の」第6巻硝子回で描かれています(マガジン連載時はよく分かりませんでした)。
2f)小学生の硝子がなぜ将也と友達になろうとしたか → 未回収ですが、ヒントはあります。硝子はあの頃、妹のためにも、自分が普通であることを証明してクラスに参加したかったことが分かっています。一方で将也が拾ったノートに悪口が書き込まれていたことからして、既にこの時点で硝子は将也のいじめとは無関係にクラスで孤立し迷惑がられていたことも分かっています。こういった状況から判断して、硝子はいじめっ子であっても自分とまだ関わろうとしてくれている将也に対して、これまで続けてきた「普通になる」ことの最後のチャレンジとして、将也と友達になろうとしたのではないか、ということです。実際、それが拒絶されたことで、硝子は死にたくなるくらい絶望したわけですから。
2g)小学生の硝子が「死にたい」から立ち直った経緯 → こちらも未回収ですが、ヒントはあります。硝子がこのとき「諦めた」ことは、「クラスに溶け込んで普通になる」ことだったはずです。そして、学級裁判の示談シーンで将也が見かけた硝子は鳩にエサをやっていて、再会したときには鯉にえさをやっていて、手話サークルでは花の本を読み、将也へのプレゼントはガーデンピックでした。つまり、硝子は「死にたい」のところから、ヒトと関係を作っていくことを諦めた代わりに、花や動物とかかわることによって精神的に立ち直った可能性が高いのではないか、と思われるわけです。そして、「鳩にエサ」のシーンで大きく「しょうこ」と刺繍されたポーチを持っているところから、この「立ち直り」には、西宮祖母のサポートが大きかったのではないかとも推測されます。
2h)硝子転校後も将也が孤立していたことを硝子は知ることになるのか → ほぼ回収。小中での孤立は植野が観覧車回で語り、高校での孤立は将也が第56話で伝えました。


まずは主人公である将也・硝子関連の伏線の確認ですが、いくつか謎は残されているものの、さすがに主人公格だけあって相当ていねいに伏線回収されていることが分かります。

このなかでは、もっとも「謎」として残されたな、と私が感じるのは「補聴器が片方になった謎」ですね。これだけは、いろいろ考察しても、いまのところはっきりした答えが見出せていません。
タグ:第62話
posted by sora at 07:20 | Comment(8) | TrackBack(0) | 第7巻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする