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2014年11月03日

第59話、硝子の手話を読み解く(未完成版)

さて、第59話では、第54話に続き、硝子の重要なメッセージが「手話のみ」で示されて、何を言っているのか手話を解読しないと分からない、という展開となっています。

そこで今回も、手話辞典をむりやり逆引きしながら(要は試行錯誤)、分かる範囲で調べてみました。

2ページ:お疲れさま〜!
(5コマめ「苦労」)

6ページ:うらやましいなあ。
(1コマめ「うらやましい」)


第59話、6ページ。

https://cgi2.nhk.or.jp/signlanguage/enquete.cgi?dno=675
うらやましい

9ページ:理容師になりたい。
(1コマめ「理容師」、ただし将也は「美容師」と誤読してます)

11ページ:どっちにしようか、迷ってます。
(2コマめは「分ける」?、3コマめは不明、4コマめは接尾辞で「です」。3コマめは両手がハサミなので、地元と東京、どちらで理容師を目指すか迷っているという意味で強引にとらえてみました。)


第59話、11ページ。

https://cgi2.nhk.or.jp/signlanguage/enquete.cgi?dno=7374
分ける

14ページ:もう、うっとうしいなあ! だから困ってるのに!
(3コマめ「わずらわしい」+「関係」または「だから」「だから」+「わずらわしい」)

※第62話と同時掲載された作者インタビューで「正解」が出ましたので修正しています。(11/19)


第59話、14ページ。

https://cgi2.nhk.or.jp/signlanguage/enquete.cgi?dno=1263
わずらわしい

今回は、11ページの3コマ連続の手話が猛烈に難しいです。
ここで「東京に行きたい」と言っているのか「どちらにするか迷っている(必ずしも東京に行きたいとは言ってない)のかで、だいぶニュアンスが違うと思うのですが、まだはっきりとは分からないですね(今回は「迷ってる」で訳していますが…)

あと、佐原が4ページで、将也が6ページで硝子の「うらやましい」のあとでやっている、両手をそれぞれL字型にする手話は「東京」ですね。

https://cgi2.nhk.or.jp/signlanguage/enquete.cgi?dno=6597
東京
タグ:第59話
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第59話、硝子はなぜ進路を語るのを照れていたのか?(3)

硝子は、自身が目指していた「理髪師」という将来の夢と、いまや誰よりも大切な存在となった将也の「生きるのを手伝う」という役割が交わる究極の未来の夢として、「理髪師として一人前になって、将也と互いに支え合って生きていく」ということを考えている可能性が高いと思います。

ただ、現時点での硝子を冷徹に評価するならば、その「夢」にたどり着くには、「一人前の理髪師になる」という前半の部分について、まだまだ頑張らなければならない段階に留まっていると言わざるを得ません。

その「至らない部分」を具体的に言うなら、

a)硝子はまだ理容師の資格を取れていない。

b)硝子には障害があり、お客との意思疎通等でハンディキャップがある。

c)ヘアメイクイシダは現状では理容師は1人いれば十分で、付加価値がつけられなければ硝子がもう1人追加で入る余地がない。


といった課題をクリアする必要があるわけです。

そして、これらの問題をクリアするためのカギとなっていそうなのが、先ほど並べたポイントの5番目である、

1)硝子は将也から「生きるのを手伝ってほしい」と言われて、それを心から承諾している。
2)将也の自宅が理髪店であり、石田母こそが自分が理容師を目指すきっかけになった憧れの理容師だったことを、硝子は将也昏睡中に気づき、将也退院後に石田宅を訪れて確信した。
3)石田母の経営するヘアメイクイシダは、石田母一人で切り盛りしている零細理髪店である。
4)硝子はいまの高校の理容科を卒業しただけではまだ理容師資格が取れていないようで、資格取得は卒業後、実務経験を積んだうえで取得という流れらしい。
5)硝子の理容科での成績は優秀で、硝子が尊敬する東京の先生から修業に来るよう誘われている。


ということになります。
これによって、

a)理容師の資格は取れます。
b)先生も聴覚障害者だということで、障害を持ちつつお店で働くためのノウハウを得ることができます。
c)特に優れた技術を身につけることで付加価値を生み、それによってお客様の数を増やしてヘアメイクイシダの「2人目の理容師」としての居場所を作り出せるかもしれません。


という風に、すべての課題の解決が見えてくるわけですね。

恐らく硝子は、このあたりまで考えて、「上京して理容師としての腕を磨く」ことを選ぼうとしているのだと思います。

だから、硝子の頭の中では、「将来、理容師になる」ということは「将来、将也と一緒になる」ということに限りなく近く、それを将也に告げることはほとんどプロポーズするようなものだと感じているのではないかと思います。

だからこそそれを語るときに真っ赤になったのでしょうし、それを頭ごなしに否定されて、ショックで怒って帰ってしまったのだと思います。


第59話、14ページ。
タグ:第59話
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第59話、硝子はなぜ進路を語るのを照れていたのか?(2)

第59話で、硝子は将也に「理容師」という将来の夢を語ることを非常に恥ずかしがりましたが、それは単に「石田母に憧れて理髪師を目指している」という経緯を恥ずかしがっているだけとは思えません。

やはり、硝子にとっての進路の選択のなかに、表面的な内容以上の意味や思いが込められていた、と考えるほかないのではないでしょうか。

ここで考察にあたって考慮すべきポイントは、下記のようなことでしょう。

1)硝子は将也から「生きるのを手伝ってほしい」と言われて、それを心から承諾している。

2)将也の自宅が理髪店であり、石田母こそが自分が理容師を目指すきっかけになった憧れの理容師だったことを、硝子は将也昏睡中に気づき、将也退院後に石田宅を訪れて確信した。

3)石田母の経営するヘアメイクイシダは、石田母一人で切り盛りしている零細理髪店である。

4)硝子はいまの高校の理容科を卒業しただけではまだ理容師資格が取れていないようで、資格取得は卒業後、実務経験を積んだうえで取得という流れらしい。


第59話、10ページ。

5)硝子の理容科での成績は優秀で、硝子が尊敬する東京の先生から修業に来るよう誘われている。


1)と2)から導かれる「ロマンチックな」結論として、硝子が究極の夢として、ゆくゆくは将也と一緒になって、ヘアメイクイシダの跡継ぎになって頑張りたい、という気持ちを持っているのは自然なことだと思います。
(もちろんそれは、「そうなれたらいいなあ」と漠然と夢見ているということであって、いまの時点でそれを「自分の側が決める進路」として硝子が考えていたり「主張して」いるということではありません。)

ただ、ここで問題になってくるのが、3)と4)です。
硝子はまだ理容師資格を持っておらず、理容師として石田母を手伝うことができません。
さらに、石田母ひとりで回っている程度の規模のヘアメイクイシダにただ入ってきても、端的に「余剰労働力」になってしまうのが現実でしょう。リアルの世界でも、理髪店は1000円カットなどに市場を侵食され厳しい状況です。
さらに硝子は、そういった「厳しい状況」のなかでは、自身の障害が問題になってくる恐れがあるという自覚もあるかもしれません。硝子は、自分が(憧れの存在でもある)石田母にとっての足手まといになってしまうような事態だけは、絶対に避けたいと考えるに違いありません

硝子は、「夢」を実現するために、まだまだやらなければならないことがあるという自覚があるのではないかと思います。
タグ:第59話
posted by sora at 07:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 第7巻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第59話、硝子はなぜ進路を語るのを照れていたのか?(1)

第59話後半の硝子と将也の会話で、将也から進路を聞かれた硝子は、顔を赤くして恥ずかしがり、照れながら「話したくない」と将也に告げます。
そして、それでも教えろと食い下がる将也に対して、顔をさらに真っ赤にして何度も逡巡たあと、ようやく「理容師」という手話が出てきました。
(なお、この硝子の手話を、将也は「美容師」と誤読してしまいますが、その点については別エントリで書いたので、ここは硝子視点で「理容師」のほうで考えていきます。)


第59話、8ページ。

でも、考えてみると不思議なことですよね。
「理容師になりたい」という夢を語ることが、そこまで恥ずかしいことだとは普通は考えられません

では、なぜ硝子は、理容師になりたいという夢を語ることを、そこまで恥ずかしがったのでしょうか?

まずは、これまでの経緯をふまえつつ、できるだけ前提を置かない形で素直に考えると、

1)硝子が目指している目標が、将也の母親の職業と同じだから。

というのが、硝子が照れている理由の一番の根っこにある、と考えられると思います。

第59話のやりとりで注目すべきなのは、「理容師」という単語を示すこと、それ自体を硝子がものすごく恥ずかしがったということです。
つまり、「理容師」という単語を出すだけで将也に伝わってしまうこと、そのことを硝子はまず恥ずかしがっていたと考えるべきだろうということです。
そうでなければ、理容師と伝えるときは平気で、理由を聞かれたら恥ずかしがる、といったように「恥ずかしがるタイミング」が違うはずです。

そう考えると、やはり石田母の職業との関係をまず考えるのがよさそうです。

硝子の夢が、自分の母親と同じ。
それを知った将也は、なぜ硝子が自分の母親と同じ仕事を目指しているのか、それは偶然なのかそうでないのかということに興味をもつだろうと硝子は考えるでしょう。
それを聞かれたら、硝子はさらに、小学校のときのヘアメイクイシダでの思い出から、理容師の憧れが芽生えて理容師を目指すようになったことを話すほかなくなります。


第55話、15ページ。

つまり、将也に対して自分の進路をはなすことは、そのまま「あなたのお母さんに憧れて理容師を目指している」ということを話すことになる、そのことを硝子はまず恥ずかしく思っていたんだ、ということが考えられるわけですね。

…ただ、それだけなのでしょうか?
硝子は、単に将也の母親に憧れて理容師を目指しているという話をするだけで、そこまで恥ずかしがるでしょうか?

たぶんそうではなく、

2)硝子の照れには「それ以上」のものが含まれていた。


と考えるほうがいいでしょう。
次のエントリで、その点について考えていきたいと思います。
タグ:第59話 第55話
posted by sora at 07:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 第7巻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする