2014年09月22日

第53話 改訂版・伏線回収ウォッチング

しばらく続けてきた伏線回収ウォッチングの定点観測記事ですが、エンディングまであと1巻分を残すのみとなり、ちょっと現在のリストが古くさくなってきているので、思いきって整理して、分かりやすいものに直してみることにしました。

これまでのリストに載っていた伏線で未回収のものは概ねカバーされていますし、それ以外で、リスト作成後に登場した伏線も追加し、全体を整理しています。

こうやって一覧にしてみると、いまの時点でどういったポイントがオープン(まだ結論が出ていなくて、「答え」待ち)なのかがよく分かりますね。

1)将也関連
1a)将也は硝子への恋心を伝えられるのか
1b)将也は硝子に過去の過ちを謝罪するのか
1c)将也は硝子の自殺の理由を理解するのか
1d)将也はガーデンピックのことを硝子に聞けるのか
1e)将也がつけていた×は外れるのか(植野・島田以外)
1f)将也がつけていた×は外れるのか(植野・島田)
1g)将也は小学生時代への幻想から卒業できるのか
1h)将也は自己嫌悪を克服し前向きに生きられるようになるのか
1i)将也の進路(もともと明確な希望がなかったが?)

2)硝子関連
2a)硝子は将也への恋心を伝えられるのか
2b)硝子と石田母との会話(三社会談?)はあるのか
2c)硝子は自身の障害を前向きに受け入れられるか(呪いの解消は成るか)
2d)硝子の進路(ヘアメイク関連に進むのか?)
2e)硝子の補聴器が片耳だけになっている理由
2f)小学生の硝子がなぜ将也と友達になろうとしたか
2g)小学生の硝子が「死にたい」から立ち直った経緯
2h)硝子転校後も将也が孤立していたことを硝子は知ることになるのか

3)結絃関連
3a)結絃の不登校は解消されるのか
3b)結絃の写真コンテストの結果
3c)結絃は中性的な外見をやめるのか
3d)結絃の硝子との新しい姉妹関係は描かれるか

4)植野関連
4a)植野と将也との関係はどのように決着するのか
4b)植野と硝子との関係はどのように決着するのか
4c)植野は映画撮影に参加するのか
4d)植野の進路(東京の専門学校に進学?)
4e)植野の中学時代はより詳しく描かれるのか
4f)健脚コンビの再登場はあるか

5)島田関連
5a)島田が中学になっても将也いじめを続けた理由
5b)島田の現状(高校生?バンドマン?)
5c)島田が現在将也に対してどのような感情を持っているのか
5d)島田は映画撮影にどう関わってくるのか
5e)島田と将也の再対面、対話はあるのか

6)真柴関連
6a)真柴と川井との関係はどうなるのか
6b)真柴は進路を変えるのか

7)映画関連
7a)映画は完成するのか
7b)映画の内容
7c)将也・硝子は映画に出演する?
7d)島田の音楽はいつ使われるのか
7e)永束はこのまま映画関係の進路に進むのか

8)その他
8a)将也の病室にあるCDは「因縁のCD」なのか?
8b)石田母のピアス引きちぎり事件は再度語られるのか
8c)佐原の進路、橋メンバーとのつながりは続くのか
8d)竹内が手話を覚えている理由
8e)喜多先生の現状、結婚・妊娠しているのか
8f)広瀬の再登場、将也らとの対話はあるか
8g)ペドロの再登場はあるか
8h)デラックスの再登場はあるか
8i)「鯉」による奇跡はまだ起こるのか


この後、この新しいリストに基づいて、「伏線回収」について考えていけたらと思っています。
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posted by sora at 07:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 第7巻 | 更新情報をチェックする

第53話、口ゆすぎシーンはやはり植野回と関係している?

コネタです。

第53話で、病室を脱走する将也が、乾いた口を病院の手洗い場?でゆすぐシーンがあります。


第53話、10ページ。

よく見ると、ここで「ゲホ」「オエ」って言っています。

「ゲホ」はともかく、「オエ」ってのは相当ですね。
このシーン、植野回での植野の行動を思うとなかなか味わい深いものがあります。

まず、将也が意図してやっているとは思えませんが(逆に作者はわざとやってる感じがしますが)、この行為は結果として

硝子と会いに行く前に身を清める行為になっている。

ということがいえるのではないでしょうか。

将也は昏睡を続ける間に、植野に(おそらく毎日のように)キスをされていたわけですが、目覚めた将也はそれを「ゲホ」「オエ」と一刀両断し、しっかり口をゆすいで「清めて」から、硝子に会いに行く形に(結果として)なっています。
目覚めの第一声が「にひみやっ!」だったこと、目覚めてからひたすら硝子のことしか考えていないこととも合わせて、植野が植野回で嘆いた「目覚めたら(将也は私を)選ばない」という予想が、はっきりと当たってしまった展開になっているとも言えますね。

そしてもう1点、これは逆に植野にとってプラス?の話ですが、

植野がキスした将也の口は臭かっただろうな、

と思います。

栄養点滴を受けていて経口で食事も水もまったくとらず、起きたときにことばがまともにしゃべれないくらいパサパサに乾燥した将也の口は、口臭がものすごいことになっていたと思われます。
もちろん1日1回くらいは看護師による清掃もあるのでしょうが、それにしても、シンプルに唾液が乾燥しただけの臭いでも相当すごいことになるのは間違いありません。

そんな将也に対して、繰り返しキスをしていた植野もまた、将也に対する想いは誰にも負けないくらいのものなのでしょう。
普通はこれくらいの年頃であれば、こういう衛生面に対してものすごく潔癖なのが当たり前でしょうから、それでもキスをやめなかったというのは相当な思い入れがゆえだと思います。

まあ、だからと言って植野の行為がそれで正当化されるものではないとは思いますが…。(^^;)
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第53話、将也にとっての「硝子の夢」の意味を考える(4)

さて、将也が「硝子と同じ夢」を見た意味の考察としては、前エントリまででいったん終わりですが、この「夢」について、よく考えると実はもう1つ、将也にとって非常に重要な「意義」があることに気づきます。

それは、

将也が初めて「硝子との小学生生活」を回想したシーンになっている。

ということです。

将也のこれまでの「小学生時代の回想」を振り返ってみると、

1)第3巻で佐原のことを思い出した場面。
2)第3巻で永束に植野のことを話している場面。
3)第3巻ラストで「あー殺したい 昔の自分…」と考えている場面。
4)第4巻で島田の顔を見て島田のことを思い出している場面。


くらいですが、はっきりした特徴があります。

まず、硝子がまったく登場しません

実は1)にはちょっとだけ登場しているのですが、あくまで「佐原が硝子と仲良くしたためにいじめられ不登校になった」ということを説明するためだけにチョイ役として登場しているだけで、将也自身の思い出として登場しているわけではありません。

そして、2)や4)では、小学校時代の楽しい仲間たちとの思い出のシーンがたくさん登場するのですが、ここでは硝子の姿は影も形もありません。

一方、実は3)でだけ、「硝子と関わっていた小学生時代の自分」が将也の回想のなかに登場しているのですが、


第3巻176ページ、第23話。

登場したらいきなりナイフで刺して殺しています

これらの回想からはっきりわかることは、

将也が、「かつての島田らの仲間との楽しい小学生生活」と「硝子をいじめた小学生生活」をはっきりと切り分けて、それによって前者を聖域のように守り、後者を徹底的に否定しようとしてきたこと。

です。

実際には、これらの2つは重なっているわけですし、「島田らとの楽しい生活」が壊れてしまった原因の1つは、(恐らく)硝子いじめを当時の将也が反省せず、学級裁判で島田らにも罪をかぶせようとした身勝手さが島田の逆鱗に触れたことだったりするわけですが、これまでの将也には、この2つを一緒に考えるだけの精神的な余裕がありませんでした。

それが今回、初めて「島田らとの楽しい生活」の場面の中に、硝子が登場してきました。
別の言い方をすると、小学生時代の硝子が初めて「仲間」として将也のイメージの中に登場したわけです。

まだその内容は、「耳が聞こえる硝子がいじめられずに仲間の中にいて、将也とも一緒に遊んでいる」という、事実とは似ても似つかない状況での「夢」での登場に留まってはいますが、それでも、硝子を小学生時代の仲間(クラスメート)として位置づけることができたことは、将也にとって大きな成長だと言えるのではないでしょうか。

しかも、この「夢」は、硝子単体ではなく、「かつての仲間がずっと成長してもそのまま続く」という幻想と「一緒に」、乗り越えるべき幻想として否定されていきます。

障害とか難病でもそうなのですが、何か向き合うのが難しいものに直面したときの対応は、「否定(ないものと考える)」から始まって、「敵対」「克服の対象としてみる」に進み、最後に「受け入れる」に進みます。
将也はようやく「硝子に対する過去の過ち」について、「否定」から「克服の対象」に進んできたように見えます

これで、第43話での決意、「硝子への謝罪」の下地が、ようやくできたと言えます。
第54話以降では、「伝えたいこと」として将也の謝罪があり、それを硝子が赦すことで将也がようやく過去を「受け入れ」て、「卒業」していく流れが見られることを期待しています。
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posted by sora at 07:35| Comment(2) | TrackBack(0) | 第7巻 | 更新情報をチェックする