2014年09月12日

第52話、硝子の橋の上での移動経路を考える(2)

前エントリからの続きです。
下の図表を見ながら解説していきます。


(クリックで拡大します)

上図で(x,y,z;画面外)から(a)を経由し、第52話の4ページで、硝子は橋にたどり着きます(b)。
このとき、当然ですが硝子は橋の北側にいます。ページは5ページに移ります。

なお、ここから、硝子自身の移動と、硝子の「視線移動」が混在してきます。
硝子自身の物理的な移動は「a,b,c…」というアルファベットで、硝子の「視線」の移動は「1,2,3…」という数字で表します。


5ページ。

そして、ここから橋の中央に向かいつつ(b→c)、橋中央の東側の出っ張り(1)(花壇と岩あり)、橋の南端(2)(いつもならトラックがあるが今回は深夜であるせいかその場所が空きスペースになってる)、橋中央の西側の出っ張り(3)(花壇も岩もなし)と、ぐるりと周囲を見回し、(c)の位置を通過したあたりで滝と鍵盤の橋を見つめて(4)、ここで橋の中央の出っ張り、東側(花壇あり)の手前(d)に到着します。ここまでが5ページ。

6ページで、硝子は橋の東側の出っ張りの中央(e)に立ちます。


6ページ。


第52話、6ページ。上図の「e」の位置に該当します。

ここで正面を向いた硝子は、何を見ていたのでしょうか。
この橋の東側の中央からは、正面に例の鍵盤のある橋、少し右を向けば手話サークルの入っている福祉会館が見えます。
第51話の夢の続きで来ていると考えると、「福祉会館を見ていた」と考えるのが美しいかな、と思います。

そして、ひとしきり泣いたり過去の回想にひたったりしたあと、12ページまで進んで、周囲に将也の姿を探し始めます。


12ページ。

まず、(e)の位置のままで後ろを振り向いて橋の南端(5)、続いていま来た橋の北端(6)を見ます。
そして、もっと他のところを探そうとばかり、来たのとは反対の橋の南側(f)まで移動します。


「f」のコマに対応する写真。

ここから13ページになります。


13ページ。

先ほどの橋の南端、(f)の位置に立ったまま、硝子はまず東側を見て(7)(右側に見えるのはトラックがいつもある工場のトタン外壁です)、次に西側を見ます(8)。


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「7」の視線に対応するストリートビュー。視点を反対に回すと「8」の視線も見れます。


「7」の視線に対応する写真。


「8」の視線に対応する写真。

橋の南側を見るも、やはり将也がいないということで、とぼとぼと橋の中央に戻ってきます(f→g)。

そして、14ページに移り、


14ページ。

橋の中央、同じく東側(g)(花壇あり)に戻ってきた硝子は、そこに膝を落として泣き崩れるわけです。

そして最後に、15ページになりますが、


15ページ。

鯉の視点から見える時計塔は、橋の下、橋よりわずかに東側から、北北西の視点で時計台を見上げている(9)構図ということになります。


ちょうど、「滝」のある場所から(図表でいうと7のマークがあるあたり)見た時計台。

以上の考察から、硝子は北側から橋にたどり着き、橋のうえであちこち移動していただけで、一度着いたあとは橋から移動しているわけではないことがわかりました。橋の南側にいちど行ったのは、橋の近くの道に将也がいないだろうか、と探さずにはいられなかったからだ、ということになろうかと思います。

橋から出たり戻ったりということはないと判断できますので、その部分について、たとえば「病院に行こうとしてあきらめたのでは?」といった考察は不要だと思われます。
ラベル:第52話
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第52話、硝子の橋の上での移動経路を考える(1)

第52話では、硝子は深夜にいつもの「橋」に行き、橋の上で泣きながらあちこちをうろうろしています。

途中で、いったん橋から離れてまた戻っているように見えるシーンもあり、硝子が橋の上でどのような移動経路をとったのかを考察するのは、少し意味がありそうだと思ったので、調べてみました。

全体像を示す図表が、こちらになります。


(クリックで拡大します)

この考察にあたって非常に役に立つのが、ストリートビューと、「橋の縁に沿って設置されている花壇?」です。

この橋ですが、片側の縁にだけ花壇があって、観葉植物が植えられているんですね。(ニチニチソウかな、と思いましたが花がまったく咲いてないので違うでしょう)


橋を南側から。東側(右側)にだけ、観葉植物が植えられていることに気づきます。

以下、モデルになったリアルの橋の方角に合わせて語ります。

この「橋」は南北方向にかかっていて、橋の東側の縁には花壇があり、西側の縁にはありません
点字ブロックが橋の中央、やや東にずれた位置を走り、南北に縦断しています
そして、中央の出っ張ったところの東側(花壇があるほう)には、東南の角に座れそうな岩がおいてあります
橋の東側には、例の鍵盤のついた橋と、第4巻でセーラー服結絃が泣いていた滝?があり、橋の北北西側に最後に出てくる時計塔?がある、という位置関係ですね。手話サークルの入っている福祉会館は、橋の南東の位置にあります。

第51話で小学生将也が「じゃーな 西宮」と告げた背景に写っているトラックは、橋の南側にあり、そのトラックに向かって左側(東側)は工場のトタン塀が続いています。

以上を踏まえて、第52話の硝子の足取りを追ってみます。
1ページの1コマめから、橋までの足取りは、下の地図のようなルートだと思われます。


(クリックで拡大)

まず1ページめ。ここだけ、橋からかなり離れています。(橋まで約700m)


1ページ。

vは、「橋」から北にずっと650mほど離れた八幡神社(天満宮)の脇の水路です。(情報いただきました。ありがとうございます!)


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「v」に対応する写真。

そして、2つ後のコマ「w」で八幡神社の前を通過していきます。


「w」に対応する写真。

次に、2ページです。ここからは、「橋」のすぐそば(北側)になります。


2ページ。

まず、硝子は「橋」の北側から、橋に向かって走っていきます。ストリートビューによると、橋の北側、点字ブロックが始まる手前の交差点に、硝子が走ってきたコマと同じ場所があります。


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「x」に対応する写真。

「x」のコマは上記のストリートビューのポジション、交差点の手前に見えている緑色のレンガっぽい部分が、「y」のコマで写っているレンガっぽい部分、


「y」に対応する写真。

そして「z」のコマでは、この交差点を南方向に渡って、橋に続く点字ブロックのある生活道路に入っています。


「z」に対応する写真。

そしてここから3ページに入ります。


3ページ。

また、ここから先の図表上に場所を実際に表示しています。橋の北の道(a)を南の方向に走ってきて、


「a」に対応する写真。

橋にたどりつきます(b)。ここから4ページに入ります。


4ページ。


第52話、4ページ。「b」のコマ。


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「b」に対応する写真。

橋について以降の動線については、次のエントリで書きたいと思います。
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第52話、将也はすべてを「覚えている」のか?

さて、第52話で、もっとも大きく進んだ展開としては、やはり「ついに将也が目覚めた」ということでしょう。


第52話、18ページ。

目覚めた瞬間に「にひみやっ…!」と、硝子の名前を呼んでいますから、心配された記憶喪失の展開も無事回避されてひと安心…。

と、安心していいのでしょうか?(笑)

上げて落とす展開が大好きな大今先生の作風を考えると、このせりふでもって記憶喪失展開が完全回避されたとは、まだ断定できないんじゃないか?と思っています。
そもそも、「にひみやっ…!」と叫ぶ前の妙な「… …」の間は、何らかの状況認知の混濁を表現しているように思われます。

実はやっぱり記憶喪失でした、という展開も含めて、目覚めた将也が「何かを失っている」という可能性は、まだまだ残っているように思うのです。

1)やっぱり記憶喪失。
 「西宮!…って、誰だっけ?」と、西宮のことをすべて忘れていた。(つまり、記憶が硝子転校前まで退行してしまった)
 そして、ただ1つ覚えている「西宮」という名前に、なにか重要な意味があるような気がして、その名前を繰り返す将也だった…。

2)やっぱり記憶喪失。
 橋で再会する直前まで記憶が退行した将也は、目覚め直後で記憶が錯乱していた。
 「そうだ、やっと西宮の居場所が分かったんだった…。あそこの福祉会館…。」
 そうつぶやきながら、勝手に病院を抜け出し夜道をさまよった将也は、あの橋のところで硝子と奇跡の再会を果たす。
 「西宮…ひさしぶり。5年ぶりだな」(橋の上の奇跡)

3)構音障害もしくは何らかの脳障害。
 目覚めた将也が叫ぶ「にひみやっ」は「し」が「ひ」に訛っていますが、これは鼻にチューブが入っているから、と一応説明できます。
 でも、実際に鼻をつまんでしゃべってみると分かりますが、鼻が使えなくて「にしみや」としゃべったとき、発音しにくいのは「に」でああって「し」ではありません。むしろ「いしみやっ」となるほうが自然です。
 なのに「にひみやっ」となっているのは、何らかの構音障害か、脳障害が残ってしまったことを示唆しているのかもしれません。

4)手話を忘れる。
 転落時の頭部へのショックで、せっかく覚えた手話を忘れてしまい、これから筆談でしか話せなくなった(しばらくは腕も痛めてるから筆談もできない)。

5)単なる腕のケガ。
 転落時のケガで、腕が動かないため、しばらくは手話も筆談もできない状態に。

とりあえず、5)くらいのディスアドバンテージは出てきても全然おかしくない(というか、読んでいるこちらもたぶん驚かない)かな、という気はしています。
また、次回のサブタイ煽りが「橋の上の奇跡」になっていて、これを信用して、かつ、オカルト展開にしないとなると、将也が橋に向かわないとつじつまが合わなくなりますが、もしそうだとすると2)みたいな展開の可能性ももしかするとあるかもしれません。(個人的にはないと思ってますが…。そのあたりは次のエントリで。)
ラベル:第52話
posted by sora at 07:05| Comment(2) | TrackBack(0) | 第6巻 | 更新情報をチェックする