2014年09月08日

第51話で、またもやフラグが補強されたこととは?

さて、第51話にはさまざまなネタや謎がちりばめられていますが、そのなかでもはっきり見せてきたな、と思わずにはいられないのが、

硝子が石田母に憧れてヘアメイク系の仕事を目指している(=石田家の跡継ぎになる?)

というフラグです。
これまでも、下記のようにさまざまなフラグが提示されてきたわけですが(こちらのエントリも参照してください)、

1)石田母とぶつかったとき、ヘアメイク雑誌を持っていた。
2)石田母の顔を初めて見たとき、驚きの表情をみせた。
3)植野がデザインした、難しそうな「妖精のヘアスタイル」をさっと仕上げて植野にほめられた。
4)西宮祖母が「硝子は自分の道を決めてる」と発言している。
5)小学校時代に硝子がヘアメイクイシダで、自分の希望通りの髪型にしてくれたとき、石田母に向かって満面の笑みを返している。


これらの「既存フラグ」に加えて、今回さらに2つのフラグが追加されました。

6)硝子がヘアメイクに興味をもっていたのは小学校の頃にさかのぼる、ということが描写されている。


第51話、10ページ。

さらに、ここでは美術系の方向に進学していく佐原とのつながりも示されていることから、今後の進路選択(ヘアメイク系の進路にすすむ)にもいい影響を与えそうです。

7)硝子が夢見る「理想の世界」のなかでの髪型が、石田母がカットしてくれたボブカットになっている。一方で結絃の髪は長いまま。


第51話、11ページ。

これは、「あの日」のイベントのうち、結絃の髪切りイベントは自分の障害のせいで起こった「なかったら良かったのにと思っているイベント」であるのに対して、その髪切りイベントの遠因ともなっているはずの同日のヘアカットについては「楽しい思い出」として整理されている、ということを示しています。


どうやら、少なくとも硝子が高校卒業後に目指している進路が「ヘアメイク系」であることは間違いないようですし、それを目指すきっかけになったのが、石田母に希望通りの髪型にしてもらえたあの日のイベントだったこともほぼ確実になってきたように思います。

これはますます、今後に控えているであろう「硝子・将也・石田母の三者面談」でのやりとりが楽しみになってきますね。
そして、描かれることになるかどうか分からない、硝子の「将来」ですが、やはりヘアメイクイシダの後を継ぐことになるのでしょうか?(^^)
タグ:第51話
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第51話と同号に掲載されている作者インタビューでまたまた伏線回収!

第51話が掲載されている「週刊少年マガジン」2014年第40号には、本編以外に大今先生の3ページにわたるロングインタビューが掲載されています。(かなり分かりにくい場所にあります。246~248ページです)

こちらは、これから漫画家を目指す人たちに対して、大今先生が駆使している演出面のテクニックを「構図」「コマ割り」「小道具」の3つのポイントから解説するという、大変興味深い内容のインタビューになっています。

ところで、当ブログ的な話題としては、このロングインタビューの中で、またまた「聲の形」の伏線がいくつか回収された(笑)ということをとりあげないわけにはいきません。

1)顔に×印がつく演出は、「ひらめいた」だけ。
 でも、×をつけたり外したりという演出が、将也の気持ちを表現するうえで役に立っていると大今先生自身が感じているとのこと。

2)石田姉の顔が出ないのは「将也と硝子のドラマに無関係だから」。

3)でも、石田姉を登場させる理由は「将也の人格形成に大きく関わっているから」。

4)石田姉の歴代の彼氏達の大人とたくさん交流したことによって、将也は「根拠のない自信」や「何でも怖がらずに面白がってしまう性格」を身につけた。

特に、2)の、石田姉の顔が出されない理由がはっきり説明されたのは、なかなか大きな「伏線回収」ですね(実は、「伏線回収ウォッチング」にリストアップされている伏線だったりします(笑))。


「週刊少年マガジン」2014年第40号より。

また、4)で、石田姉の彼氏との交流が、将也の人格形成に大きな影響を与えている、という話が出てきましたから、ペドロの「お前を守る」というキャラクターが、将也にも引き継がれて硝子を守った、ということになるのかもしれませんね(笑)。


「週刊少年マガジン」2014年第40号より。
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第51話、文字にも施された実験的技法とは?

第51話は、硝子が生きている聴覚障害の世界を描くために、さまざまな実験的技法が盛り込まれていますが、そのなかの1つが、

文字の左右を削る。

というテクニックです。

ほとんど子音の聞こえていない母音中心の発音を文字化することで音声言語の識別の困難さを表現し、さらにその文字の左右を削ることによって、「そもそもそんな発音ですら聞き取りが困難」ということを示している、といえるのではないかと思います。

この文字の左右カットもいくつかバリエーションが用意されていて、それぞれの状況の違いが表現されています。

1)将也転落後の警官や島田らとのやりとり
 文字の右側がかなり大きく削られ、左側も若干削られている。


第51話、4ページ。

2)映画撮影中や、その後の雑談時
 文字の右側は削れているが、1)より削られ度は小さい。左側も若干削られていて、それは1)と同じレベル。さらにフォントが変わっている


第51話、6ページ。

3)硝子の空想のなかでの会話
 文字の削れはない。フォントは1)と同じ。


第51話、10ページ。

まず、1)の状況ですが、硝子は補聴器を外したまま外に出ていると思われますので、聞こえは非常に悪く、そのぶん文字の削れが大きくなっているということだと思われます。

そして、2)では、左耳に補聴器をつけていますので、その分、ことばが聞き取れるようになっていることが表現されています。
一方で、補聴器により音声が機械的に拡大・調音されていることを、フォントを変更することによって表現しているといえそうです。

ところで、1)と2)を比較すると、左耳の聴力=文字の右側のカットされ具合、という対応のようですから、そういう意味では、硝子の右耳は補聴器がなくても左耳に補聴器をつけた程度には聞こえている(文字の左側のカットのされかたから)、ということが表現されていると判断していいのではないかと思われます。

この部分については、硝子が将也との再会時、池に落ちて補聴器を壊した(らしい)という描写があり、それ以降補聴器が左耳のみになっていて、右耳の補聴器をなぜ買い直さないのか、という謎があるのですが、今回の描写からは「比較的右耳のきこえの具合がよく、補聴器をつける必要が薄くなっているから」ということになるのかもしれません。(どうも、聴力がよくなっているという設定は特に感じられないので、この解釈にも不自然な印象はぬぐいきれないのですが…)

そして、3)については、硝子の空想のなかでの会話ですから、「健聴者」のようにきれいに聞こえる、という状態を硝子なりにイメージしたものとして、文字は欠けていない、ということになっていると考えられます。

今回、第51話は、聴覚障害者が経験している世界をどのように表現したら「伝わる」のか、ということについて、大今先生がさまざまな新しいアイデアを駆使して技法面からも実験的にチャレンジしていることが伝わってくる、とても「熱い」回になっているな、と改めて思います。
タグ:第51話
posted by sora at 08:03| Comment(5) | TrackBack(0) | 第6巻 | 更新情報をチェックする