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2014年08月06日

第48話、川井の「なぜ知っているのか?」問題

さて、第44話では、植野がなぜ硝子の飛び降りを知っていたのかという謎が、第46話では永束がなぜ硝子の飛び降りを知っているのかという謎が、さらに第47話では佐原がなぜ硝子の飛び降りと将也のリアクションの詳細を知っているのかという謎がありました。

そして今回、第48話では、どうやら川井までが硝子の飛び降りを知っているらしいという「川井がなぜ知ってるのか問題」まで飛び出してきました。

まず、川井は、将也の飛び降り事件に対してまったく動揺を見せていません。

普通に考えると、8月5日の登校日に将也との間でなされた感情的なやり取りを引き金にして、さらにそのあとに続く「橋崩壊事件」で将也が傷ついているのを見たのが将也を見かけた最後なわけですから、「あの日」をきっかけに将也が飛び降り自殺をしたのでは?と考えるのが自然ではないでしょうか。
そう考えたとき(いくら自分が正しいと信じていたとしても)、自分の発言が将也を自殺に追い込んだのかもしれない、という可能性を考えて動揺するのが自然な態度だと思います。
ましてや今回は「川井視点」なので川井の内面もダダ漏れなのですが、それでもその不安を考えている気配もありません。

そして、病室で硝子に会ったら、いきなり「命の大切さ」とか「生きていたら辛いこともあるけど頑張ろう」みたいなことをとうとうと説教し始めています。
これもまた、川井が硝子が飛び降りたことを知っていなければありえない言動だと言うほかありません。(この部分に川井の内面描写がまったくないところは巧妙というかうまく隠してるなと思いますが)

こうやってみると、川井が、この新学期開始日よりも前に将也の転落事件を知っていて、かつその詳細(実際には硝子が飛び降りた)まで知らされていることは間違いありません。

では、どうやって知ったのでしょうか?

今回の、植野に対する川井のモノローグをみると、「橋事件」以降、川井と植野はやりとりが途絶えているように見えます。
ですから、「植野→川井ルート」の可能性は低そうです。
また、川井は3巻で佐原の連絡先を知りませんでした。真柴だけに興味のある川井が映画撮影中に佐原の連絡先を交換した可能性も低そうなので、「佐原→川井ルート」もなさそうです。

唯一考えられるのは、第44話で永束が「みんなに連絡した」のなかに川井・真柴も入っていて、かつ、川井がその連絡のあとに改めて永束に連絡をとった、という、「永束→川井ルート」ならぬ「川井→永束ルート」です

最初に永束が川井に連絡をとったとき、永束が知っていたのはその時点で石田母が知っていた情報、つまり「原因は分からないけど将也が転落して入院」どまりでした。
ですからこの段階では、川井もまた同じく、転落の真相はわかりません。
でもその後、永束は(恐らく佐原と一緒に結絃のカメラ映像を見て)真相を知ります。
その情報を得たあとで、川井から永束に電話があれば、永束は川井に事態の真相を伝えることができたことになります。

おそらく川井は、最初に永束からの電話で将也転落を知ったときは、少なからず上記のような「自分のせいかも」という不安を感じたのではないでしょうか。
そこで、その日の夜にでも改めて永束に自分から電話をして、なにか新しいことが分かったかどうかを聞いたのではないかと想像します。
それで、実際には自分が原因ではなく硝子が原因だったとしり、自分の問題としては「安心」した、ということなのではないかと思います。

全体的に、この「なぜ知っているのか問題」は、あらゆる登場人物にあてはまる謎になってきているので若干気持ちがわるいのですが、一応、植野以外については説明は成り立ちそうだと思っています。

やはり「なぜ知っているのか問題」の最大の謎は、第44話の植野というのは変わらないようです。
タグ:第48話
posted by sora at 08:49 | Comment(3) | TrackBack(0) | 第6巻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第48話、川井はなぜ苦しい立場に追い込まれてる?

第48話の話題、今回はベーシックな読み解きから始めてみようと思います。

第48話で、川井の提案した千羽鶴がクラスの少なくとも2人(雰囲気的にはもっと多くの人)から否定的な目で見られてしまった件、それなりにクラス内での地位を固めていたはずの川井が微妙に苦しい立場に追い込まれているように見えますが、それはなぜでしょうか?

もちろん、将也がクラスの中でそれほど認められていなかった、みんなから疎遠に思われていた(だから千羽鶴なんて面倒)というのもあったでしょうが、それだけではないと思います。

自然に考えれば、その最大の理由は、

将也の転落が、川井の発言を苦にした自殺だと疑われているから。

だと思われます。

考えてみると、今回、新学期になりましたが、その直前で、まわりの生徒が川井や将也を見たのは、8月5日の夏休み中の登校日でした。
そのときに何が起こったかといえば、川井が将也の過去のいじめと、それを口止めしようとした行為を周囲にぶちまけ、ショックを受けた将也が教室から走り去る、という、将也と川井との「修羅場」、というか「川井劇場」でした。


第38話、9ページ。これが8月5日、クラスメートが将也を見た最後でした。

クラスの生徒にとって、将也を最後に見たのが、この「川井劇場の修羅場」から走り去っていく将也だったわけですね。

そしてさらにその後も、(橋に着いてからの真柴のせりふなどを見ると)川井と真柴が教室で話をして、真柴が川井を落ち着かせたうえで、「あれは言いすぎだからあとで謝ろうよ」みたいなことを言っていたと思われます。
それもクラスの少なからぬ人に聞かれていたでしょう。

登校日にあんなものを見せられて、いざ新学期になったら将也は転落して重傷、原因不明、となれば、当然多くの生徒は、あの登校日の修羅場が原因で将也は飛び降りたんじゃないか、といぶかるでしょう。

それなのに、川井はまるで他人事のように、クラスを代表して見舞いに行くから千羽鶴を折れ、と指示を出しているわけで、これはさすがに反感を受けても仕方ない、ということになると思います。

実際、あのLINEもどきのメッセージの最後のやりとりは「こいつのせいで飛び降りたんじゃないか」になっていて、だからこそ、しれっとした川井の態度に対して「気持ちワルイ」という陰口が飛び出したわけですね。

さすがにこの「クラスを代表して千羽鶴を」の場面での川井の態度をみると、川井は自分自身の「人望」を買いかぶりすぎていたのではないか、と思わずにはいられないところです。

そして、川井のこの態度からもう1つ不思議に思うことがあります。
それは、川井自身が、「これってもしかして自分のせいでは?」と不安がっている様子がまったく見られないことです。

これも含めて、次のエントリで考えてみたいと思います。
タグ:第48話
posted by sora at 08:20 | Comment(13) | TrackBack(0) | 第6巻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第47話、将也に対する植野の思いと覚悟とは?

第47話では、植野は「門番」として2ページほど登場しただけでしたが(笑)、この短い登場場面だけで、かなりいろいろなことが分かる描写となっています。


第47話、13ページ。

まず分かったことは、植野が毎日将也の病室に通いつめていること。そして、硝子が病室に入ることを妨害し続けていること、です。

今回、佐原が病室のドアを開けようとして開かなかったのは、植野が「押さえていた」からですが(ということは第46話で永束が開けようとしたときも、本当に「押さえていた」んですね。永束の演技を疑って悪かったです(笑))、そのあとドアを開けた植野は「なんだお前か」と言っています。
つまり、「佐原じゃない誰か」がドアを開けようとしていると思って、ドアを押さえていた、ということが伺えます。

そして佐原はそのすぐ後に、病院内で硝子と遭遇しました。
つまり、硝子は佐原の直前くらいに将也の病室に見舞いに来たけれども、この日も植野から門前払いを食らった、植野は硝子が入ってこないようにドアを押さえていた、ちょうどそこに佐原がやってきた、ということなのでしょう。
(さすがにそんなに長時間ドアを開かなくしていたら見回りの医師や看護師に追い出されてしまうでしょうから、この間の時間は短かったのだと思われます)

そして、佐原が仕上げてきた妖精の衣装に対して、コンテストに出すなら自分の名前を出さずに勝手にやれ、と返しました。


第47話、14ページ。

映画撮影中に植野が将也に話したとおり、この妖精の衣装は、植野にとっても、東京の学校に進学するために必要な作品だったはずです。
それを植野は放棄しようとしていることになります。

そして、将也の病室にこもっている。

つまり、植野は、あらゆることを犠牲にして、将也のためにできることをして今の時間を過ごそうと覚悟を決めている、そういうことだと思います。
その「できること」の1つだと植野が思っていることが、「硝子を将也から引き離すこと、硝子を排除すること」であることは間違いありません。
植野にとって、硝子は小学校時代からずっと変わらず、自身と将也の関係を怖し、不幸に陥れる「害悪」なのでしょうから。

「橋事件」で将也との関係が切れてしまったあと、植野は毎日電話をかけていましたが、将也の自宅の場所を知っているにも関わらず、直接押しかけることはありませんでした。おそらく、そこには橋での失敗からくる躊躇があったのでしょう。
ところがその結果、将也は硝子との関係に依存し、硝子自殺とそれへの将也の巻き込まれという最悪の結果につながってしまいました。

その「行動選択の誤り」を植野は痛感し後悔しており、今度こそ、自分がいちばん近くにいて、何がなんでも「害悪」である硝子と切り離さなければならない、と心に決めているのではないかと想像します。

もしかすると植野は、目が覚めたときに将也に徹底的に嫌われることさえも覚悟のうちに入れるフェーズに既に入っているのかもしれません。
最後の最後に、将也からの心からの「嫌い」をぶつけてもらえれば、それはそれでいい、と。

そこまで「答え」が出れば、植野はまた「日常」に復帰することができるはずです。
硝子との関係がどうなるか、映画制作に復帰するかどうかはわかりません。
でも、そういう、答えが出たのか出ていないのか分からないような姿が、「聲の形」で植野に与えられる「和解ではない救いの形」になるのかもしれないな、と思っています。
タグ:第47話
posted by sora at 00:00 | Comment(6) | TrackBack(0) | 第6巻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする