2014年08月01日

第47話:定例 伏線回収ウォッチング

さて、恒例の伏線回収ウォッチング、今回は第47話についてのものです。

第47話では(下記のウォッチ対象の伏線とはズレますが)佐原まわりの伏線があらかた回収されて、「佐原に関する大きな謎はほぼもうない」という状態になったんじゃないかと思います。

1)特A級
1a)硝子の将也への恋心は届くのか。将也の硝子への恋心は自覚され届くのか。
1b)将也、硝子双方が持つ自己嫌悪は克服されるのか。
1c)島田の中学での将也迫害の理由、島田が将也に考えている(いた)こと
1d)小学校時代の硝子がなぜ将也と友達になろうとしたか
1e)硝子が自殺を決意するに至る(小学校からの)心情的経緯 →44話の手紙と45話の結絃の回想で語られました
1f)橋メンバーとの和解。誰と和解し、誰と和解しないのか。 → 46話、47話で、硝子-永束-佐原の人間関係が再構築されています。
1g)将也がクラスメート全般につけている×は外れるのか
1h)硝子が「諦めていたもの」とは何だったのか→45話の結絃の回想から、かなり重いものである可能性が強まりました
1i)将也は、いつ硝子に過去の行い(いじめ)を謝罪するのか

2)A級
2a)硝子が植野に出した手紙の中身 → 第44話で明らかになりました
2b)硝子の補聴器が片方になった理由
2c)水門小から転校後の硝子の学校生活、交友関係
2d)なぜ島田はテキ屋になっているのか、ただのバイトなのか
2e)結絃カメラのゴクヒ映像はもう使われないのか → 47話からみると、自殺の映像はガムシロ組にも共有されたようです。
2f)結絃の不登校は解消されるのか、自称「硝子の世話係」を卒業するのか → 第44話、45話で「世話係」の自己像が否定されました。
2g)硝子が「死にたい」から1か月半程度で立ち直るまでの経緯

3)Aマイナス級
3a)真柴の正体、真柴の「同級生」
3b)結絃が死体写真ばかり撮っていた理由 → 第45話で明確になりました。
3c)ガーデンピックはいつ聞くんだ
3d)佐原のメール「成長を証明する」方法 → 第44話、45話での植野への振る舞いに明確に見えました。47話でも成長が示されています。
3e)竹内がなぜ手話を知っているのか
3f)ペドロはどこへ行った?
3g)広瀬のいま、島田・植野との関係
3h)将也が中学時代も孤立していたことを硝子は知ることになるのか
3i)映画はどうなるの? → 硝子を中心に再開されつつあります。

4)B級
4a)喜多先生の結婚相手、喜多はいま何をやっているのか
4b)小学校時代、将也以外のクラスメートの硝子いじめの実態
4c)石田母の「優しさの中の厳しさ」はもう表現されないのか
4d)健脚コンビとは何だったのか
4e)デラックスってなぜ登場したんだろう、再登場はある?
4f)石田姉の顔出しはある?
4g)花火大会の「あれ 西宮さんじゃね?」の発言者は?


第47話は、第46話に引き続き、「映画撮影再開」を1つのトリガーにして、「橋メンバーの関係」を、硝子が率先して行動して再構築していく、という展開となりました。

また、「佐原視点回」だったために、上記では伏線として取り上げていませんでしたが、以下のような伏線が回収されています。

・佐原の不登校から保健室登校に至る状況
・佐原の、植野に対する複雑な感情 → 才能に対する憧れと昔からの恐怖
・佐原は植野に憧れて太陽女子に入ったのか? → 偶然でした
・佐原はいつから植野に憧れるようになったのか? → 太陽女子で才能を知ってから(高2)
・佐原が太陽女子で人気者になる経緯 → 背が伸びて高2でモデルに
・佐原の、将也に対する感情 →「変わった」立派な人間


また、これは別エントリで触れたいと思いますが、第47話の佐原のモノローグから、結絃のゴクヒ映像のうち、自殺の経緯の録画映像は、佐原や永束と共有されたように思われます。
ゴクヒ映像は、映画には使われず、このくらいの使われ方で終わるのかもしれません。

それにしても、思ったほど、この定点観測エントリ開始時に設定していた伏線が回収されないですね。
この「定点観測」で取り上げているのは、主に将也-硝子まわりの伏線だから、かもしれません。
やはり「植野視点回」と、将也が目覚めて硝子と対面する展開がこないと、特A級の伏線にもなかなか手が出せない感じです。
(そういう意味で、ここ数話の進行に、やや停滞感が漂っているのかもしれませんね。)
ラベル:第47話
posted by sora at 08:25| Comment(2) | TrackBack(0) | 第6巻 | 更新情報をチェックする

第47話で改めて考える、「ガムシロ組」とは何だったのか?

以前、「つながりマップ」のエントリを書いたときにも図示しましたが、将也・硝子をとりまく人間関係は、大きく「ガムシロ組」と「それ以外」に分かれています
ここで「ガムシロ組」というのは、第4巻第32話「ガムシロ」で、将也が祖母の死去で落ち込む結絃を励ますときに「仲間」として名前をあげたメンバーのことで、具体的には下記のメンバーになります。

・将也
・硝子
・結絃
・佐原
・永束


逆に、ここから外れる「橋メンバー」は、以下となります。

・植野
・真柴
・川井


この2つのグループの違いはなんなんだろう?ということを、少し考えていました。

もちろん、相対的に仲がいい・悪いということでもあるのですが、それはあくまで結果論であって、「つながりマップ」を見れば分かることです。

それより、今回、第46話、第47話で、次々と「ガムシロ組」が硝子を中心として結束していくのをみて、気づいたことがあるのです。

それは、

ガムシロ組のメンバーは全員、コミュニケーション上の障害を持っている硝子と、深いコミュニケーションができるスキルとレディネスを持っている。
そして、「非ガムシロ組」は、全員、そうではない。


ということです。

第46話で、永束がやたら筆談ノートをうまく使いこなすという「隠れた才能」を見せたこと、そして第47話で、佐原が硝子から「どうしたの?」「必要」という手話での会話を通じて、過去のトラウマを乗り越える糸口を見つける描写を読んで、

ああ、「ガムシロ組」というのは、つまり、会話の輪のなかに硝子が入っても、全員のコミュニケーション、意思の疎通に問題が起こらない人たちなんだな。

ということに気づいたわけです。

・将也:手話ができる
・結絃:手話ができる
・佐原:手話ができる
・永束:筆談ノートの達人

・植野:手話も筆談も大嫌い
・真柴:硝子との会話に興味なし
・川井:硝子との会話に興味なし



第46話、5ページ。

そして、もう1つ興味深いことは、「ガムシロ組」はみな、硝子と物理的にはコミュニケーションに支障がないにも関わらず、誰もがトラウマを抱えていて、心理的にコミュニケーション不全に陥っていた、ということです。

その筆頭が、「諦めていた」「愛想笑い」の硝子だったわけです。

その硝子が「覚醒」し、コミュニケーションが取れるガムシロ組のメンバーと、積極的に話をするようになったことで、46話、47話でガムシロ組があっという間に結束を強め、「橋事件」以前よりもずっと前に進んだ関係を構築しつつあるのは、ある意味自然なことなのだと思います。

そしてやはり、インタビュー等で大今先生のいう「和解できる」「和解できない」の境界線は、おそらく基本的にはこの「ガムシロ組」か否かのところに引かれるのではないかと予想します。

そうなってくるとやはり、「和解できるか否か」のボーダーぎりぎりに立っているのは、植野、ということになりそうですね。
硝子とはコミュニケーションできない(したくない)という植野が、将也や、あるいは硝子と「和解」できるのか…これは、作者にとって「コミュニケーション」がどういうものとしてとらえられているのかをはっきり示すものになるのではないかと思います。
ラベル:第47話
posted by sora at 07:11| Comment(4) | TrackBack(0) | 第6巻 | 更新情報をチェックする