2014年04月04日

ブログを作ってみました。

「聲の形」、ほんとにいいまんがですよね。
このまんがのすごいところは、もちろん取り上げているテーマの重さもそうなんですが、週刊での連載でありながら、非常に緻密に伏線が散りばめられ、またさまざまな部分に、ちょっと読んだだけでは解読しきれない「謎」が満ち溢れているところです。
そういった伏線や謎を解きほぐしていくのも、「聲の形」を読む楽しみですね。

というわけで、このブログでは、「聲の形」のなかで、私が気づいた伏線や謎について考察していきたいと思います。

もちろん、ここでの考察は私の個人的な考えなので、違う解釈や、読み誤りなどもあると思います。
もしそういった場合は、ぜひコメントなどで教えていただければと思います。

それでは、よろしくお願いします!


聲の形 第1巻・第2巻・第3巻
大今良時
講談社 少年マガジンKC
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2014年04月05日

硝子が転校してくる前の学校は?

小学校時代、硝子は将也が通う学校に転校してくるわけですが、その前はどこにいたのでしょうか?

単行本第1巻32ページにその答えがあります。
将也の靴を盗んだ「デラックス」が通う「第二小」で、デラックスに押しのけられてよろける硝子の姿が描かれています。



硝子は障害がありながらも、(おそらく親の方針で)普通校を転々としていたということがわかりますね。

ラベル:第01話
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島田の特技は?

このエントリを書いている時点で、まだ謎の多い島田。
彼の特技がわかるカットがあります。



第1巻81ページです。
合唱コンクールの練習で、よくみると島田がピアノを弾いているのがわかります。
島田はピアノが弾ける(しかもクラスで1番うまい)ということですね。

早い時期から塾に通っているのをみても、彼の家は比較的裕福であることがわかりますね。
ラベル:第02話
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硝子はなぜ聴覚障害になったのか?

第1巻収録の第2話で、川井が担任の竹内にこんなことを聞いているシーンがあります。



硝子がなぜ聞こえなくなったのか、この問いへの答えは、ずっと後、第4巻収録の第32話でようやく明かされます。

第32話で、「感染症」「予防接種していなかった」「ウイルス感染」ということばが出てきます。
(細菌ではなく)ウイルスによる感染症で、予防接種が一般に実施されていて、妊婦が感染すると子どもに難聴が生じる恐れがあるもの、というと「風疹」である可能性が高いと思われます。

つまり、硝子は「先天性風疹症候群」によって両耳が聞こえにくい障害をもって生まれてきた、ということのようです。

https://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/400/150812.html
NHK生活情報ブログ 2013年03月30日 (土)
風疹で息子が難聴に 母の後悔、そして願い
posted by sora at 10:33| Comment(5) | TrackBack(0) | 第1巻 | 更新情報をチェックする

なぜ池のなかに硝子のノートがあったのか?

硝子をいじめていた将也が一転、学級裁判をへていじめられる側に転落した最初の日、学校の池に突き落とされた将也が、池の中に沈んでいた硝子のノートを見つけるシーンがあります。(第1巻第3話)



ここで将也も不思議がっているように、このノートは将也が数か月前に硝子から奪って、池に投げ捨てたものですが、そのとき硝子は池に入ってノートを探しているんですね。
当然見つかっただろうに、なぜそのまま池に落ちているか、不思議がっているわけです。

実は、このシーンについては、連載になる前の読みきりでは別の描写があります。
硝子は池に落ちたノートを見つけていったん拾うのですが、クラスメートとコミュニケーションをとるためのノートで実際にはいじめられていることに絶望した硝子は、そのノートにもはや意味を見出せなくなり、またそのままそのノートを池に落としてしまうのです。



とても悲しいシーンですね。

でも、この「池に残されたノート」が、このあと高校生になった将也が硝子と再会する際のキーアイテムになってくるわけです。
ラベル:第03話 読みきり
posted by sora at 10:47| Comment(7) | TrackBack(0) | 第1巻 | 更新情報をチェックする

読みきり版と連載の違い

さて、1つ前のエントリとも関係してくるのですが、なぜ短い読みきり版ではあった「硝子がノートを拾ってまた落としてしまう」シーンが、より尺の長い連載版ではカットされたのでしょうか。

KOE_NO_KATACHI_029.jpg

これ以外にも、読みきりにはあったのに連載ではカットされた描写がたくさんあるのです。

それは、作者の大今先生へのインタビュー記事を読むとわかります。

「クロノ・トリガー」のマンガを描いていました「週刊少年マガジン」で新連載『聲の形』大今良時に聞く2

───『聲の形』の連載にあたり、読切と何か大きく変えたところはありますか。
大今  読切ではとにかく必要最低限の要素──それぞれの登場人物の感情がどう動き、何がどうなったという“情報”を作品の時間軸に合わせてひとつひとつ描きこんだり、コンパクトに情報を伝えるために、聴覚障害者の西宮硝子視点のシーンも描かなければならなかった。連載では視点をなるべく主人公の石田将也にしぼって、理解できない相手との間でどうやって理解を深めていくかということに焦点を当てるつもりです。“読み味”は読切と少し違うかもしれません。

───視点を固定した狙いはなんでしょう。
大今  これまで読んでいない人をどう引き入れるかということを考えた結果です。読切で描き上げたものを連載にするというのも、リメイクといえばリメイクですし、同じことを描きながら、いままで興味を持ってもらえなかった人を引き込みたい。それでいて読切で知ってくれたたくさんの読者にもオトク感というか、新鮮な印象で読んでもらえたらいいですね。


このように、連載版は読みきりとは異なり、視点を石田からの一人称に原則統一しています。
硝子がノートを落とすシーンは、完全に「硝子視点」からの描写であり、硝子の内面まで具体的に描いてしまっています。
ですから、「石田視点限定」という連載版の原則にしたがって、このシーンは外されたということになります。

もちろん、「石田視点限定」という「縛り」によって、描写(特に硝子の側の描写)には著しい制約がかかることになります。
その制約を緩和するために、読みきり版の内容の「その後」となる単行本第2巻以降では、「硝子側の視点」を語る新たな人物が登場してくることになります。

また、上記の「視点」以外にも、連載版では「その後の伏線」になるよう、読みきり版からは細かく修正されているところがたくさんありますが、それはまた次の機会に書きたいと思います。
ラベル:読みきり
posted by sora at 11:35| Comment(0) | TrackBack(0) | その他・一般 | 更新情報をチェックする

石田母・ピアスの謎

これはいろんなところで話題になっているのですが、意外と分かりにくい謎です。

将也が学級裁判で吊るし上げられて、補聴器を壊した「犯人」になった後、将也の母親は硝子の母親に会って補聴器の代金を弁償します。

その場に将也はいなかったわけですが、弁償と話し合いが終わって将也のもとに戻ってくる母親に、ある異変が見られます。



母親の右耳、先ほどまであったはずのピアスがなくなっていて、耳にキズがあって血がこびりついているように見えます。
どうやらピアスが引きちぎられてなくなっているらしいのです。

なぜこんなことになっているのか、考えられる可能性はいくつかありますが、どれが正解なのかはなかなか分かりにくいです。

1. 石田母が自ら(息子がやったことへのけじめとして)ピアスを引きちぎった。
2. 西宮母が(娘へのいじめの復讐として)ピアスを引きちぎった。

ただ、当ブログでは、1.の可能性が高いと思っています。
西宮母が将也に会ったとき、「下品な顔 親子そっくりね」と言い放ちます。
将也だけでなく、石田母についても「下品だ」と言っているわけですが、もし石田母が、相手の言い分を全部聞いて、単に平謝りに謝っただけだとしたら、「下品」という印象になるだろうか?という疑問があるのです。

ただ、もし石田母が自らピアスを引きちぎって、それをある種の「誠意」として西宮母に見せたとしたら、「下品な反省の表現だ」と思う可能性はあると思うんですよね。
また、仮に西宮母にピアスを引きちぎられて血まみれになったとしたら、さすがに石田母も将也の元に戻ってきたときにもう少し違ったリアクションをしていたんじゃないかとも思うわけですね。(逆に自分でやったのなら、あの落ち着きぶりはおかしくありません。)

というわけで、当ブログでは1.の説をとりたいと思います。
いずれにしても、将也が硝子の補聴器を奪おうとして耳たぶを引きちぎってしまった(第1巻106~107ページ)ことに対応する「罰」であることは恐らく間違いないだろうと思います。
ラベル:第03話
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将也転落後も続く硝子いじめ

学級裁判的には「すべて石田のせい」となった硝子いじめですが、将也がいじめられる側に転落して、硝子いじめをやめた後も、硝子へのいじめは続いていました。



つまり、石田転落後のこのクラスでは、「石田いじめ」と「硝子いじめ」が並行して行われていた、ということになります。

石田をいじめていた側の中心が島田と広瀬だというのは、まんが本編内でも散々出てくるので異論はないとして、この時期に硝子をいじめていたのは誰なのでしょうか?

これについては、「植野」だ、という考えがあります。
植野は、硝子の転校当初いろいろと面倒をみていたにもかかわらず、結果としてはろくなことがなかったことから、西宮を恨んでいた(第3巻以降でもそういった描写があります)うえに、実は将也のことが好きだったという背景もあるので、

・もともと硝子のことを嫌いになっていた
・石田を転落させる原因を作ったという意味でも硝子が嫌いだった
・いじめの標的が石田に集中するのを少しでも拡散したい

といった動機から、硝子いじめを継続していたのではないかと考えられるわけです。

ただ、仮にそうだったとしても、植野の「単独犯」ということはないでしょう。
第1巻148ページでは、体育のペアリングで将也だけでなく硝子も仲間はずれになっています。
つまり、硝子はすでに(石田からのいじめがなくなっても)孤立してクラスの誰からもサポートされなくなっていた、ということが示されています。

ですから、将也の転落後も、硝子は孤立し、無視・仲間はずれなどの「受動的ないじめ」はクラス全体から受け続けていた、ということなんだろうと思います。
(そう考えると、なんだかんだ言ってもそれなりのかかわりを続けていた将也に、硝子の気持ちが向き続けていたことを、ある程度説明できるのではないかとも思います。)
ラベル:第04話
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硝子はケンカのときに何と言ってるのか?

聲の形、小学生編屈指の名場面と言っていい、将也と硝子のケンカのシーン。

この場面では、普段決して話さない硝子が、文字どおり「こえ」で将也に話しかけぶつかっていきます。



第1巻163ページ、この場面で硝子が拙いながらに言っていることばですが、可能性としては、

1.「頑張ってる!これでも頑張ってる!」
2.「頑張ってる!それでも頑張ってる!」

のどちらかでしょう。

ただ、文脈と、2つめの文節の頭を「ほ」りぇても、と言っているところから考えると、どちらかというと2.の「それでも」のほうが可能性は高いかな、と思います。

「これでも」だと、硝子自身のことを中心に言っていることになり、
「それでも」だと、硝子だけでなく将也のことも含めて「(どんなに厳しい状況でも)私もあなたも頑張ってる」といったニュアンスに近くなり、ここでのメッセージ性としては「それでも」のほうがすわりがいい感じですね。
ラベル:第04話
posted by sora at 22:27| Comment(2) | TrackBack(0) | 第1巻 | 更新情報をチェックする

「やっと気づいた?」と言ったのは誰?

これも大きな謎で、実はまだはっきり解けていません。

第1巻166ページで、硝子が転校した翌日、机に落書きされていたのは硝子ではなく自分だったと分かったときに横から聞こえてくる「やっと気づいた?」の声。



吹き出しの方向からして、声が聞こえてきたのは将也の右、または右後方。
そしてセリフの中身から、言っているのは女子生徒。
将也が立っていた位置から判定すると、教壇から見て、将也の机の左側、左前方、もしくは前方にいる女子生徒から言われた、ということになるのですが…

そのすぐ後のコマを見ると、この方向にめぼしい生徒が誰もいないんですよね。
ほんとに誰もいない。
そもそも将也のほうを向いている生徒がいないです。

ここで考えられるのは、次の2つの可能性くらいかな、と思います。

1. 2つ前の席に座っていた川井。で、言った後ほかの友だちに合流してしまった。
 川井は、島田にいじめられて倒れている将也を見て「因果応報」とか言ったりもしてるので、このセリフを言う人物としてもっともありえるんじゃないかな、と思います。(ただ、やっぱり位置的に厳しいかも…)

2. 誰もそんなこと言ってない。将也の幻聴。
 高校生編の初めのあたりで、将也はクラスメートが実際には言っていないセリフを聞いています。精神を病んで幻聴を聞いている状態になっているわけです。
 このときに、その最初の声を聞いた、という仮説も、(その後の高校生編を見ると)あながち間違っていないようにも思われます。

ラベル:第04話
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2014年04月06日

2巻冒頭のセリフは誰が言っている?

第2巻は、劇的な硝子と将也の再会から始まりますが、ここになんか違和感のあるセリフがかぶっています。



第2巻3ページ、まさに冒頭のシーンです。
このシーンを過ぎると、次のページからは普通に将也視点からみた、硝子との再会の描写になっていくのですが、少なくともこの最初のシーンは将也の独白とは思えません。
じゃあ硝子の内面なのでしょうか?

・・・
第2巻を最後まで読んだ方はこの謎は簡単に解けますね。

この独白は、将也のものでも硝子のものでもなく、硝子を見守り続ける結絃の独白です。
その証拠として、第2巻の最後、189ページにも同じようなモノローグがあって、第2巻は最初と最後を同じ構成にして締めくくられています。



ラベル:第14話 第06話
posted by sora at 00:07| Comment(2) | TrackBack(0) | 第2巻 | 更新情報をチェックする

「結絃」というキャラクターの役回り

読みきりでは登場せず、連載で登場したキャラクターの代表が、永束であり結絃であるわけですが、この「西宮結絃」というキャラクターはそもそもなぜ「連載で登場」したのでしょうか。

それは、前のエントリでも掲載したこちらのカットなどからうかがい知ることができます。



以前のエントリでご紹介したとおり、作者の大今先生は、「聲の形」を連載するにあたって、描写に1つの大きな制約を自ら課しました。

「クロノ・トリガー」のマンガを描いていました「週刊少年マガジン」で新連載『聲の形』大今良時に聞く2

【読切とは読み味を変えた】
───『聲の形』の連載にあたり、読切と何か大きく変えたところはありますか。
大今  読切ではとにかく必要最低限の要素──それぞれの登場人物の感情がどう動き、何がどうなったという“情報”を作品の時間軸に合わせてひとつひとつ描きこんだり、コンパクトに情報を伝えるために、聴覚障害者の西宮硝子視点のシーンも描かなければならなかった。連載では視点をなるべく主人公の石田将也にしぼって、理解できない相手との間でどうやって理解を深めていくかということに焦点を当てるつもりです。“読み味”は読切と少し違うかもしれません。

───視点を固定した狙いはなんでしょう。
大今  これまで読んでいない人をどう引き入れるかということを考えた結果です。読切で描き上げたものを連載にするというのも、リメイクといえばリメイクですし、同じことを描きながら、いままで興味を持ってもらえなかった人を引き込みたい。それでいて読切で知ってくれたたくさんの読者にもオトク感というか、新鮮な印象で読んでもらえたらいいですね。


簡単にいうと、読みきり版では使っていた「西宮硝子の視点や内面を直接描く」という手法を、連載では封印して、基本すべて将也の視点からだけの一人称の物語にしている、ということになります。

ところがこれだけだと、「将也が見ていないところで起こる物語」をまったく描けなくなってしまいます。
やはりどうしても、「硝子の側だけで起こる物語」や「硝子の内面や視点を、『石田フィルター』なしに描く物語」を描かなければならない場面は少なからず起こってしまうわけですね。

でも、だからといって硝子の内面を直接描いたのでは、ある意味読み切りと同じだし、また読者が「神の視点」に立ちすぎてしまう、という、(恐らく作者が危惧したであろう)問題が結局浮き上がってしまいます。

「コミュニケーションの難しさやすれ違い」がテーマである本作において、たとえ読者であっても、それらをすべてお見通しな視点を設定するのは安易だ、ということもありますね。

そこで登場したのが「結絃」である、というのが私の考え方です。
硝子本人ではない、でも硝子に誰よりも近くて硝子の近くで起こる物語を代弁し、また、将也と硝子のコミュニケーションがすれ違っているときにそれを仲介することができる役回りをもったキャラクター(=結絃)を設定することで、上記の問題をクリアできるようにしたわけです。
実際、第3巻~第4巻において、将也と結絃のコミュニケーションがスタックしたとき、結絃が動き回って問題を解決していくシーンがたくさん出てきますね。
そして、第4巻において顕著ですが、作者は「石田視点の一人称の物語」以外に、チャプターによっては、「結絃視点の一人称の物語」を許すという、制約の緩和をも行っています。

とだけ書くと、結絃ファンからは怒られそうです(^^;)。
もちろんそれだけではないのは当然です。
作者も、結絃を単なる「便利屋」にしてしまわないよう、第2巻、第4巻を中心に、結絃自身を深く掘り下げ、物語全体の中核キャラになるように設定しています。
ですから、出発点としては「物語に別視点を与える便利キャラ」ではあったと思いますが、そこから物語を深めていった結果としては、「物語になくてはならない中核キャラ」になったんだと思います。
posted by sora at 08:33| Comment(0) | TrackBack(0) | その他・一般 | 更新情報をチェックする